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霧の箱根より 龍神さまへ

 人生で何度目かもうわからない箱根へ今日も来ています。
道中、自家用車にて走行中に伊勢原ICを通過いたしました。
「ああ此処がコニシさんのいつも言うあの街でありますか」
と、なんのはなしかわからないことを秋桜に話してみたのです。
彼女は乗車直後にぶどう味の飴、もとい酔い止め薬を服用し、このとき既に時速90キロの夢の中でありました。従ってわたくしの静かな感動は分かち合う相手なくひとりで消費することとなったのです。残念であります。
 
 足柄SAにて休憩をいただきました。工事中にて普段と全く異なる様相の駐車場に降り立ち、急用を果たそうとしましたが、車を後に歩き出したちょうど10秒後に小雨が牙を向き強雨となりました。濡れ鼠にはなりたくありません。猛ダッシュして建物へ到着し難を逃れました。

 箱根町にてまずは美術館を堪能いたしました。アールデコのガラスの香水瓶に心ときめいたのは、あの日のことを思い出したからでございます。……これはあなたとわたくしの間の秘密といたしましょう。あなた今日よりわたくしの共犯となり、少々の後ろめたい気分を味わうのです。

 箱根神社へ参拝。こちらを訪れるときはなぜかいつも雨模様、たまに雨上がり。今日は雨上がりで青空も見えました。ここでは日々の報告と明日への誓いを。九頭龍神社新宮へも参拝いたしました。このあとは明るいうちに宿へ着きたいところです。そりゃもちろん。がしかし、わたくしはもう、わかっていたことがありました。

参拝直前にはいちど晴れたものの
この後の変化が……

 車を走らせますと間もなく視界に変化が起こります。そう、濃霧です。実はこれまでも二度ありました。一度目は生後一ヶ月の息子を連れて大涌谷へ向かうとき。このときは濃霧に加え硫黄ガスも発生していました。二度目は前回の大涌谷行きの道中。このときは本当に、異世界をみた気がいたしました。そして今日は濃霧のなかで七曲りを走行。いい加減、家族全員この状況に慣れつつあります。なんの修行ですか。 
 ……まあそんなふうにわたくしの旅は雨に好かれているのです。ちなみにヘッダー画像のあやしすぎる空の写真も、嵐の直前のものであります。実に美しい彩雲は、そのあと見事に私たちを十日あまり南の島に足止めしてくれたのでした。 

 龍神様へお伝えしたいことがあるのです。
……いつも雨をありがとうございます。できればどうぞもう少し、お手柔らかにお願いいたします。明日はまた、大涌谷へと向かいます。その時はどうか晴天を。

#なんのはなしですか

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