平成一桁ガチババアとナルミヤの話
私は、平成一桁ガチババアというやつだ。
小学5~6年生の頃に、ナルミヤ・インターナショナルという小学生御用達ブランド戦略にはまったひとりである。
周りのちょっと大人びている子が、今までイトーヨーカドーやしまむら、姉妹がいる子はおさがりの服から、突然エンジェルブルーやメゾピアノ、デイジーラヴァーズやポンポネットなど着始めたのだ。(ちなみにその後はHoneysに変わっていく)
小学生と中学生のはざまにいた私(というか世代)は、ナルミヤインターナショナルを知らない女子はいないだろう。
たまに「わたしはこういうの興味ないから」と、ラヴァーズハウスやベティーズブルーに手を出していた子たちもいたのを覚えている。
「(ナルミヤには染まってない、周りと差別化したいんだろうな)」と当時は思っていたが、結果としてキャラクターブランドの罠にみんなハマっていたのは間違いない。
ここで避けて通れないのが、家庭の経済事情だ。
どの服を着ているかで大概の家庭の経済事情が透けてみえてしまうようになった。
"持っていない"="お金がない"では決してないのだけれど、子供社会は学校がすべてなため、"着てるか、着てないか"が女子の話題になることもあった。
いじめには発展しないものの、「ナルミヤ着てる」=「キラキラしてみえる(家も金持ち)」という思想がうっすら蔓延していた。
わたしとナルミヤの出会いはエンジェルブルーが最初ではない。
初めてメゾピアノの服を着てきた子が、やたら自慢げに「ママに買ってもらったの~」と休み時間にはしゃいでいたのがはじまりだった。
メゾピアノはわたしの好みではなかったため「ほ~ん、かわいいね」と流していたが、エンジェルブルーを着た子が現れたときのナカムラくんのキャラデザに衝撃が走った。
クマなの?着ぐるみなの?というかなんで、ナカムラくんなの????と一気にシナプスの信号が脳内を駆け巡った。
きっと今の言葉でいう"推し"というものだったのだと、今なら思える。
エンジェルブルーの服を手に入れるには、購入問題のおねだりだけでは済まないことがある。同じクラスの子と服が被らないかの調査だ。
女子社会はとても狭い、小学生ならなおさら。
「あ、それ○○ちゃんも同じのもってたよ」と言われてしまった暁には、最初に着ていた方が正義で、突然指名手配されたような気分になる。
今なら「同じ服でもいいだろ!こんなせまい田舎だし!」といえるが、当時はそうもいかないのだ。同じクラスはもちろん、ほかのクラスまでリサーチしたうえでおねだり作戦に挑むのだった。
うちの家庭は経済環境は中流だと思う。
まずは普通に「ほしい服があるんだ~」と母親の様子を見るも、「いくらなの?」とド直球で返ってくる。そういう母だ。「5,000円です…」というと「いつ汚すかもわからないのに5,000円ってw」と一蹴KOだった。
まあわかっていた結果だったので、特段落ち込みはせず。
そこからは誕生日へ向けて貢献活動の日々が始まった。
積極的なお手伝い、いい点数のテストだけを見せ、「誕生日にはエンジェルブルーね!」と刷り込んでいった。最終的には私が言う前に「はいはい、エンジェルブルーね」と呆れられるまでになっていた。(計画通り)
そして誕生日当日。
友達に聞いた某百貨店のスペースへ向かうと、たくさんのエンジェルブルーの洋服があった。ほかのナルミヤのブランドも密集しており、同じく憧れて服を見にきたであろうほんのり、おめかしをした女の子がたくさんいた。
結果として、2着買ってもらえることになり、大興奮で家に帰った。
母親は「このピンクのウサギのがいいんじゃないの?」とメゾピアノを指していたが、私はすでにエンジェルブルーに魂を売っていたので揺るがなかった。
翌日、さっそく学校へ着ていくと「かわいいね」「似合うね」と友達にちやほやされ、卒アルの写真にも一張羅かのごとくエンジェルブルーを着た写真が今でも載っている。
結局この2着だけで、エンジェルブルーとはもう縁がなくなってしまった。
理由は女の子の流行の転換が早いからだ。
小学生と中学生のはざまの私たちには、次には少し大人っぽいけど手ごろなHoneysやBLUE MOONがすでに侵食してきていた。
あんなにみんなハマっていたのに、「ああ小学生のブランドだよねw」とイキるようになっていた。ピチレモンから卒業し、まだ中学生でもないのにセブンティーンを読むようになり、森ガールやギャル系が流行っていった。
ブームのあっけなさを感じ、気づけば私はKERAっ子になっていた。
そんなエンジェルブルーも、最近はリバイバルとして100均やコラボなどで当時では手が出せなかったものも手軽に買えるようになり、毎週セリアに通い詰めては新商品をチェックしている。
ただ、ナルミヤのマスコットたちがしまじろうのUFOキャッチャーに一緒にまとめられているのは、なんだかむなしくなってしまった。
救出しようと試みたが、3,000円をただゲーセンに課金してしまった。
無念すぎる。ごめんナカムラくん・・・。
そんなこんなで、今はすっかりエンジェルブルーのグッズ(ポーチや文房具など)に囲まれて、青春時代を手元で感じつつある。
エンジェルブルー、これからも好きです。
平成一桁ガチババアは偶には女児にもどって心を癒して、日々乗り越えていこうね。懐かしさと共感の方はスキしてくれたらうれしいです。
