Episode 103 答えがないのがツラいのです。
食品メーカーの外回り営業というのは、新規の顧客開拓というものがほとんど発生しません。
食料品を扱うのは殆ど小売店や飲食店で、その規模が大きければ直接の取引もありますが、小売店や飲食店に商品を卸すのは地域の食品問屋の仕事というのが基本です。
ですから、食品メーカーとしては問屋に商品を買ってもらうのが仕事…と言うことになります。
ドラマとかでよくある外回り営業の「飛び込み」って、滅多に発生しないのです。
問屋は星の数ほどある食品メーカーの、無数の商品の中から一定の商品をセレクトして小売店に紹介します。
この中には、いわゆる「定番」と呼ばれる商品が含まれていて、食品メーカーはこの「定番」が一定の売上を作るベースになってくるのです。
例えば…ポカリスウェットとかバーモントカレーとか、恐らくどこのスーパーに行っても置いてあるでしょう?
これが、同じ大塚製薬でもMatchという清涼飲料ならどうか?
同じハウス食品でも印度カレーだったらどうか?
多分、ポカリやバーモントカレーよりも置いてある店は減ってくると思います。
どこにでも置いてあるポカリやバーモントカレーは強力な定番商品で、これがあるから放っておいても一定の売上がキープできるわけです。
その上で印度カレーやMatchです。
如何にその上に売り上げを乗せていくのか…。
食品メーカーの営業とは、スーパーの売り場の棚の「陣取り合戦」なのです。
問屋を通じてスーパーのバイヤーさんに商品を売り込んで、自社商品で棚を埋めるのが仕事…一言で言えば、リアルな「スプラトゥーン」なのです。
ただ「定番」という一定の売上を叩き出す商品があれば、攻撃しなくても直ぐに全てを塗りつぶされる心配はありません。
定番さえあれば、何もしなくても売り上げが「0」になるってことはあまりない…。
これ、裏を返せば自分の成果がわかり難いってことです。
どこまでが定番による一定の売上で、どこからが自分の成果なのかわからない…。
ASDの私は、結果や答えが目に見える形になっていないことに不安を感じます。
ただでさえ、一定のやり方が通用しない外回り営業で、自分の成果もわかり難い…。
何をどうして良いか全くわからない。
その一方で、空回りしても定番商品のおかげで売り上げがガタ落ちになる心配もない。
飛び抜けた営業成績は出るわけもない中で、極端な売り上げ減にもならない、冴えない営業マンの正体は、どこにも足が着かない宙吊りの不安感を抱くASDの私でした。
ズバッと売り上げ減にならない生殺し感は吐き気がするほどニガイものでした。
苦しい営業マン生活で、やがて私は気力を失っていきます。
旧ブログ アーカイブ 2018/12/26
