なぜ、入社後すぐにペダルを踏ませないのか。一生モノの技術を足元から掴む流儀【三河の町工場・未経験育成】
1200度の熱気、巨大なハンマーが落とす轟音。
豊和鍛工に見学に来られた方が、まず圧倒される光景です。
私たちの工場で主役となるのは「エアドロップハンマー」。足元のペダル操作一つで巨大な槌を落とし、真っ赤な鉄を成形するダイナミックな機械です。
見学された方の多くは、こう口にします。
「カッコいいけれど、自分にあのパワーを操れるだろうか」
その不安、正解です。だからこそ、豊和鍛工には「入社後すぐには、絶対にハンマーのペダルを踏ませない」という、あなたと品質を守るためのルールがあります。
ステップ1:入社1ヶ月、まずは「製品の形」を知ることから
入社して1ヶ月弱。あなたが最初に任されるマシンワークは「トリミング(バリ抜き)」です。
鍛造で叩き出されたばかりの製品には、まだ余分な肉(バリ)がついています。これをプレス機を使って、スパッと切り落とし、本来の形にする作業です。
「まずはここから?」と思うかもしれません。しかし、自分の手でバリを抜き、製品を検査し、付随する様々な手伝いを通していく中で、あなたは無意識のうちに「製品の正しい形」を体に染み込ませていくことになります。
ステップ2:およそ1年という時間をかけて「目」を養う
「トリミング」や「検査」を繰り返す日々。ここであなたが徹底的に向き合うのは、「測ること」と「見ること」です。
鍛造の仕事の本質は、ただ機械を動かすことではありません。
「打撃→検査→微調整」。このサイクルを回すことこそが職人の真髄です。
もし寸法が外れていたり、先輩が作った完璧な製品と少しでも異なっていたら、そこで手を止めて、先輩と一緒に考えます。「なぜ、こうなったのか?」を。
約1年という時間をかけて、あなたの「目」を養う。
「何が正解か」を骨の髄まで理解する。この助走期間があるからこそ、一生モノの技術を積み上げる土台ができるのです。
ステップ3:ドキドキしながら、初めての「一踏み」
入社から約1年。先輩からの「よし、やってみるか」の声で、ようやくあなたがハンマーの前に立ちます。
その時の新人の様子は、今でも印象に残っています。
誰もがドキドキしながら、そして「いい意味で怖がりながら」、一生懸命にペダルを踏み込みます。
その一踏みから伝わる衝撃。
その緊張感は、あなたがここまでの約1年間で、「鍛造」という仕事の難しさと責任の重さを、正しく理解した証です。私たちは、その「怖がる気持ち」を何よりも大切にしています。その慎重さこそが、安全で確実な仕事に繋がるからです。
「俺も昔はよくやったよ」――失敗は、感謝へ繋がるバトン
もちろん、1年準備をしても、最初から完璧にはいきません。時にはペダルの踏み込みが甘かったり、タイミングがズレて金型を傷めてしまうような、大きな失敗をすることもあるでしょう。
そんな時、私たちの現場で飛び交うのは、怒号ではありません。
「俺も昔はよくやったよ。その時に先輩に助けてもらったから、今の自分があるんだ。だから、今の感謝の気持ちを忘れちゃいけないよ」
先輩たちは、自分の失敗談を交えてそう語りかけます。
自分も助けられたから、次はあなたを助ける。
豊和鍛工の教育は、単なるスキルの伝承ではありません。「助け、助けられた」という感謝のバトンを繋ぐ時間なのです。
最後に
私たちが求めているのは、最初から機械を器用に操れる人ではありません。
まずはトリミングや検査から、じっくりと「見る」ことから始められる粘り強さ。
そして、先輩のアドバイスを大切にできる「素直さ」を持っている、あなたです。
豊和鍛工には、あなたの失敗を包み込み、成長をはじっと待つ準備ができています。
一生モノの技術を、この温かいチームで一緒に手に入れませんか?
あなたの応援がとても力になっています。
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