夢を食べる獣
第一章:静寂の夜と、光の獣
世界が眠りにつく頃、少年のアリアは、深く、心地よい眠りの中にいた。
彼の夢は、いつも暖かく、光に満ちている。
今夜も、彼は黄金の雲に包まれ、テディベアの「くまきち」と一緒に、夢の海を漂っていた。
そんなアリアの眠りを見守るように、一頭の巨大な獣が寄り添っていた。
その姿は、まるで夜空を体現したかのよう。
毛皮は冷たい夜気のように青白く輝き、たてがみには無数の星々が瞬き、月の雫が散りばめられている。
獣は静かに、アリアの頭上に現れた黄金の夢の泡を、その大きな口で吸い込み始めた。
この獣は、「ドリームイーター」。
人々の夢を食べることで生きる、伝説の存在だ。
しかし、彼が食べるのは、人々の心を蝕む悪夢ではない。
アリアのような、純粋で、温かい夢だけを食べるのだ。
第二章:ドリームイーターの真実
ある日、アリアは夢の中で、ドリームイーターと話をした。
「君は、僕の夢を食べて、僕の心をからっぽにしてしまうの?」
アリアは不安げに尋ねた。
ドリームイーターは、優しく、深い声で答えた。
「違うよ、アリア。
私は、君の夢を食べることで、それを力に変えている。
そして、その力で、君の心を温かく保ち、悪い夢から守っているんだ。」
ドリームイーターが食べる夢は、彼の力となり、彼の体を、より美しく、より強くする。
そして、その力は、またアリアの夢へと還元される。
それは、まるで、夜と朝が交互に訪れるように、永遠に繰り返される、生命の循環だった。
第三章:消えゆく夢と、獣の決意
アリアが大人になり、社会に出るようになると、彼の夢は、少しずつ、形を変えていった。
仕事のストレス、人間関係の悩み、未来への不安…。
アリアの夢は、かつてのような黄金の光を失い、灰色で、冷たいものへと変わっていった。
ドリームイーターは、アリアの夢を食べようとしたが、それは、かつてのような温かい夢ではなかった。
灰色の夢は、彼の力となるどころか、彼の体を蝕み、彼の心を、闇へと引きずり込もうとした。
ドリームイーターは、アリアの夢を食べるのを止めた。
「このままでは、彼は、自分の夢に押しつぶされてしまう。」
獣は、アリアの心を救うために、ある決意をした。
第四章:ドリームイーターの贈り物
ドリームイーターは、アリアの心を、闇から救い出すために、自分の体を犠牲にすることにした。
彼は、自分の毛皮に刻まれた星々を、月の雫を、全てアリアの夢へと注ぎ込んだ。
ドリームイーターの力によって、アリアの灰色の夢は、再び、黄金の光を放ち始めた。
そして、その光は、アリアの心をも、温かく照らし始めた。
アリアは、ドリームイーターの贈り物によって、再び、夢を見る喜びを知った。
そして、彼は、自分の夢を叶えるために、一歩ずつ、歩み始めた。
第五章:永遠の夢
アリアが夢を叶えた時、ドリームイーターは、もう彼の隣にはいなかった。
しかし、アリアの心の中には、ドリームイーターが残した、温かい光が、永遠に輝き続けていた。
アリアは、夜空を見上げ、思った。
「ドリームイーターは、今も、どこかで、誰かの夢を守っているのかもしれない。」
そして、彼は、静かに、眠りについた。
彼の夢は、いつも暖かく、光に満ちている。
それは、まるで、ドリームイーターが、彼を優しく、見守っているかのように。

🍊第43回 3つのお題に空想のひらめきを
🎈お題①:「夢を食べる獣」
🐾お題②:「空を閉じ込めた瓶の中の王国」
⏳お題③:「影を持たない騎士の帰還」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい
