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Episode 98 出口を塞いでしまうのです。

「どんぶり勘定」なんて言葉があります。
細かいことは気にしない、大雑把なお金の出し入れを指して言う言葉です。

私はプライベートでも、この感覚がありません。
いや、決してお金の出し入れに厳しくて倹約家と言うワケではありませんよ。
ただ、出ていくお金と入ってくるお金はキチンと管理する…という話です。
借金してでも買うと決めたものなら、ローンを組んでの買い物もします。

どんぶり勘定の前提は、ふんだんにお金がある…ということです。
裏を返せば「ない袖は振れぬ」ってこと、手元のお金の残金を気にしないで使えるのは、お金に余裕があるって話でして、私みたいな一般庶民の給料でこんなことは出来ないのです。

昔々、私の親父がまだ現役で仕事をしていたころ、外で飲んでいい気分で帰ってくるのがちょこちょことありました。
マスオさんがノリスケさんと駅前で出会って「どうだい、一杯」って、赤ちょうちんに入っていくサザエさんでの一幕みたいなことが多かったのだと思います。
あのお金はいったいどこから出ていたのか…。
なんか、昔は領収書を書いてもらったら接待交際費で落ちたとか…経済が順調な頃って、会社もこんな風にどんぶり勘定だったんでしょうかね…知らんけど。
私の小遣いでは月に1回呑みに行くのも躊躇うくらいですが…。

私の就職した1993年ころから日本の景気は急速に悪化していきます。
既にバブル経済は崩壊し、就職氷河期が到来し、非正規雇用が増加するって時代です。
消費が冷え込んでいく中で企業の売り上げも伸び悩むワケで、それでも営利企業として存続するために会社は経費削減に取り掛かるのです。
当然、意味不明の接待交際費なんて、真っ先に目をつけられるワケですよ。

私はマネジャー職で部署の利益の確保を請け負う立場にありました。
当然売上アップを目指すわけですが、無駄の削減にも力を入れなければなりませんでした。
私がその仕事をしていたころというのは、会社がどんぶり勘定を改めて必死に経費削減に取り組んでいた時代でもあったのです。

私はこの経費削減が得意中の得意でした。
何しろ、モノに対する管理法をダイレクトに繰り出せば良いのですから。
細かな時間別の売上や必要な準備作業を考え、人員を計算し不要な労働時間を削減する…とか、搾り取ろうと思えばあちらこちらにその要素は見つかるのです。

実を言うと、得意としていた経費削減が、最終的に私の致命傷になってしまうのです。
人はモノではないという当たり前の事実が、私の心を貫く瞬間となって目の前に迫っていました。

旧ブログ アーカイブ 2018/12/21

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