音圧
小学校に入る前、父方の祖父が亡くなった
戦時中、旧日本軍の一員で、「神風特攻隊」の候補生だったそう
出撃目前に終戦を迎え、命を拾った
その人が、ぼくの名付け親だ
以来、その変わった読み方の説明責任を負うことになった
初めての葬式
神式の儀式
会場に響いていたのは、雅楽の「越天楽(えてんらく)」という曲
あの時間を、今でも鮮明に思い出せる
空気が震えていた
「音圧」が凄まじかった
ちなみに、「越天楽」がめちゃくちゃ好き
「龍笛(りゅうてき)」の静かなイントロに始まり、鼓とともに旋律を奏でる
そして、48秒を過ぎたあたりで「笙(しょう)」と「篳篥(ひちりき)」が絡み出す
ぜひApple MusicでもSpotifyでも聴いてほしい
時の天皇のプロデューサータグでも入っていたら完璧だった
ただ昨今のイニシャル2秒が勝負のSNSではバズらない
▼プロデューサータグとは▼
https://www.youtube.com/watch?v=TL4qn_569XA
それ以来、「音圧」に魅せられているのかもしれない
たまに行くルミネtheよしもとで見た漫才
1週間後にM-1を2連覇したあの芸人のネタは、
動画で見るより、「現場の音圧」込みで何倍も面白かった
いま、スマホ越しにぜんぶ見られるようになった
でも、「音圧」は、デジタル信号に変換できない
昔、バスケ部に入ったのは、演出のせい
全員が低く声を出しながら、淡々とタップする演出
ももクロにハマったのは、ライブ冒頭の爆発音
はじめてカナダで行ったクラブの「Lean On」は今でも聴く
皮膚で音を聴きたい
研ぎ澄まされた音圧を浴びに行きたい
東京にいる理由のひとつは「音圧」かもしれない
さあ、そこの君、一緒にクラブに行かないかい?
