【書評】付加価値をつける方法 - 『調べる技術、書く技術』
佐藤優氏の『調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意』を読んだ。
著者は専業作家として、多くて毎月500冊の本を読む膨大なインプットと、毎日40枚、月2冊の本を書き、90本の連載をこなす驚異的なアウトプットを行っている。
著者の真似は難しいにしても、アイディアは役に立つと感じさせる本。
本書では「仕事を楽しみながら、かつ高い成果を上げられる」人材になるための手段として、付加価値をつけるインプット、アウトプット、コミュニケーションについて取り上げている。
付加価値をつける能力は、AIが得意とする「分析力」に勝つことができる「総合力」として、「人間固有の力」であり、AIの時代を生き抜くためのスキルとして、豊かに幸せに生きていくための鍵となる。
以下では、個人的に参考になった点を挙げていく。
付加価値をつけよう
普遍的で、より真理であるものは、「いかに付加価値をつけ、その濃度を高めること」にあり、付加価値というのは多かれ少なかれ、社会に受容されると著者はいう。
付加価値をつける能力が上がれば上げるほど、知的生産の能力は高まる。
知的生産の根幹をなすのは「アイディア」であり、それは世の中の流行を見抜く眼力、柔軟な発想力、あるいはもっと根源的な人間力があれば可能で、何もハイテクや特殊技能が必要というわけではない。
たとえばスマホケースというアイディアも付加価値の一つで、考えつくのに特殊技能は必要ない。
本書のなかで面白いと思った視点が、「45歳までは知的生産、45歳以降は知的再編」というもの。
年齢によって気力、集中力、体力も衰えてくるため、45歳までは自分の持ち札をひたすら増やす「知的生産の段階」で、45歳以降はその持ち札を並び替えたり、組み替えたりすることで価値を創出する「知的再編の時期」という考えだ。
45歳まではまだ時間はあるので、しっかりとカードを増やしていこうと思った。
インプット
著者が重視しているのは「読む」インプットで、「聞く」インプットよりも高い。
「聞く」インプットはは、バリエーションや、良質な情報元の数と言う点で、「読む」インプットに劣っているからだ。
ただ、通勤時間などの有効活用方法としては、オーディオブックやラジオはありだ。
インプットに関して大きくわけて2種類あり、1つは「理解力の土台を作るためのインプット」で、もう一つは「具体的なアウトプットのために行うインプット」だ。
中学から高校の教科書レベルの基礎学力
「理解力の土台を作るためのインプット」のためには中学から高校の教科書が有用だ。
これは、『読書の技法』でも紹介されているような、著者がオススメの教科書や参考書が挙げられている。
基本は高校の日本史A、世界史A、政治・経済、数字1Aの教科書となる。
欲を言えば、物理、化学、生物、地学の理科4科目も含まれる。
新聞
「理解力の土台を作るためのインプット」のためのもう一つの情報源が新聞だ。
日経新聞などの一般紙をさすが、新聞と同等とも言えるNHK NEWS WEBでも良いとしている。
ぼくも早速、Googleのトップページのショートカットにこのサイトを配置した。
また、各紙の取り上げ方を比較できる「新聞ダイジェスト」もオススメされている。
専門誌
例をあげると、マーケティングに従事しているなら人ならば「日経流通新聞」と、その分野の専門誌を読むことだ。
専門誌に書かれてあることが理解できるほどの知識を身に付けているかが大切で、これらを読んでスムーズに理解できれば合格だ。
ジャパンナレッジ
自分の専門分野以外の情報の整合性を確かめるのに有用なのは「ジャパンナレッジ」で、多数の辞書や辞典を検索することができる。
ジャパンナレッジの料金は、月払いだと毎月1,650円、年一括払いだと16,500円。
ジャパンナレッジで見ることができるラインナップは豊富で、眺めているだけでも楽しそうだ。
アウトプット
インプットとアウトプットの両輪が揃いことで、得た情報が自分の知識になり、教養になる。
情報のストックについては書くが基本であり、デジタルよりもアナログを推奨している。
デジタルは注意しないと情報のゴミ箱になるからだ。
著者は1冊のノートに読書ノートをまとめる手法を説いている。
読書の際に記すポイントは、「本の抜き書き」とそれに対する「自分のコメント」の二つだ。
ここでは、本の内容を自分の言葉に置き換えたりせず、そのまま抜き書きすことが大切で 基本的には自分が特に重要だと思った箇所と、これに加えて2カ所ほど「現時点で理解できないが、重要だと思うところ」を書いておく。
理解できないところ抜き書きするのは、将来的にもっと知識が身に付いた時に、理解できているかを確認するためだ。
「自分のコメント」は、賛成、反対、この点は違うと思うなど、自分の評価加える。
これを行うことで、批評的な視点を磨くことが可能だ。
コミュニケーション
面白いと思ったのは、健康を保つために自分を休ませる目的で「仮病」を使って会社を休んでもいいとしている点だ。
確かに、自分の体調を管理することは、トップビジネスマンにとって大事なことなので、そのために「仮病」という手段はアリに思える。
まとめ
ネットで誰もが手軽に情報収集できるようになった現代、集めた情報は本当に「自分のもの」になっているだろか?
自分の成長のために、学んだ知識を「本物の教養」に変えたいと考える人にとって本書は有用だ。
本書では大きくわけて、インプット、アウトプット、コミュニケーションの3つのスキルについて言及している。
中でも理解のための知識の土台を作るという考えは大切だと思ったので、本物の教養を身につけるために、早速、お勧めされている高校の教科書を読んでみたい。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!