凍れる森の残り火
静寂に包まれた雪の森
その奥深くに佇む美しき精霊
銀世界の静寂(しじま)を縫って
月明かりを透かしたような 白金の髪がなびく
彼女が歩むあとに 足跡はなく
ただ ダイヤモンドの粉雪が舞い上がる
藍色の帯を締めた 薄氷(うすらい)の衣
それは 冬の夜が織り上げた一滴の涙
冷たい風さえも 彼女の指先に触れれば
穏やかな吐息へと 姿を変えてゆく
背後に灯る 古びた小屋の黄金色
それは 厳しい冬が隠し持った最後の熱
温もりを知らぬはずの 氷の精霊が
その光を見つめる時 瞳には何が映るのか
「冬は終わらないのではない、
春を待つために 深く深く眠っているだけ」
彼女がそっと手をかざせば
瞬く光は星屑となって 闇を払い
凍てついた世界に 優しい魔法をかけてゆく

お題④イラストから空想した世界
