刻の揺り籠(ときのゆりかご)
銀の針で夜を縫い
風を集めるおばあが
籠に満たした 琥珀の吐息
それは 地上にこぼれた 誰かの祈り
忘却の砂に埋もれた
六つの虚(うつろ)を通り過ぎ
最後に残った 七つ目の井戸
その水底には 逆さまの銀河が揺れる天衣(あまのころも)を自ら破り
重力の檻を 愛と呼んだ
月に帰れなかったかぐや姫
彼女は今も 井戸の淵で
おばあが放つ 風の記憶を吸い込み
淡い桜色の 夢を編む
月へは帰らぬ
この土の 香りのなかで。

銀の針で夜を縫い
風を集めるおばあが
籠に満たした 琥珀の吐息
それは 地上にこぼれた 誰かの祈り
忘却の砂に埋もれた
六つの虚(うつろ)を通り過ぎ
最後に残った 七つ目の井戸
その水底には 逆さまの銀河が揺れる天衣(あまのころも)を自ら破り
重力の檻を 愛と呼んだ
月に帰れなかったかぐや姫
彼女は今も 井戸の淵で
おばあが放つ 風の記憶を吸い込み
淡い桜色の 夢を編む
月へは帰らぬ
この土の 香りのなかで。
