思わず冷や汗💦中学生だった頃、下校中「九死に一生を得た」そんな体験を書いてみた
「言葉の庭」というメンバーシップをやっています。
スタートから半年以上が経過し、だんだんと入ってくださる方が増えており、30名を超えました▼
「言葉の庭」では、毎回テーマを設定して、メンバーの方に執筆いただいています。
7月のテーマは
「汗をかいたこと、焦ったこと、怖かったこと」
あれは中学生の頃のことだ。
地元の公立中学に通っていた僕は、学校の帰り道をいつも決まった友人と歩きながら帰宅していた。
中学までの道のりは遠く、徒歩でおよそ四十分以上かかる。
自転車通学を許されていたのは、徒歩で一時間以上かかる生徒だけであり、僕らは徒歩圏内ということで、毎日えっちらおっちらと歩くしかなかった。
くだらない話や学校での出来事を笑いながら、寄り道を交えつつ帰る日々だった。
その日は蒸し暑かった。間もなく梅雨が明けようとしていた時期である。
夏服の白いカッターに袖を通した僕らは、汗をだらだら流しながらうだ話をして歩いていた。
中学校から家まで距離があるので、途中で缶ジュースを買い、立ち話をしながら休憩するのが恒例だった。
その日も同じように、僕は友人の一人と学校であった出来事を話していた。
好きだった女子が帰っていく姿を横目で追ったり、あるいは小学校時代の同級生が急にヤンキー化してしまい、無免許運転でバイクに乗り、爆音で通り過ぎるのを見送りつつ、とりとめのない会話を続けていた。
京都の田舎なので、大人たちは車やバイクでの移動が当たり前だった。
僕は道路脇のガードレールの支柱に腰掛け、鞄を地面に置いて、両足を浮かせるようにぶらぶらさせながら前に立つ友人と話していた。片手には冷えた缶ジュースを握っていた。
僕の後方をビュンビュン車が行き交っていた。
「わっ!」
不意に体のバランスを崩す。
慌てて体勢を立て直そうとしたが間に合わず、そのまま背中から道路側へと倒れていった。
ジュースの缶が手を離れ、宙を舞う。
危機を察した友人が手を伸ばす。
しかし、ぎりぎり間に合わなかった。
どんっ!
背中がアスファルトに触れた瞬間、僕の頭上を、軽トラックのハイゼットの前輪がわずか数センチの避けて通過した。髪の毛が車の風圧で大きく揺れた。
さかさまになった缶が路肩に叩きつけられ、制服の肩がジュースで濡れた。
「おい、大丈夫か!」
顔を強張らせた友人が、駆け寄ってくる。
青空を背景にした友人の顔が、汗と不安で滲んで見えた。
「お前、もうちょっとで頭、轢かれとったぞ!」
状況を理解した瞬間、体中から一気に汗が噴き出した。
友人の手を借りて立ち上がった僕の体は、ガタガタと小刻みに震えていた。
家に帰ったとき、いつものように母が言った「おかえり」が、なぜかその日はやけに染みた。
