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刻の揺り籠(ときのゆりかご)

#3つのお題に空想のひらめきを
#片桐みかんさん企画


​銀の針で夜を縫い

風を集めるおばあ
籠に満たした 琥珀の吐息
それは 地上にこぼれた 誰かの祈り


​忘却の砂に埋もれた
六つの虚(うつろ)を通り過ぎ
最後に残った 七つ目の井戸


その水底には 逆さまの銀河が揺れる天衣(あまのころも)を自ら破り
重力の檻を 愛と呼んだ


月に帰れなかったかぐや姫

​彼女は今も 井戸の淵で

おばあが放つ 風の記憶を吸い込み

淡い桜色の 夢を編む

​月へは帰らぬ 

この土の 香りのなかで。


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