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第六章5

最近では、ふかやんや昌次さんとは連絡を取らずにいた。
と言うよりも私自身この時は、目の前で呑気に座ってご飯を食べているこの人間をどうやるべきか、一連の悪事に終止符を打てばいいのかそれだけを考えていたのだ。

とにかくこの男よりも先を行かなければ勝てない。
少しでも隙を見せたらバレる。
そんな緊張感が常について回った。
しかし、私がこの長年の恨み辛みをぶつけてしまうとそこでもバレる一つだと思い洗脳されてるフリ、馬鹿なフリ、何も知らないフリを貫き通す。

最近では翔太は日中は家にいて眠るか電話をしていることが多かった。
朝帰ってこようが、泊まって来ようが私が何も言わなくなり、怒りもせず気にもしてないと思ったのか翔太の気が緩みだしていた。
私が何も言わない=信用したと思ったのであろう。
見ての通り単細胞なのだ。
そこを分かってて利用することにした。
それもあってか私の目の前で色んな人に電話することも多々あった。
その度にバレないように電話の時はほとんどと言っていいレベルでその会話を動画で撮影し証拠を取り始めた。

だいたい会話の内容を聞いていればキャバクラに入り浸ってるのがよく分かる内容だった。
出かける時間も早い時は夕方、基本的には夜か深夜が多くなった。
着ていく服装も翔太のお気に入りのセットアップばかりだった。
香水をつけることもあったり、髪をセットすることもあったり、何故か昭和のヤンキーみたいなオールバックで髪の毛ガチガチの時もあった(笑)
今でもその理由は不明である。

あれだけ以前は朝から出かけていた人が、何故か昼はいる。
私はストレスが溜まり始めたが、こんなチャンスはないと思い自身のストレスに更なる圧をかけて心に閉まった。
最初はどうしても腹が立ってしまって、洗車に出かけたり外で留美子さんや真理奈に電話して愚痴や弱音を散々吐いていたが、なるべく翔太が寝ていると思う時間に買い物家事は全て済ませて録音を録ることに集中することにした。
それは私にしかできない事だからだ。
それ以外はほぼ家の中で缶詰状態で家の中にいて常に携帯とにらめっこを始めた。
電話の話を聞いてると怒りで煮えくり返ってくる。
全てが嘘と言ってもいいレベル99%で作られている話だった。

やはり2階での電話が多かった為、ボイスレコーダーを仕掛けたこともあった。
基本的には蓮が横の部屋にいたことも多かったから、聞こえそうなときは聞いておいてもらうようお願いをした。

私が何かで家にいない時、敬斗と莉子にも録音をお願いした。

もう翔太以外の家族は一致団結して一つの目標へ進んでいた。
とにかくタイミングが来ることだけを願って撮り続けた。

莉子はその他にもSNSで翔太のキャバクラでの動画、写メを全て記録してくれていた。
金額が映る時もあり、現金の札束を扇子のように仰いでいる動画もあった。
基本的にはVIPルームで翔太一人に対しキャバ嬢5人とかでカラオケをやってるところも見つけてくれた。
そんなのが毎日毎日続いていたのだ。

ただ不可解だったのは誰からお金が入っているのか、その金額はいくらなのかそこが分からなかった。

細かいお金の流れは今ひとつ分からないままだ。
ネット銀行のやり取りが見たかったが、翔太の手の指紋でロックが開く仕組みになっていたためどうしても見ることができなかったのだ。

そんなことを考えながら毎日を生きていた。
翔太が食べ終わって出かけてから、私と子どもたちは夕ご飯を食べることも多かった。
これはもう王様と家来みたいな感じだろう。

翔太はいつもように出かける準備を始めた。
洗面所へ行ったその瞬間莉子は廊下で見張ってもらい、敬斗は私の前に立って見れないよう壁となってくれた。
その隙に翔太の携帯を見ることが多々あった。
翔太の携帯のロックは莉子がたまたま横でロックを外して携帯をいじってるのを見ててくれたお陰でロック解除は出来ていた。

どこへ行くのか、見れない銀行以外の銀行のお金はどうなのかチェックして証拠を収めた。

(あいつ終わるよ!)
莉子が合図をすると敬斗が私の肩を叩き子供は定位置へ。
翔太の携帯の指紋を一瞬で拭き何もなかったかのように装い、三人で夕食の準備をしていると鼻歌を歌いながら翔太は戻ってきた。

これが毎日の夜の流れだ。
大体行くキャバクラは想定できていた。

出かける準備が終わってもすぐに翔太は出かけるわけではない事も多々あった。
すぐに出かけない時は二階の寝室に行き電話をし始める。
そうなったら今度は蓮の出番だ。
階段の踊り場で会話を聞いてもらって記憶してもらう。
録音は翔太が布団をかぶって小声で喋っているため録れなかった。
なので記憶力のいい蓮に会話内容を記憶してもらってあいつが出かけたあとにご飯を食べながらお互いが報告をし合うというのが日課だった。
録れたボイスレコーダーもその都度確認したりしたが内容がくだらない電話ばかりが取れていた。




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