高市発言の落としどころ「架空の記者会見シナリオ」
高市早苗首相「存立危機事態」発言が招いた不可逆的な国益損失でも記したが、高市首相の台湾有事発言は失言レベルを大きく乗り越えた「外交の汚点」といえる発言だった。
しかし、この発言で生じた日本国に対する損失はなんとか食い止めなければならないだろう。
一番簡単なのは発言の撤回だが、彼女は発言の撤回など、考えてもいないだろう。
今回、高市首相の立場にたって、同意は出来ないが、発言の撤回を明言しない形で、彼女の思想信条と性格を考慮し、何とか落としどころを探るために、「架空の記者会見シナリオ」を考えてみた。
記者会見「総理の冒頭発言」
高市総理
「先般の委員会における私の発言は、安全保障環境の厳しさを説明する上で、これまでの政府答弁を踏襲した中で、あくまで一般論としてお答えしたに過ぎません。
しかし、その中であたかも個別の事象に対して判断したかのように誤って解釈されうる発言があったとの指摘について、ここでその発言についての理解について、日本国内外に齟齬が生じないよう、改めて説明いたします。
まず、平和安全法制における『存立危機事態』の法的定義を再確認いたします。 従来からの政府答弁にあります通り、我が国の平和安全法制において、武力行使が許容される『存立危機事態』とは、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に限られます。
したがって、仮に周辺事態において海上封鎖のような行動があったとしても、それによる経済的影響や物流の停滞といった『外形的な事実』だけをもって、直ちに存立危機事態と認定されることはありません。
『事象の発生』と『武力行使の決断』は、決して自動的にリンクするものではなく、我が国に直接的な武力攻撃の着手がない段階での認定は、現実に想定しうる限り、極めて限定的であります。
しかし一方で、その説明の過程において、『日本が直接攻撃を受けていない段階で、能動的に武力行使に踏み切るかのような印象』を一部に与えてしまった点については、私の説明が真意を十分に伝えきれていなかったものと、真摯に受け止めております。
政府としては、従来から一貫して、『武力による威嚇又は武力の行使は、国際法上、永久にこれを放棄する』との憲法の精神に立ち、いかなる場合においても国際法を遵守し、専ら自衛のための必要最小限の実力行使に限定して対応するものであります。
特に台湾問題については、中国と台湾の双方が話し合いによる平和的解決を追求することを一貫して強く期待しており、日本側から不用意に軍事的緊張を高めるような意図は毛頭ございません。
以上の点を踏まえ、今後、同種の質問に対しては、『個別具体的な事態に応じ、総合的に判断する』という従来からの政府答弁に則り、無用な誤解を招くことのないよう、発信には細心の注意を払ってまいる所存です。」
発言の「撤回」なのか?
記者A 「総理、今の説明は、先日の予算委員会での『海上封鎖はどう考えても存立危機事態になりうる』という発言を、事実上『撤回』されたという理解でよろしいでしょうか?
