【銘柄分析】 RS Technologies(3445)
今回は、RS Tech(証券コード:3445)について解説します。
RS Techは、東証プライム市場に上場するシリコンウェーハ再生加工会社で、現在の時価総額は1,800億円を超えています。
① 企業概要
RS Techは、2010年に設立されたシリコンウェーハ再生加工市場で世界トップシェアを誇る半導体関連企業です。
半導体製造会社(主要取引先:TSMCなど)から使用済みウェーハを預かり、クリーニング・再生する事業を主力としています。
近年は中国の政府系企業との合弁や現地メーカーの買収を通じて、新品の「プライムシリコンウェーハ」製造販売にも注力しています。
また、半導体製造装置向けの消耗部材販売や、日立・シャープ製品の海外販売代理店業務など、多角的なグローバル展開を進めています。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
② 株主構成
最新の有価証券報告書によると、RS Techは代表取締役社長の方 永義氏と、同氏の投資会社である「R. S. TECH HONG KONG LIMITED」の2者で4割を超える株式を保有しており、オーナー経営色の強い企業と言えます。

(同社の有報より引用)
③ 株主還元方針
RS Techは、「将来の事業展開と財務体質の強化を勘案しつつ、安定的な配当を継続する」という基本方針のもと、年1回の期末配当を実施しています。
今期は年55円(期末一括)の配当を予想しており、現時点の配当利回りは約0.8%です。なお、権利確定月は12月の年1回です。
④ 最後に簡単な企業分析
業績は長期的な成長トレンドを維持
RS Techの業績は、半導体業界特有のシリコンサイクルによる一時的な停滞を経ながらも、長期的には成長トレンドを維持しています。
主力の再生ウェーハ事業は、半導体需要の拡大やそれに伴う生産能力の増強により、安定的に事業規模を拡大しています。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
通常、半導体製造ラインに投入されるウェーハのうち、約2割は「テストウェーハ(工程ごとの仕上がりを評価するモニター用や、装置を安定させるダミー用)」が占めています。
このテストウェーハには、新品のプライムウェーハよりも安価な再生ウェーハが多く使用されます。
同社は高い技術力によって再生ウェーハの「再利用可能回数」を競合よりも多くすることで、顧客に大きなコストメリットを提供しています。
これが原動力となり、同社は再生ウェーハ市場で世界シェアの約3分の1(トップシェア)を確保しています。
株価は1年で2倍以上に
RS Techの株価は、過去1年間で2倍以上の上昇を見せています。
生成AI向け半導体の世界的な需要拡大を背景に、半導体の製造工程に不可欠な再生ウェーハで世界トップシェアを持つ同社は、「半導体市場拡大のダイレクトな恩恵を受ける銘柄」として、投資家からの資金が集中しやすい環境にあると考えられます。
財務体質は実質無借金で盤石
RS Techの財務体質について、自己資本比率は39.1%と低めに見えるものの、これは中国を中心とした合弁・上場戦略に伴う資本構成(非支配株主持分の大きさ)によるものであり、ネットD/Eレシオが-91.5%と大幅なマイナスを示している通り、実態は豊富な手元資金に支えられた非常に健全かつ強固な財務体質と言えます。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
健全なキャッシュフロー経営
RS Techのキャッシュフロー(CF)は、本業の成長に伴って営業CFが着実に拡大しており、そこで得たキャッシュを成長に向けた設備投資や有利子負債の返済に充てるという、理想的な循環を築いています。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
配当は再び増配トレンドへ
RS Techは、一過性の業績低迷期にあたった2022年12月期こそ減配を余儀なくされたものの、その後は業績の回復・成長に伴い株主還元を再び強化しています。
今期は4期連続となる増配を計画するなど、明確な増配トレンドへとシフトしています。

(マネックス証券の銘柄スカウターより引用)
半導体業界の継続的な成長と景気変動耐性を両立
RS Techは、生成AIの普及に伴う半導体業界の長期的な成長を享受できる一方で、高い景気変動耐性を併せ持っています。
主力の再生ウェーハ事業は、不況期に顧客(半導体メーカー)のコスト削減意識が高まると、かえって使用量が増える傾向にあるため、他の半導体関連企業に比べてシリコンサイクルの悪影響を受けにくい点が強みです。
今後は生産能力の増強やM&Aを駆使し、現在の世界シェア33%を40%以上へ引き上げる目標を掲げています。
近年、生成AIブームによってPERが50倍を超える半導体株も珍しくありません。そうした中、同社の予想PERは20倍を下回る水準に留まっています。
株価自体は高値圏にあるものの、堅実な業績拡大が伴っているため、バリュエーションに過熱感はありません。
今後もこのペースで業績成長を継続できれば、キャピタルゲインとインカムゲインの両取りを十分に期待できる、極めて魅力的な銘柄と言えます。
※本記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。投資に関する決定は読者ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。

