丁寧な暮らしは、言葉から始まっていた✍🏻
机の上には、きれいな食器。
小さな花が、静かに飾られている。
無添加の食材で作られた、
やさしいごはん。
綿素材の服に、
季節の柄をひとつだけ。
そんな暮らしに、
いいなあ、と思う。
ああいうふうに、
過ごせたらいいな。
だけど、続かなかった。
ちゃんとやろうとするほど、
どこか苦しくて、
気づけば、
元の生活に戻っていた。
1.🌿無理して整えた暮らしは、少し苦しかった
丁寧な暮らしに憧れて、
まずは手頃なものからそろえようと思った。
100円ショップの中でも、
そこそこきれいにみえる食器。
スーパーにある、
普段使うものでも無添加を選ぶ。
食べるお菓子も、
素朴なものを選んでみる。
そういう小さなことからはじめて、
「いつかこんな部屋に暮らしたい。」
と、思っていた。
けれど、続いたのは最初だけ。
これを続けようとすると、
急に難しくなる。
途中で挫折してしまうことが、
ほとんどだった。
2.🫧丁寧な暮らしって、思っていたより難しい
体に良い物とか、
ゆとりある生活をするとか。
丁寧な暮らしって、
思っていたよりハードルが高い。
あんなふうには、なれない気がした。
私は、
気づけばいつも余裕がなかった。
毎日慌ただしく働く中、
普通の生活をするだけで、精いっぱい。
ゆとりある生活に憧れて買った、
100円ショップの食器たち。
その日の帰りに、
スーパーで買った小さな花束。
生活感あふれる自分の部屋と、
「憧れた」ものたちを交互に見る。
私はここにいるのに、
どこか置いて行かれたような気がした。
3.✍️まず整えたのは、暮らしじゃなくて【言葉】だった
ある日。
買うものを整理しようと思って、
ペンとメモ用紙を手に取った。
食材の名前を書いていく。
そのとき、
「豆腐」と書こうとしたところ、
ふと、「お豆腐」とかいた。

その瞬間、ペンを持つ手が止まる。
空気が少しだけ変わった気がした。
誰に見せるわけでもない。
自分だけのメモなのに。
呼吸がすっと、楽になった。
4.🤍自分を大切にするって、どういうことだろう
なぜ丁寧な暮らしに憧れたんだろう。
「お豆腐」と書いたときの感覚が、
その答えに少し触れた気がした。
「お」をつけただけなのに、
ほんの少し、扱いが変わる。
透き通ったガラスの食器に、
きれいな柄のテーブルクロス。
季節の花がある、
あの食卓を思い出す。
あの整った空間に、
触れてみたかったのかもしれない。
もしかしたら、自分を、
丁寧に扱っていいと思いたかったのかもしれない。
自分の口から出る言葉を、
少しだけやわらかくする。
それだけで、部屋の空気が、
ほんの少しだけ、
やわらいだ気がした。
5.☀️丁寧な暮らしは、内側からはじまるのかもしれない
やさしい空間。
力が、ふっと抜ける場所。
そういうものに、憧れていた。
仕事や生活で、
毎日が慌ただしい。
そんな中で、ほんの少しの間。
何の役割もない、
ただの私に戻りたいと思った。
何をしなくても、
ここに居ていいと感じられる場所。
それが欲しかったのかもしれない。
それはきっと、
お金や時間をかけなくてもできる。
言葉を少しだけやわらかくするだけで、
その空気が、
少しずつ紡がれていく気がした。
丁寧な暮らしは、
内側から始まるのかもしれない。
この文章を、小説にしてみました。
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