【子どもが伸びるのはどっち ?】分かりやすい授業1回 VS 復習5回
1. 分かりやすい授業だけでは定着しない
教えるのがとても上手い先生の授業を1回受けることと、5回自分で復習をすること。
この2つを比べたとき、どちらがより記憶に定着する学習だと思いますか?
私は、定着という意味では、間違いなく後者の
『 5回自分で復習すること 』
と思っています。
これは一見当たり前のように聞こえるかもしれません。
しかし、意外と分かっているようで分かっていない子が多いように感じます。
私自身も、中学生や高校生の頃はそうでした。
「あの先生は分かりにくい」
「もっと上手に教えてくれたら覚えられるのに」
そんなふうに、うまくいかない理由を先生の教え方のせいにしてしまっていたところがありました。
もちろん、分かりやすく教えてもらうことは大切です。
上手い授業は、理解のきっかけ(知ること)になります。
2.「知っている」と「理解している」は違う
ただし、ここで大事なのは、知ることと、理解することは別物だということです。
知る
その事柄について認識すること。気づくこと。
理解する
物事の道筋が正しくわかること。意味が分かること。
1回聞いただけでは知るということにすぎません。
それを記憶に定着させるためには理解に昇華させる必要があります。
知るを理解に昇華させるためには、何度も復習し、定着させる必要があります。

中学生を見ていると、
「授業の上手い先生の話を1回聞けば、それだけで一発で覚えられる」
と思ってしまっている子が意外と多いように感じます。
でも、現実にはそうではありません。
3. 自転車に乗れるようになることと勉強は似ている
私はそういう子たちに、よく自転車の話をします。
「自転車に、最初から一発で乗れた人なんてほとんどいないよね。
もし一発目から補助輪なしでスイスイ乗れたら、逆にちょっと怖くない?」
自転車は、まず補助輪をつけたり、誰かに支えてもらったりしながら練習します。
何度もふらつき、何度も止まり、何度も失敗しながら、少しずつ乗れるようになっていきます。
たとえ、自転車の乗り方についての説明がどれだけ上手な先生に講義をしてもらったとしても、それだけで一発で乗れるようになるわけはありません。
どれだけ教え方が上手くても、最後は自分で何度も乗ってみる必要があります。
勉強も、それと同じです。
自分で問題を解く。
自分で思い出す。
間違えたところをもう一度やり直す。
数日後にもう一度確認する。
こうした反復を通して、はじめて記憶は定着していきます。
4. 記憶は何度も使うことで強くなる
人間の脳は、何度も使った情報ほど「大事な情報だ」と判断し、記憶として定着していきます。
脳の中では、神経細胞であるニューロン同士がつながり、情報をやり取りしています。
そして、何度も同じことを思い出したり、繰り返し練習したりすることで、そのつながりが強まり、情報が伝わりやすくなっていきます。
5. 草むらに道ができるように、記憶は定着する
私はこのことを、よく「草むらに道ができるイメージ」で説明します。

草が生い茂った場所を、1回歩いただけでは道はできません。
少し草が倒れるかもしれませんが、時間が経てばまた元に戻ってしまいます。
でも、同じ場所を何度も何度も歩いていると、草が倒れ、地面が見え、やがてそこに道ができます。
記憶もこれと同じです。
1回授業を聞いただけでは、脳の中にまだ道はできません。
しかし、何度も思い出し、何度も問題を解き、何度も使うことで、脳の中に「通りやすい道」ができていきます。
6. 大切なのは「何度も繰り返すこと」
だから、勉強で大切なのは、
一発で覚えようとすることではなく、何度も繰り返すことです。
分かりやすい授業は、最初の一歩を助けてくれます。
でも、その道を本当に自分のものにするのは、自分で繰り返し歩いた回数です。
「先生の説明を聞いたから覚えた」
ではなく、
「自分で何度も思い出したから覚えた」
この感覚を持てるようになることが、成績を伸ばすうえでとても大切だと思っています。
