voicepeakのナレーションの間を一括で調整するツール
ナレーション読み上げの神ツール

普段から動画制作のプロジェクトで、仮ナレーションを作るのに「VOICEPEAK」という合成音声ソフトを重宝しています。自然なしゃべり、直感的なGUIと多彩な声質、スクリプトなどのパラメータ指定もしやすく、AIナレーション界でもトップクラスの便利さだと思っています。案件や自主制作、YouTube動画の下書き音声としても、テキストを入れるだけで高品質な読み上げ音声がすぐ生成できるので、忙しいクリエイターには救世主です。
voicepeakの6ナレーターセットの女性1で青空文庫の文を読んだ例。
この女性1の声がとても美しい。みなさんも色んな所で聞いたことがあると思う。
一方で、細かく聞いていくと、デフォルトの句読点(、や。)の「間」の取り方に違和感を持つ方も多いのではないでしょうか?たとえば、句点の後に妙に間が空いてしまうのに、読点では流れるように読まれてしまったり。「句点はもっとしっかり一区切り付けてほしい」「読点は逆にスムーズに読み進めてほしい」といった、期待と挙動のズレに日々少しモヤモヤしていました。実際のナレーターや地のナレーションに近づけたい場合、ここの微妙な“間”がとても重要だと実感します。
一応の対処方
VOICEPEAK自体にも、「間」(ポーズ)を個別に細かく手動で調整する機能は一応用意されています。ただ、実際にやろうとすると、原稿内に何十、何百とある句読点を1つひとつ目視で探し出して、それぞれに設定して...という作業は本当に骨が折れるし、現実的ではありません。

公式が「間の一括編集」などの機能を実装してくれるのを待ち続けていますが、今のところ要望は届いていない様子です。
それでも工夫次第で対処できないかと考え、.vppというVOICEPEAKのプロジェクトファイルをテキストエディタ(メモ帳やVS Codeなど)で開いて、「pau」(休止)部分だけを検索置換することでゴリ押しする方法も試しました。しかし、JSON形式独特の構造に気をつけつつ、手作業でミスを防ぎながら何度も置換するのはやはり面倒です。特に長文原稿や複数ファイルを扱うとき、一括で安全に変換できるやり方がどうしても欲しくなりました。

VPPConvertKutoten

上記の悩みや作業負担を一気に解決する方法として、自作ツール「VPPConvertKutoten」を開発しました。これは、句読点や「・」「!」「?」など、読点・句点として扱われるさまざまな記号に対する「間(秒数)」を、ワンアクションで任意の値に一括変更できるデスクトップアプリです。
Python製のFletフレームワークで作られており、アプリ形式で起動できるため「プログラミング未経験」「コマンドライン未使用」の方でも簡単に導入して使うことができます。セットアップの煩雑さも極力排除し、「setup.bat」をクリックするだけで環境構築(依存パッケージの自動インストール)が完了します。日々の作業に追われている現場のクリエイターや、VOICEPEAKを初めて触るユーザーにも優しい設計を意識しました。
また、本アプリは .vppファイルを複数まとめて変換できる設計です。例えば複数話、複数シーンのプロジェクトファイルが大量にあっても、まとめて「句点は0.7秒」「読点は0.3秒」など一発で指定できます。誤ったフォーマットや余分な末尾データがファイル内にあっても、できるだけ正しく処理できるように例外対応も組み込んでいます。「元ファイルは上書きせず、必ずバックアップ付きで変換後ファイルを保存」する安全設計も特徴です。開発背景や追加機能については今後も GitHubリポジトリで随時アップデート予定です。
GitHubとかよくわからん!って方は以下からzipファイルをダウンロードしてください。最新版を使いたい方はGitHubからダウンロードしてください。
またMac向けスクリプトも用意しましたが私がMacを持っていないためテスト実行できておりません。Macをお持ちの方はお試しいただきフィードバック頂けますと助かります。
ツールの使い方紹介
実際の使い方も非常に簡単です。
まずVPPConvertKutotenのリポジトリから必要なファイルをダウンロードします(app.py, setup.batなど)。
Python(バージョン3.8以上)がPCにインストールされていれば「setup.bat」をダブルクリック。これだけでFletや関連モジュールのインストールまで自動で終わります。何かバージョン指定やカスタムセットアップが必要な場合は、バッチの引数からも柔軟に対応可能です。
Pythonのインストール方法がわからない方はChatGPTに聞いてみましょう。セットアップが終わったら「run_app.bat」を実行してアプリを起動。シンプルなGUI画面が立ち上がります。
「読点の間」「句点の間」それぞれ好みに合わせた秒数を入力します。(たとえば、「読点:0.25秒、句点:0.7秒」など)
「ファイルを選択して実行」ボタンから .vppファイル(複数選択も可)を指定するだけで変換完了!変換されたファイルは「元ファイル名+_modified.vpp」として同じフォルダに自動で保存されます。ファイルごとの処理数やエラーも、その場でメッセージ表示され安心です。
ドラッグ&ドロップには現状未対応ですが、今後Flet本体がアップデートされれば対応する方針です。何かご要望や不具合報告、便利な使い方アイデアなどあればぜひ READMEやGitHub Issue 、noteのコメント等でご連絡ください。
初心者からヘビーなナレーション作業者まで、幅広い用途で即活用できる仕様を目指しました。
まとめ
このツールによって、VOICEPEAKでのナレーション制作や音声編集フローが格段にラクになればうれしく思います。特に長文やシリーズものを作る人にとって、一箇所ずつ手作業していた手間が一気に解消します。
もし記事がお役に立ったらぜひ「いいね!」や記事の拡散、ご支援をお願いします。また、VOICEPEAK側が今後一括変換や高度な調整機能を公式実装した場合は、このツールの役目も終わるかもしれませんが、それまではぜひ現場の一助にお使いください。
「この機能が追加されればもっと便利!」など、ご要望やフィードバックもコメントでお待ちしています。みなさんの声をもとに、今後さらにパワーアップを図っていきます!
