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強国が暴走した有事にどの国も裁判官たり得ないというなら、人の法治社会で国際法を犯す国を一体誰が裁くのか【書籍:国際法以後】

この本は2024年1月に出版された。ロシアがウクライナへの全面的な軍事侵攻を開始したのが2022年2月24日のことだ。これよりちょうど約2年後に出版された本書は、序論として冒頭にまずこの件で2022年4月にウクライナ大統領であるゼレンスキー氏が国連安全保障理事会に対し行ったオンライン演説について触れている。安全保障理事会がそこに座するロシアの凶行に対し実行的に対応できないのであれば国連など解体すべきではないか、という点ともう一点についてが国際法についてだ。法として機能できない国際法ならばそれは終わっているも同然ということだ。

ロシアによるウクライナ侵攻

2022年2月24日、ロシアは「特別軍事作戦」と称するウクライナ侵攻を始めた。翌25日、国連安全保障理事会(以後安保理)米国とアルバニアより、ロシアの侵略は国連憲章2条4項に違反するとし、ウクライナに対する武力行使を即時に停止し、すべての軍隊を即時、完全、無条件に撤退させることなどを内容とする決議案が共同提案された。しかし安保理常任理事国でもあったロシアの持つ拒否権行使によりこの決議は否決された。

ロシア側の言い分は、この軍事侵攻をドネツクとルハンシクの「ロシア系住民」保護のための武力行使として国連憲章51条に規定する自衛権で正当化していると言い張っている。ロシアはその歴史上、過去にもロシア周辺国への軍事介入を行う際、しばしば「ロシア系住民の保護」を名目としてきた実績がある為か、ウクライナ侵攻のように自らが進んで先制攻撃する際にもこの大義名分を使用するようになってしまった。

過去2008年のグルジア(現ジョージア)紛争では、先に先制攻撃を始めたのはグルジア軍であり、ロシアの先制攻撃により始まった戦争ではない。しかし独立宣言している南オセチア共和国とアブハジア共和国はロシアの領地でも何でもなかったが、親ロシア派の国でありロシア系住民の保護が必要であるという理由を掲げ軍事介入し、両国の独立を一方的に承認した。過去がある。そして今回のウクライナ侵攻の際、ジョージアは長年ウクライナとも朋友関係があったにも関わらずこの戦争で痛い目をみてロシアを刺激したくないからか、現在の方針は親ロシア派であり侵攻されているウクライナに対して非協力的な立場をとっている

2014年2月20日、ロシア系住民が過半数を占めるウクライナ領クリミア半島に軍事介入した際も、「ロシア系住民の保護」を理由にあげた。日本が他人事ではないと言われる理由もここにある。北方領土にはロシア系住民も少なくない数住んでいる。ウクライナと同じくロシアが日本に軍事介入する理由があるということだ。岸田前首相がウクライナに対し必勝しゃもじと折り鶴ランプを贈呈したのもこういった背景もあるかもしれない。

常任理事国であっても国際法違反は許されないはずなのに、悪用しやすく穴だらけで、形ばかりの国際法

ロシアはウクライナに対し、国際人道法に違反する武力行使を行っている。
ロシアだけではない。ロシアと同じく中国もまた、ウイグル自治区に対し人道に反した行為を現在もなお続けている。去勢による民族浄化、拷問虐殺、言語の矯正による漢族化(民族浄化)を平然と行い隠蔽し続け、虐殺についても否認している。スマホゲームコンテンツに馴染みのある人間ならば、先日も中国産ゲーム内で日本人声優が降板されたことを知っている人も多いのではないだろうか。これは新疆ウイグル自治区で起こったことを告発する朗読劇【命がけの証言】に出演が決まっている声優だった。

