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【子ども任せは危険】スマホが学力・集中力・メンタルに与える影響

前回に引き続き、今回もスマホについて話していきたいと思います。

少し極端な例かもしれませんが、仮にあなたが、まだ飛行機を知らない時代に生きていたとします。

そこに、初めて発明された「空を飛ぶ乗り物」が現れました。
「この乗り物に乗れば、空を飛ぶことができます」
そう言われたとき、あなたは最初の搭乗者になりたいと思うでしょうか。

おそらく多くの人は、まずこう考えると思います。
メリットは、空を飛べること。
デメリットは、墜落するかもしれないこと。

そう考えると、最初の段階では明らかにリスクの方が大きく感じられます。多くの人は、乗ることをためらうのではないでしょうか。

しかし今では、私たちは当たり前のように飛行機に乗っています。
それは、長い年月の中で安全性が確かめられ、「飛行機は基本的に安全な乗り物だ」という認識が社会に広がっているからです。

では、スマホはどうでしょうか。
スマホは、ある意味では未知の状態で、私たちの手元に届きました。

便利で、楽しくて、何でもできる。
SNSもできる。ゲームもできる。YouTubeも見られる。調べ物もできる。
メリットを挙げれば、いくらでも挙げることができます。

しかし、私たちが初めてスマホを手にしたとき、そのデメリットについて、どれほど深く考えていたでしょうか。

おそらく、多くの人はそこまで考えていなかったと思います。
私たちは、スマホの本当のデメリットをよく知らないまま、スマホを手にした世代です。

そして今、少しずつスマホが子どもたちに与える影響についての研究も出てきています。

今回は、スマホが子どもに与える影響について、いくつかの視点から考えてみたいと思います。


はじめに

正直に言うと、私自身も以前は、子どもにスマホを持たせることに対して、そこまで否定的ではありませんでした。

むしろ、スマホは子どもの探究にも役立つし、そこから新しい興味や学びが生まれることもある。
だから、子どものしたいようにある程度使わせてもいいのではないか。
そんなふうに考えていました。

しかし、塾で子どもたちと接する中で、少しずつ考えが変わってきました。
スマホは、私たち大人が思っている以上に、子どもにとって大きな影響を与えているのではないか。

そう感じる場面が増えてきたのです。
もちろん、スマホは非常に便利なものです。
私自身も、仕事でも日常生活でもスマホに助けられています。

ただし、その便利さを適切に扱えるのは、ある程度自制心が育った大人だからこそです。
まだ発達途中の子どもに対しては、やはり一定の制限が必要だと感じています。

1. 学力低下への影響

スマホの使いすぎは、子どもの学力にも影響を与える可能性が指摘されています。

東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らの研究では、スマホの使用時間が長い子どもほど、学力が低い傾向があることが示されています。

特に注目すべきなのは、単に「スマホを使う時間が長いから勉強時間が減る」という話だけではないという点です。

たとえ一定の学習時間を確保していても、スマホの使用時間が長い子どもは、成績に悪影響が出る可能性があるとされています。

これは、スマホによる大量の情報刺激が脳に負担をかけ、学んだ内容を整理したり、必要な情報を思い出したりする働きを妨げている可能性があるためです。

つまり、スマホは「勉強時間を奪うもの」であると同時に、勉強した内容を定着させる力そのものにも影響を与える可能性があるということです。

2. 集中力低下への影響

スマホの怖いところは、実際に使っている時間だけではありません。
研究では、スマホが机の上や視界に入る場所にあるだけでも、集中力や作業のパフォーマンスが下がる可能性が示されています。

たとえスマホを使っていなくても、私たちの脳は無意識のうちにスマホの存在を気にしてしまいます。

「通知が来ていないかな」
「誰かから連絡が来ているかもしれない」
「少しだけ見たい」

このような意識が、本人の自覚がないところで脳の一部を使ってしまうのです。
その結果、本来であれば勉強に向けるべき集中力が分散されてしまいます。

また、通知音やバイブレーションも大きな問題です。
内容を確認していなくても、通知が鳴った瞬間に「何が来たのだろう」と意識がそちらに向いてしまいます。

一度切れた集中を元に戻すには、思っている以上に時間がかかります。
だからこそ、勉強中はスマホを机の上に置かないこと。
できれば、視界に入らない場所、手の届かない場所に置くことが大切です。

3. メンタルに与える影響

スマホは、子どものメンタルにも影響を与える可能性があります。
特にSNSや動画アプリ、ゲームアプリには、何度も開きたくなる仕組みが多く組み込まれています。

通知、いいね、コメント、無限スクロール、短い動画の連続再生。
これらは、脳の報酬系を刺激し、「もう少しだけ見たい」「次も見たい」という感覚を生み出します。

その結果、自分の意志ではやめにくくなってしまうことがあります。
また、SNSでは他人の楽しそうな投稿や成功している姿が目に入りやすくなります。

それによって、自分と他人を比べて落ち込んだり、不安になったりする子もいます。

もちろん、スマホやSNSそのものがすべて悪いわけではありません。
友人とのつながりや情報収集など、良い面もあります。

しかし、子どもはまだ自制心を司る脳の領域が発達途中です。
大人でさえスマホを手放すのが難しいのですから、子どもが自分の意志だけでコントロールするのは、非常に難しいことだと思います。

だからこそ、スマホとの距離感は子ども任せにするのではなく、家庭や周囲の大人が一緒にルールを作り、環境を整えてあげる必要があります。

最後に

「昔もゲームやテレビがあったのだから、スマホもそこまで変わらないのではないか」
そう思われる方もいるかもしれません。

しかし、スマホにはゲームやテレビとは大きく違う点があります。
それは、どこにでも持ち運べて、いつでも使えてしまうということです。

昔のテレビは、基本的に家で見るものでした。
ゲームも、今ほどどこでもできるものではありませんでした。
しかしスマホは違います。

家でも使える。
学校の帰り道でも使える。
布団の中でも使える。
勉強机の上でも使える。
トイレの中でさえ使えてしまう。

つまり、スマホは子どもの生活のあらゆる場面に入り込むことができるのです。
しかも、スマホ一台の中に、SNS、ゲーム、動画、音楽、漫画、友人との連絡、検索、ショッピングなど、あらゆる刺激が詰め込まれています。

これは、昔のテレビやゲームとはまったく違う点です。
だからこそ、スマホは「便利な道具」であると同時に、「子どもの時間や集中力を奪いやすい道具」でもあるということを、大人が理解しておく必要があります。

スマホを完全に悪者にする必要はありません。
しかし、子どもにすべてを任せてしまうには、あまりにも刺激が強すぎる。
私は今、そう感じています。

大切なのは、スマホを禁止することではなく、子どもがスマホに支配されない環境を、大人が一緒に作っていくことではないでしょうか。

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