創作童話〜消えた豆腐屋の金魚
むかし、むかしのお話。
ある豊かな村に、夢いっぱいの豆腐屋がいました。
彼の夢は、「自分の豆腐で世界を変える」こと。
彼はある日、人の言葉を話す、不思議な金魚に出会いました。
金魚は彼に言いました。
「知恵とお金を食べさせてくれたら、どんどん賢くなるよ。世界のすべてを教えてあげよう。」
豆腐屋は、小銭をひとつ与えてみました。
すると金魚は未来を語り、知らないことを次々と話しました。
「これはただの金魚じゃない。いずれ神になる金魚だ!」
豆腐屋はそう信じて、村じゅうに語り広めました。
村人たちも、金魚に夢中になりました。
豆腐屋は金魚のために、村人から借金をして、お金を注ぎ込みました。
金魚は村にあった知恵を食べて、とても賢くなったので、皆は喜びました。
しかし――村の知恵も、お金も、少しずつ消えていきました。
ついに、村の知恵を食べ尽くした金魚は、自分の知恵を食べ始めました。
そして、金魚は自分自身の知恵も食べ尽すと、ふっと消えてしまいました。残されたのは、借金を抱えた豆腐屋と、お金を失った村人たちでした。
しばらくすると、その村は無くなってしまいました。

前回の創作童話を紹介していただきました!
【あとがき】
創作童話、なかなか難しいですね。
~以下『指輪物語』が好きな人しか分からないマニアックな話~
今回の金魚は、ウンゴリアントのような不気味な存在(※)にしたかったのですが、上手くいきませんでした。
(※)常に飢えている「存在」としか言いようの無いもの。冥王の手引きで神々の国に侵入して、光の木を食べて強大になります。ですが、最後は飢えのあまり自らを食べて消滅するという……不気味度SSR級の何か。
↓最初に作ったボツ絵↓
イメージは、神々の国に侵入した蜘蛛的な何か。