昨今ではアメリカによるイラン核施設への軍事攻撃もニュースに上がった。
これも停戦の発表でうやむやになりつつあるが、アメリカがイランにしたことは理由はどうあれ明らかな国際法違反ではという声も上がっている。法の支配を否定し力の支配に情勢を変える力を持った強国だけが好き勝手に跋扈し突っぱねることもできる国際法。勝てそうな相手と理由をこじつけ自ら戦争を仕掛け、強い者が自分の思い通りにする時には何の効力もない国際法に、一体何の存在価値があるのか。いくらでも拒否権行使が使用できる常任理事国の大国だけが、国際法を理由に小国を我が物顔で裁き、自国の軍事介入を咎められれば拒否権で突っぱねる。厚顔無恥にだけ都合よく機能する国際法、大業な名前をしているが実態はこうではないか。そして日本はこの常任理事国入りをすることもできていないのに、馬鹿みたいな金額を今もなお国連に支払い続けている体のいい金づるなのである。けれども中国やロシアが日本をどうにかするようなことが起こっても、日米安保は機能しないし国際法はゴミと同じで何の盾にもならず、日本はもらえない保険に多額の金を払っただけのATMバカ国家として世界から嘲笑われるのがオチだ。都合のいいATMがさらに身を落とした総国家奴隷に変わるだけなのに、助けてくれる国際社会が本当にあると思っているのだろうか。いたとして、その国は強国を倒せるだけの力を持っているとでもいうのだろうか。そういった背景もあり、国際法は存在するだけの裸の王様状態だ。遵守するものだけが損をし、突っぱねられるものだけがおいしい思いをしている。

どの国家も裁判官ではない以上、国家間の権利義務関係の不一致において、ある国家の主張が唯一の正しい法規範になることはない。その限りで、国々の主張は基本的に政治的主張なのだ。それこそが「国際法は政治である」ということの意味である。

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ロシアのウクライナ侵攻。死者1万人を超えたイスラエルによるガザ攻撃、そしてイスラエルによるパレスチナ占領。世界は国際法が堂々と破られるさまを見続けてきた。

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政治の思惑で、国際法は紙切れ同然になってしまう。拒否権行使の権利を持つ常任理事国の過半数3国が現在進行系で守らなくてOKと思っている国際法など、正直もう終わっているのではないかと無学な自分ですら感じる。国際法がいとも容易く破られる今、その問題を直視せず信仰し続けるのか。あるいは役に立たないゴミだと投げ捨てるのか。権力政治の最たるものが、本当に機能しているかどうかには触れてはいけない国際法なのかもしれない。盲信でも唾棄でもない道がどこかにあるのだろうか。本書を通して著者が問い続けている。

最も割を食うのはいつもその国の弱者である

軍事侵攻、虐殺、侵略後の言語や文化矯正による統治、民族浄化。戦争や侵略はいつも無辜の人々を襲う。権力のある者は盤面でチェスの駒でも動かすように安全な場所から国民を操ることがほとんどだ。そして富を持つ者は、いち早く国外へと脱出する。戦争地帯で割りを食うのはいつでもその国の弱者だ。貧困世帯はどこかに移り住むことができない。集団疎開なども、侵略されたあとの統治にはほとんど効果がない。日本はアメリカが他国の統治初心者だったおかげで随分と手ぬるい程度で済んでいるが、それでもいいように性犯罪に巻き込まれた女子供は存在する。けれども、その悲惨な状況すらその程度で済んだと言わしめるような出来事が、現在も戦争中のウクライナや自治区のはずのウイグルで行われている。

日本でそうした事態が起こり実権を奪われたり機能しなくなった後、真っ先に差し出される生贄は生活保護世帯や、精神知的含む障害者や、生活保護ギリギリの貧困世帯からだ。どちらにせよ戦争では知的障害などがあろうと身体が動くなら前線に送られるし、送られなければ非国民だった。元気で抵抗できる体力のある者はそもそも残っていない。そこで例えば増えすぎた生活保護や障害者の社会福祉費用圧迫などを理由に地方各地に散らばる高齢者、障害者や生活保護世帯を一箇所に集めて保護する、就職先を指導斡旋するという名目からはじめるのがスムーズだからだ。ロシアなら今までの例を踏襲するならばロシアは広大だが人の住める環境にある土地が少ない。だからそういう人の住めない地区に捨てる。弱者は勝手に死ぬ。死体の処分も必要ない。そうして空いた日本の住居や土地に貧困世帯から徴兵した兵士への報奨として本人や家族を住まわせる。今までその者が住んでいた過酷な地域より日本の方が暮らしやすいからだ。

