「ドナー」になるという選択
今日は、私がドナー活動を始めることを決意した
きっかけと理由について、綴りたいと思います。
まず始めに、きっかけとなる背景の部分、
日本のAID(非配偶者間人工授精)における
「5つの壁」について記載します。
※これから記載する内容は、医療機関やSNS等で
ドナー活動をされている方々を否定するものでは
ありません。
あくまで現状の仕組みにおける「限界」に対する
私個人の見解です。
※レシピエント=非提供者、ドナー=提供者
1.医療機関の限界:ブラックボックス化された「ドナー情報」
多くの医療機関では精子提供者のプライバシーが
最優先されるため、匿名性が保たれています。
安全性は確保されている一方で、ドナーが
どのような外見、内面、価値観を持つ
人物なのか確かめる術はありません。
レシピエントは「我が子のルーツ」の実体を
知ることができないのです。
2.選択的シングルマザーとレズビアンカップルの苦境:不透明な情報に「潜伏するリスク」
現状、多くの医療機関では選択的シングルマザー、
レズビアンカップルの方々は精子提供を
受けることができません。
その結果、SNSやマッチングアプリに頼らざるを
得ませんが、ドナー情報の信憑性を担保する
仕組みがありません。
選ぶドナーの「誠実さ」を判断する指標を自ら
決めなければならず、最終的には主観頼りとなり、
選択するまでも、選択してからも常に不安が
付き纏います。
3.「提供して終わり」という現状:失われる子どもの「権利」
医療機関では匿名性が壁となり、個人間では
提供後の関係断絶が常態化しています。
それにより、生まれた子どもたちが将来
「自分のルーツを知りたい」と願ったときの
情報のバックアップが確立されていません。
そして、「出自を知る権利」を巡って、日本では
精子提供ドナーの数が更に減少傾向にあります。
4.遺伝的疾患リスク:ケアされない「誕生後のスタート」
子どもの人生は生まれてからが本番です。しかし、
既存の医療や個人ドナーでは、誕生後の遺伝的
疾患リスクに対する継続的なケアは行われていません。
ここでも「提供して終わり」という実情によって
リスクに備えることができないという「不安」を
常に抱え続けなければなりません。
5.深刻な供給不足:待機期間によって迫る「タイムリミット」
日本国内でAIDを実施している医療機関は極めて
少なく、さらにドナー不足により数年待ちという
実情があります。
「時間が経つほど妊娠率は下がる」という生物学的な
タイムリミットがある中で、この「待機期間」は
レシピエントの方々にとってあまりにも残酷です。
実情を知った私の「使命」
他人事だった生殖医療の現実と限界を知り、
これらの深刻な問題に直面してもなお、
「子を授かり、親になる」という意志を貫き、
戦い続けているたくさんの方々の気持ちに
ついて深く考えました。
言葉では言い表せないほどの不安を抱えて、
それでも前を向いて子どもを授かる未来を願う。
その「願い」は、この世に誕生する子どもたちと
同じくらい尊く、大切に守りたいと感じたことが
私がドナーになることを決意した理由です。
人生は選択の連続です。そしてドナーの選択は、
未来の子どもの誕生と成長に関わる、
決して後戻りができない選択です。
だからこそ、その選択が「妥協」ではなく、
心から安心して、納得できる選択をしてほしい。
誕生する子の未来を創る選択だからこそ、
私はその「選択」をシステムで支えたい。
提供して終わりではない『伴走』という
仕組みを構築することで、これらの課題を
一つずつクリアしていきたいと考えています。
長文となり、拙い部分もあったかと思いますが、
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
読んでくださったあなたへ、心からの感謝を。