また、中国政府の圧力に屈したとの見方も出そうですが。」
高市首相「あくまでも、これまでの政府答弁を踏襲した『法的な定義の正確な再確認』であります。
先日の発言は、安全保障環境の厳しさを憂慮するあまり『自動的な武力行使の予約』であるかのように誤解されたことは、私の本意ではありません。
我が国は法治国家です。法律の厳格な適用要件を改めて説明し、『外形的事実だけで自動的に認定することはない』という原則を明確にしたものであり、これはいかなる外部からの圧力によるものでもなく、我が国の主体的な法解釈に基づく説明です。」
中国への「先制攻撃」の意図について
記者B「中国側は、あなたの以前の発言を『日本が攻撃を受けていない段階での先制攻撃の宣言』と受け止めました。今回の説明で、日本は『先制攻撃』の選択肢を完全に放棄したと言明できますか?」
高市首相「そもそも我が国の憲法および専守防衛の原則において、他国に対する『先制攻撃』という概念は存在しません。
我が国が武力を行使するのは、あくまで我が国に対する武力攻撃が発生したか、あるいは我が国の存立が脅かされ、国民の生命が根底から覆される明白な危険がある場合に限られます。
これはあくまでも『受動的』な措置であり、日本側から能動的に戦端を開くことは、法制度上あり得ないことです。
この点は、中国を含め国際社会に強くご理解いただきたい。」
日中関係の悪化と経済的損失について
記者C「発言以降、訪日客の減少や国債購入の縮小など、実体経済に影響が出ています。
今回の説明で、中国側の制裁的措置は解除されるとお考えですか? また、中国側へのアプローチはどうされますか?」
高市首相「中国側の一連の反応が、私の発言に対する『先制攻撃の示唆』という誤った解釈に基づいているのであれば、本日の説明によってその論理的根拠は解消されたと考えております。
誤解が解ければ、不当な措置を継続する理由はなくなるはずです。
政府としては、外交ルートを通じて本日の説明内容を正確に伝達し、経済・文化交流の早期正常化を求めてまいります。
日中両国の繁栄は相互依存関係にあり、冷静な対応を期待します。」
責任論について
記者D「『言葉足らず』とおっしゃいましたが、総理の一言でこれだけの国益が損なわれました。誤解を招いた責任をどうお考えですか?」
高市総理「最高指揮官としての発言の重みについては、痛感しております。 だからこそ、本日こうして自ら会見を開き、国内外の疑念を払拭するために、法的な定義を徹底して明確化いたしました。
私の責任は、生じてしまった誤解を解き、再び信頼に基づいた外交関係を再構築すること、そして何より、法の支配に基づく揺るぎない平和国家としての立場を堅持し続けることで果たしてまいる所存です。」
「これは事実上の撤回」との報道について
記者E「総理、今の説明は、前回の発言を打ち消すものであり、中国側や国内メディアは『事実上の撤回』あるいは『軌道修正』と受け止めるのではないでしょうか。そう報じられても構わないということでしょうか?」
高市総理「報道機関が私の発言をどのように分析・評価されるかは、それぞれの自由でありますのでコメントする立場にはありません。
私自身の認識として申し上げれば、『解釈の精度を上げた』という表現が最も正確だと考えます。
その結果として、中国側や国際社会において、我々が元来持っている平和国家としての姿がより正確に再認識されるのであれば、それは日本の国益に資することであり、何ら問題とは考えません。」
発言の撤回はしないのか
記者F「総理、確認ですが、中国側が強く反発している『海上封鎖は存立危機事態になりうる』という先日の発言そのものについては、撤回はされない、ということでよろしいですか?」
高市総理「先日の私の発言は、自衛隊がどのような軍事行動をとるかという『対応策』を述べたものではなく、海上封鎖という事態が、我が国の国民生活に与えうる『被害の深刻さ』について、一般論として触れたものです。
エネルギーや食料を輸入に頼る我が国にとって、海上封鎖が国民の生存を脅かす深刻な事態になりうるというのは、『客観的な事実』であり、この認識自体を取り下げることはできません。
しかし一方で、 『事態が深刻であり、存立危機事態の定義に当てはまりうる)』ということと、 『そこで直ちに武力、すなわち自衛権を発動する』ということは、全く別の次元の判断です。
重ねて申し上げますが、先の発言は前者の『危機感の共有』に主眼を置いたものでしたが、それが後者の『軍事行動の予約』であるかのように結び付けられてしまった点に、大きな誤解がありました。
したがって、発言自体は事実認識として維持しますが、『それが自動的な武力行使を意味するものではない』という点については、本日、明確に補足・修正させていただいた通りであります。」
最後に…
私は個人的に、「高市総理自体が日本の国益に反する存在」だと思っている。
出来るだけ早くやめてほしいが、そうもいかない現実も十分理解できる。
この仮想記者会見では、最大限に高市総理の立場に立って、「高市総理でもここまでだったら言えるだろう」と考え、高市総理の面目を保った形で、中国の面目をも保つ内容にしたつもりである。
一刻も早くこのような記者会見が行われることを心より希望する。
手遅れになる前に…
もしかしてすでに…