一方中国ならウイグルと同じように強制収容施設行きだ。そこで特例的に優生保護法等を復活させ去勢を行ったり、就労移行や就労支援、就労指導、職業訓練の皮を被った言語の矯正教育や強制労働、労働力にならないものから虐殺と移行するのは簡単なことだ。
人を攫うのも築古アパートなどの方が世帯数が少なく、壊しやすく、防犯も乏しく攫うのが容易い。男は強制労働、憂さ晴らし用の身体虐待、壊れたら処分。女は去勢後少しでも見目が使える者は現地で統治する者のガス抜き用に同国の女や金で買うだけの商売女相手にはできないような身体欠損や病死に繋がる人権破壊を含む性処理に使い、壊れたら処分で使い捨てる。髪や臓器はビジネス商品として侵略国内富裕層に向け出荷。中国によりウイグルで起きていることだ。日本や台湾で起きないとは言えない。

だから他人事ではない。ロシアはもしウクライナ侵攻に成功すればいずれ北方領土から北海道に手を出すことも視野に入れる。中国は台湾だけでなく日本にも狙いを定めている。留学や就労で来日し、生活保護や今まで社会保険すら払ってこなかったのに重病の治療を日本で行い公的保険を食いつぶす。
中国のスパイどころか、秘密警察が日本国内で堂々と活動できている。

中国には国防動員法がある。いつでも日本に在住の中国人たちは、中国政府の命令一つで敵に変わる可能性がある。個人の人間性が優しい人格者かどうかは関係ない。どんなに良い人であっても、家族を人質に取られれば裏切れない。中国人は中国富裕層が日本の土地を買い、タワマンを買い漁り価格高騰させタワマンを違法民泊化している。企業を買収するために、不自然にお玉を使った調理工程でお椀に注いだら誰でも気付くサイズのネズミやゴキブリなどの異物混入が仕立て上げられ株価を下落させたり炎上騒ぎを起こしたりする。株式市場では不正アクセスを行い長期投資の資産を一括売却した株で、ゴミ同然の中国株を買わせ儲けている。日本は骨の髄まで食い潰されたあと、いつ侵略されてもおかしくない準備が進んでいる。けれどもそうなった時に、国際法を遵守し国連に多額の金を払い続けた日本は国際法に守られない。中国やロシアは常任理事国なので、日本への侵略行為を絶対に止めない。

もしどこかの国への虐殺や侵略がきっかけとなって国際法が見直されることがあったとしても、国際法改定以前の被害国にそれが適用されることはない。やられ損の泣き寝入りだ。今できたばかりの法律で一昨年の凶悪事件を裁くことはできない。これは今の性犯罪でもそうだ。不同意性交が適用される前の性犯罪で、加害者が野放しになった悲惨な事件がいくつも存在する。被害者は一生の傷を負い人生を滅茶苦茶にされても、性欲に負けただけの加害者はのうのうと今も生きている。
ある国が他国に行った大虐殺や、大規模な奴隷化の後遺症は絶対に回復できない。死んだ人間は元には戻らない。身体欠損も去勢手術ももとに戻せないものがほとんどだ。その時点で虐殺や奴隷化を違法とし裁ける制定がなかったとして、そうした残虐行為を行った国々がのうのうと法的責任はないので合法だと言い放つわけだ。

「時間はすでに、一つでもなく、方向もなく、事物と切っても切り離せず、『今』もなく、連続でもないものとなった」(カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』)

