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そして道は交わる――過去の記憶が明日と重なる。


明日、推しに会いに行く。
ただし、推しそのものではない。
推しが擬人化されたIP。
『燈の守り人』の舞台「あかりび祭」
しかも美しい。姿も声も。





 母の故郷は千葉県海上郡飯岡町だった。窓から水平線が見える家に遊びに行き、夏休みの数日を過ごした。朝は日の出を眺めた。昼は砂浜を散歩した。夜は海を畏れた。銚電の線路を車窓から眺めた日があった。犬吠駅で電車を下りた日もあった。
 母の子どもの頃の話に時々、ちっちゃい灯台と銚子の灯台が登場した。前者は母がいつも友達と遊んだ、現・旭市の飯岡灯台。後者は銚子市のシンボル、犬吠埼灯台のこと。日常の遊びのなかにある、小さな飯岡灯台。少し遠くに出かけて会う、大きな犬吠埼灯台。母の海の話は、この2つの灯台の話から、最後には必ず、同じところへ着地した。……しかしそれは、別の話。
 大人になってからは、ふと思い立ったときに、銚子電鉄に乗り犬吠埼灯台へ足を運んでいた。しかし忙しい日々のなか、いつしか足は遠のいてしまっていた。それでも、妙に恋しく思うときもある。


 かつて飯岡の町の海岸線沿いには、一メートルほどのコンクリートの護岸が続いていた。テトラポットの向こうに広がる、灰青色の海。それに続く空との境界。……あの景色も、震災を経た今は、もう記憶の中にしかないのかもしれない。



 犬吠埼灯台の真下の岩場に、蒼い波が打ち付けている。ぶつかり合った瞬間、それは砕け白波となる。身のすくむような感覚とともに、その荒々しさと美しさにどうしようもなく惹かれる。この身は陸に護られながら、心は蒼い波に焦がれ……直視するには美しすぎる。それは本来人の目に映らぬ、人が見てはならないものなのか。


 暗い夜の海を照らす燈台よ。かつてわたしは、あなたを北極星と思っていた。あなたが燈台でよかった。


 自然の脅威に対峙し旅人を導き護る。長い時を越えてきたその孤高の存在を、わたしは見つめる。すると《彼》は言うのだ、中へ入れ、上ってこいと。おれの目線で、この世界を見てみろと。







ある日、犬吠埼灯台を検索していたら、燈台が人になっていた。




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