「もうコードは書いてない」最先端プログラマーが語った、ホワイトカラー崩壊のリアル
先日、小学校、中学校とずっと同じ学校に通い、同じ大学院を卒業した友人と、地元の居酒屋へ久しぶりに飲みに行きました 。
お互いの近況を報告し合う中で、彼が語った仕事のリアルに私は強い衝撃を受けました 。
彼は今、多くの人が携帯で利用している有名な競馬・競輪のアプリを開発するプログラマーとして働いています 。
さぞかし毎日、複雑なプログラミング言語をパソコン画面に打ち込んでいるのだろうと思いきや、技術の最先端にいる彼から返ってきたのは意外な言葉でした 。
「もう自分でコード(プログラミングの文章)はほとんど書いていないんだよね」
彼が今やっている業務のほとんどは、「こんな機能があったら面白いんじゃないか」という企画を発案すること 。
そして、その企画を基にAIが自動で作ってくれたプログラムをチェックし、おかしなところを直したり、さらに良くするための改善案を考えたりすることなのだそうです 。
かつては専門知識を持つ人間が何日もかけて書いていたプログラムを、今はAIが一瞬で形にし、人間は改善を考え、新たな案を出す側に回っている 。
その話を聞いたとき、私は自分の過去のある経験を思い出していました 。
3年前、私が味わった「もうこれなら自分いらないじゃないか…」という衝撃
私が初めてAIの凄さを身をもって知ったのは、今から3年前のことです 。
当時、新入社員として半導体関連の企業に勤めていた私は、会社が実施する専門的な化学の授業を毎週水曜日に受けていました 。
しかし、その内容がとにかく難しく、毎回ちんぷんかんぷんで全く理解することができませんでした 。
特に熱エネルギーの計算など、複雑な数式が絡む超難問はお手上げ状態 。
そこで、当時まだ周りで触っている人がごく一部しかいなかったchatgptに、藁をもすがる思いで問題を打ち込んでみたのです 。
すると、AIは一瞬で、しかも驚くほど分かりやすい解説付きで正解を導き出してくれました 。「もう、これなら自分はいらないじゃないか…」と、自分の存在意義が揺らぐような、強烈なショックを受けたのを今でも鮮明に覚えています 。
覆された「ホワイトカラー」の安全神話
ここで、ニュースなどでよく耳にするけれど、少し分かりにくい2つの言葉について整理させてください 。これからの仕事の変化を知る上で、とても大切な大前提となります 。
ホワイトカラー(頭脳労働・デスクワーク職)
「白いワイシャツの襟」が語源で、オフィスで書類を作ったり、企画を考えたりする事務職、ITエンジニアなどを指します 。高い学歴や専門知識が必要とされ、給与も高めであると言われてきました 。
ブルーカラー(現場労働・技術職)
「青い作業服の襟」が語源で、工場や建設現場などで身体や手を動かして直接モノを扱ったりサービスを提供したりする職種です(大工、整備士など) 。
一昔前は、「まずは工場や現場の仕事(ブルーカラー)がロボットに奪われ、オフィスでの頭脳労働(ホワイトカラー)は安全だろう」と言われていました 。
しかし、現実は私たちの想像をはるかに超えるスピードで、その予想を真逆へと引っ繰り返していきました 。
言葉やデータを扱うオフィスワークこそが、AIが最も得意とする分野だったのです 。書類作成やデータ集計といった「従来のホワイトカラーの仕事」は瞬く間にAIへ置き換わり、求人数は減少し始めています 。
「ブルーカラーミリオネア」という新しい価値
その一方で、今ものすごい勢いで価値が見直されているのが、現場で手を動かす「ブルーカラー」の人たちです 。現場の技術職として働き、驚くほどの高収入を得る人たちを指す「ブルーカラーミリオネア」という言葉まで生まれています 。
理由はシンプルで、「現場ごとに状況がまったく違う仕事」は、現時点のAI搭載のロボットでは代わりが務まらないからです 。
水道の配管修理や車の複雑な故障対応など、その場の状況を目で見極め、手先の感覚を頼りに臨機応変に対応する技術は、現時点では人間にしかできません 。
これからの時代を生きるということ
地元の居酒屋で友人と話し、かつて自分がAIに驚かされた日々を振り返りながら、私は改めて「これからの働き方」について深く考えさせられました 。
かつての「良い大学を出て、綺麗なオフィスでデスクワークをすれば一生安泰」という常識は、もう完全に過去のものになりました 。
数年先の未来すら予測できない「時代が読めない時代」だからこそ、誰かが決めた正解に従うのではなく、自律的に「自分で考える力」が何よりも重要になります。
これからは、オフィスワークであっても「AIを上手に使いこなして新しい企画を立てる力」や「人間同士の信頼関係を築く力」がなければ生き残れません 。
同時に、現場で人々の生活を支える確かな技術を持つこともまた強い武器になる時代です 。
時代の変化に置いていかれないよう、私自身も常に新しい技術に触れ、自らの頭で考えながら、自分の価値を磨き続けたいと思います 。
