熟語を探る 2 getもtakeも=「取る 得る」でも get away(逃げる)take away(取り去る)?
get と takeの熟語 2
英熟語は「get up=起きる」「take off=脱ぐ」のように、日本語とセットで覚えることが多いですよね。でも、それでは熟語が増えるたびに暗記しなければなりません。
そこで今回は、get と take の基本イメージと、その後ろにつく語のイメージから意味を考えてみましょう。
■ get up = 起きる
get + up(上へ)
寝ている状態から、体が「上の状態になる」ので、
get up → 起きる・立ち上がる
I get up at six every morning.
私は毎朝6時に起きます。
「get up=起きる」と丸暗記するより、「up の状態になる」と考えれば納得できます。
■ get on = 乗る
get + on(接触して・上に)
乗り物に接している状態になるので、
get on → 乗る
We got on the bus at the station.
私たちは駅でバスに乗りました。
反対に、
get off → 接触した状態から離れる → 降りる
I got off the train at Tokyo Station.
私は東京駅で電車を降りました。
get on と get off は、on と off のイメージが分かればセットで理解できます。
■ get over = 乗り越える・回復する
get + over(越えて向こう側へ)
困難や病気という「壁」を越えて、その向こう側へたどり着く。
そこから、
get over → 乗り越える・回復する
She got over her illness.
彼女は病気から回復しました。
over を単に「上」と覚えるのではなく、**「越えて向こう側へ」**と考えると分かりやすくなります。
■ get through = 切り抜ける・やり遂げる
get + through(中を通り抜けて)
困難の中を通って、反対側までたどり着く。
get through → 切り抜ける・やり遂げる
We got through a difficult year.
私たちは困難な一年を乗り切りました。
トンネルの中を通って出口へ出るようなイメージですね。
では take はどうでしょう?
take の基本には、**「何かを取って、それを動かす」**というイメージがあります。
■ take off = 脱ぐ
take + off(離れて)
服や靴などを取って、体から離す。
take off → 脱ぐ
Please take off your shoes.
靴を脱いでください。
飛行機なら地面から離れるので、
The plane took off on time.
飛行機は定刻に離陸しました。
同じ「離れる」という off のイメージが生きています。
■ take out = 取り出す
take + out(外へ)
何かを取って外へ動かす。
take out → 取り出す・外へ持ち出す
He took his wallet out of his pocket.
彼はポケットから財布を取り出しました。
■ take back = 返す・取り戻す
take + back(元のところへ)
何かを取って元の場所・状態へ戻す。
take back → 返す・取り戻す
I took the shirt back to the store.
私はそのシャツを店に返品しました。
さらに、
I take back what I said.
私は言ったことを撤回します。
一度口から出した言葉を「自分のところへ取り戻す」と考えると、「発言を撤回する」という意味になるのも面白いですね。
■ take over = 引き継ぐ
take + over(越えて・こちら側へ)
他の人が持っていた仕事や責任などを自分が取る。
take over → 引き継ぐ・支配する
She took over the family business.
彼女は家業を引き継ぎました。
同じ over でも、
get over the problem
→ 問題を越えて向こう側へ行く
→ 問題を乗り越える
take over the business
→ 仕事・管理を自分が取る
→ 仕事を引き継ぐ
となります。
■ get away と take away を比べると?
ここに get と take の違いがよく表れています。
The thief got away.
泥棒は逃げた。
get + away では、主語である泥棒自身が「away=離れた状態」になります。
一方、
The thief took the money away.
泥棒はお金を持ち去った。
take + away では、泥棒が money に働きかけて、それを away の状態にするわけです。
だから、
get away
S → away
take A away
S → A → away
と考えることができます。
ただし、「get away=逃げる」「take away=持ち去る」と日本語だけで固定して覚えるのは危険です。主語や目的語、文脈によって日本語訳は変わるからです。
大切なのは、日本語訳を丸暗記することではなく、get / take の基本イメージと、away、off、over、out などのイメージを組み合わせて考えることです。
■ 最後に――get は「自動詞寄り」、take は「他動詞寄り」
ここまで見てくると、get と take の面白い違いが見えてきます。
get は、
S + get + 方向・状態
という形で、主語自身がある場所・状態へ移る表現が多い。
get up
get away
get out
get off
get over
get through
つまり、get は比較的**「自動詞寄り」**の感覚があります。
それに対して take は、
S + take + O + 方向・状態
という形で、主語が目的語に働きかけ、それを動かす表現が多い。
take it away
take the garbage out
take your shoes off
take the book back
つまり、take は比較的**「他動詞寄り」**です。
もちろん例外はあります。たとえば The plane took off. の take off は目的語を取りません。
ですから、
get は自動詞寄り――主語自身が動く・変化する。
take は他動詞寄り――何かに働きかけ、それを動かす。
このくらいのイメージで捉えるのがいいでしょう。
熟語を一つ一つ日本語に置き換えて暗記するのではなく、「なぜこの意味になるんだろう?」と考えてみる。
そうすると、バラバラに見えていた英熟語が、実は一本の線でつながっていることに気づきます。