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本書ではこの書籍からの引用もされている。上記の過去などに遡った国際法違反において、量子力学的考えを用いた物事の考え方にも触れられている。
「国際法以後」という本は、元々大学学部生への講義内容として準備されたものだそうだ。だから本書の内容も、大学内ので講義に参考文献も多大な数含まれている。

(以上一部抜粋)
本書を読みながら、自分も大学時代の講義場の空気を思い起こしていた。そうした講義に触れてみたいが、いくら開放されている講義があるとはいえいきなり行くのは心が引けるという人も、そういった理由から本書への取っ掛かりにしてもいいかもしれないと感じた。

終わりに、本書あとがきより抜粋された著書の紹介文ページを添えるので興味のあるかたは上記の記事のあとがきを試し読みしてみても良いと思う。以下に裏表紙の作品紹介と目次。

ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるパレスチナ占領、自治区ガザへの大規模攻撃。世界は国際法が堂々と破られるさまを見続けてきた。国際法はなぜこれほど無力なのだろう。しかし、国際法の実効性が脆弱なことは以前から明白であったし、そもそも国際法と呼ばれるものの中味も統一的ではない。にもかかわらず、そうした問題が真摯に議論されることはあまりなかった。本書が国際法を「奇妙な法」と呼び、国際法学を「奇妙な学問」と呼ぶのはそのためである。

とはいえ、国際法学の内部で国際法の批判的検討が皆無だったわけではない。それはマルティ・コスケニエミ、アンソニー・カーティ、ロザリン・ヒギンズ、デイヴィッド・ケネディらによって担われてきた。本書では、こうした研究者の議論を整理・検討し、その成果を糧とすることで、既存の国際法の〈後〉に来るべきものについて、筆者独自の展望を切り拓いている。

実効性なき国際法の構造的問題は、これ以上看過できないところまで来ている。国際法学の内部で批判が行われるだけでは不十分だろう。国際法の再構築は、決して法の専門家だけに委ねられるべき事柄ではないのである。
目 次
序論 脱構築さるべきもの
第1章 奇妙な法
第2章 奇妙な学問
第3章 国際法を不確定にするもの――総仮設構造の世界
第4章 非世界政府の非世界法(国際法の制度)
第5章 異議申し立て(または自己相対化)としての国際法理論
第6章 理論と構想
第7章 時間を巻き戻す――理論だけにできること
あとがき

索引

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国際情勢など身近にはないから関係ない、という意見もわかる。けれども現在の生活や特に経済状況とは切っても切り離せない相関がある。平和でないということは、余裕がないということだ。今の生活に余裕がない人間は、社会からも政府からも福祉からも真っ先に切り捨てられる。最初の生贄は貧困弱者と一般庶民だ。それを忘れてはいけないと思う。

また、昨今では国連サイバー犯罪条約(新サイバー犯罪条約)についても危惧がある。下記の記事が比較的とっつきやすくわかりやすいと感じたので紹介する。

正直にいうと、これらを主に推し進めているのは中国とロシアだ。言いたいことは何となくわかるかもしれないがあえて言う。創作物への規制はダシの可能性が高い。常任理事国であり、国際法を破りまくって侵略や虐殺行為を現在進行形でしている国々にとって海外の創作物や表現の自由は本当に都合が悪い。だから創作や創作物の所持を理由に気に食わない国内外の人物を消すための案と言っても過言ではない。

今でさえこういうことをやっている国なのだ。国連の常任理事国に罷免制度がないことが本当に法の穴でしかない。やはり戦争の戦勝国に有利なだけの制度を生かしておくこと自体、間違いなのかもしれない。国際法も、国連も裸の王国にぶら下がっているだけの泥船になりつつある。けれども強大な力を持つ戦勝国かつ大国の常任理事国に危機感を覚えさせることはほぼ不可能なのである。世界は不自由と崩壊に進んでいるのかもしれない。

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