それでも生きる。愛とともに。『¬PERFECT world』 波 香月さん
波 香月さんの『¬PERFECT world』。
ファンタジー小説部門応募作品です。
昨年に読んだ方もいらっしゃると思います。
今回大幅に加筆修正されています。
新しい『¬PERFECT world』、こちらです。
年月をかけて香月さんが大切にしてきた物語。わたしはこちらを、一編の「愛とは」を問う物語と感じました。第二章が加わったことで、深みと凄みが増したと思います。
全文を通して読むと、まるで映画か舞台を観ているような感覚になりました。
「愛と、愛を名乗るなにかと、愛だったはずのなにか」が、感情に迫り胸に刺さった、圧倒的な体験だった……という気持ちがいたします。
キャラ達のひとつひとつの愛が群像となり互いに照らし合います。ルーシアもナユリも「愛とはなにか」と自問し、何者かに問われながら、あてがわれた運命に対峙していきます。
愛の顔をした別の何か。支配、執着、承認欲求。それらは自分自身にもすごくあるから、読んでいて痛みを感じました。感情なんてなかなか捨てきれるものじゃないのに、彼らはそれを、涙を流しながらやるのです。
正直言うと、彼女たちを追いつめていく側の気持ちがわかってしまいます。彼らもまた、とても人間らしくて、かなしい。
きっとこのような感情を、誰しも奥底に持っているのでしょう。怖さを感じながら、それでもふたりの幸せを願いながら、気づけば最後まで読んでいました。
香月さんの『¬PERFECT world』に出会ったのは8ヶ月前。第二章への扉であった作品を読み、第一章を探し読んだのでした。それ以来わたしは 『¬PERFECT world』が好きです。まだほとんど読んでいなかったときから。 今回新たに書かれた第二部まで読了。そして思うのです。わたしの直感は間違っていなかった。ああ……やはり好きだ、と。
香月さん、『¬PERFECT world』を届けてくれてわたしは嬉しいです。
この物語に出会う人が、一人でも増えますように。

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