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第三章5

帰ってきて早々舌打ちしながら家の中に入ってきた。
「来るとは思ったんだよなぁー。くそ。」

「私にも見せてくれない?こんなの普通じゃないでしょ。」私は冷静に手を伸ばした。
「ちょっと待ってて。今俺が見てんの。お前は関係ないの。」
カチンと来たがぐっと堪えた。
「あのさ、見せられない様なことをしてたってことだよね?」
と冷たい目で言ったら、渋々見せてきた。

内容証明を見た内容はこんな感じだった。
・トランプで手品のような事をし占いが出来ると言い放ち、相手を信用させ金を騙し取った。
・自分は特殊能力があり不幸が起こるのを防ぐため、わざとマイナスを作るために消費者金融などで借金をすることによって人生にプラスが生まれると説明された。カードは翔太に渡し返済や管理も翔太がすると言われた。
・未来を見ることができ、病気になることや事故を起こすオーラが出ていてそれを防ぐために持っている全てのお金(貯金)や金品を除菌する必要がある。(除菌とは翔太に預けること)
・お金に黒いオーラなどがある場合は除菌する必要がある。
・預かったお金は土の中に埋め除菌すると言い翔太が直接預かるか、または紹介者にお金を預ける設定にしておいて本当は翔太が全てお金を持っている。
・翔太は7感と言うものがあり特別な人間。
・ペナルティを受けることを回避するにはお金が必要。
などだった。

合計で何千万にもなるお金を騙し取っていた。
頭が真っ白になるというのはこういう事を言うのだろう⋯。
どう考えてもこいつに特殊能力なんてものはない。

この内容見て姉の占いの言い方を自分なりにアレンジして真似しているのはすぐに分かった。
『オーラ』
『占い』
『ペナルティ』
姉が使う言葉だった。

ヘラヘラ笑って余裕そうな顔してる翔太は本当に悪魔だとよく分かった。

そんな中何かを思い付いたかのように翔太は私を見て言い放った。

「俺の計画は全て上手くいってたのに、お前が何か裏でやったんじゃねんか。絶対お前が邪魔したんだ。だから俺が訴えられちゃったんだ。じゃなかったら俺の洗脳簡単に解けないんだよ。どうしてくれんの?お前のせいで台無しだよ。みんな俺のこと信用してたのにお前のことだから俺のこと悪く言いふらして名誉毀損なことしやがって。首突っ込んで俺の名を汚しやがって。騙される奴が悪いんだよ。いい金づるだったのにな。結構いい駒だったのになぁ。くそが。」

前から翔太はそうだった。
自分がうまくいかなくなったり、失敗したりすると全て私の責任になるのだ。
毎回この攻撃を受けると辛くなる。
「自分は悪者なんだ。私が悪いんだ。」
と脳変換されてしまう。

私は意地でも私は悪くないと思いながら、無言で立ち続けていた。
それでも黙り込む私に向けて翔太のイライラはピークに達した。
高圧的な言い方、物に当たり部屋はぐちゃぐちゃ。
何を言われても内容証明の紙が視界に入ってくる。

ふと頭の中に以前複数名義の消費者カードがあったのを思い出し、この内容証明に結びついた。

この悪魔自分の想像を超える生き物なのかもしれないと⋯。


翔太は怒って物に当たっていたから自分で持っていた内容証明を手から離した。
その内容証明は私に見せてないものだった。

内容が頭の中に直球で入ってきて心の中がざわつき始めた。

そして次の瞬間、その一撃は私の心の中を怒りで震えさせた。



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