【保育実習で失敗して落ち込んでいる人へ】失敗しない保育士より、振り返れる保育士になってほしい
実習で、うまくできなかった。
子どもへの声かけを間違えてしまった。
先生に注意されて、「自分は保育士に向いていないのかもしれない」と落ち込んだ。
保育士を目指していると、そんな経験をすることがあるかもしれません。
「もっとちゃんとしなければ」
「次は失敗してはいけない」
そう思う人もいるでしょう。
でも、現役園長として、これから保育士になる皆さんに伝えたいことがあります。
私は、「失敗しない保育士」になってほしいとは思っていません。
保育の仕事は、子どもと一緒に遊ぶだけの仕事ではありません。
子どもの命を守り、心の育ちに寄り添い、一人ひとりの人生の土台に関わる仕事です。
だからこそ、知識や技術だけでなく、どんな大人でありたいかを考え続けることが大切だと思っています。
そして、そのために必要なのが、
「振り返る力」です。
今回は、「失敗しないこと」を目指すのではなく、失敗や迷いを次の保育につなげていくための「振り返り」について、一緒に考えてみたいと思います。
失敗してはいけない、と思ってしまうあなたへ
保育士を目指していると、「失敗してはいけない」と思うことがあるかもしれません。
子どもの前に立つ仕事だから。
保護者から大切なお子さんを預かる仕事だから。
命を守る責任がある仕事だから。
その緊張感は、とても大切です。
むしろ、その緊張感を持てること自体が、保育士を目指すうえで大切な感覚だと思います。
けれど、私は「失敗しない保育士になってほしい」とは思っていません。
なぜなら、失敗は誰にでもあるからです。
経験の浅い人だけが失敗するわけではありません。
ベテランでも、園長でも、判断に迷うことはあります。
「もっとこうすればよかった」と思う場面は、きっと誰にでもあります。
それでも、命と安全は最優先にする
ただし、絶対に忘れてはいけないことがあります。
それは、子どもの命と安全を最優先にすることです。
「失敗してもいい」という言葉は、命に関わることを軽く考えてよい、という意味ではありません。
危険に気づくこと。
確認を怠らないこと。
一人で抱え込まず、すぐに報告・相談すること。
これは保育の土台です。
特に、命や安全に関わる場面では、「たぶん大丈夫」で済ませてはいけません。
少しでも不安があれば確認する。
迷ったら相談する。
小さな違和感をそのままにしない。
その姿勢は、子どもを守るために欠かせないものです。
振り返るとは、自分を責めることではない
私は、「反省」と「振り返り」は、少し違うものだと考えています。
「できなかった」
「自分が悪かった」
「もっと頑張らなければ」
そこで終わってしまえば、自分を責めるだけになってしまうことがあります。
一方、振り返りは、
「では、次はどうする?」
まで考えることです。
何が起きたのか。
そのとき自分は何を考えていたのか。
子どもはどう感じていたのか。
ほかの関わり方はなかったのか。
次に同じ場面があったら、何を試してみるのか。
失敗を評価して終わるのではなく、次の保育につなげていく。
それが、私の考える「振り返り」です。
今からできる、振り返る習慣づくり
では、保育士になる前の今から、何ができるでしょうか。
まずは、日々の中で「なぜ?」を持つことです。
子どもが泣いている場面を見たら、「わがまま」ではなく、
「何を伝えたかったのかな」と考えてみる。
実習でうまくいかなかった場面があれば、
「自分は何に困ったのか」
「子どもは何に困っていたのか」
「次は何を試せるか」
を短くメモしてみる。
完璧な反省文を書く必要はありません。
一日一つでいいのです。
「今日、気づいたこと」
「今日、少し迷ったこと」
「次にやってみたいこと」
それを言葉にする習慣をつけてください。
言葉にすることで、自分の考えが整理されます。
整理されることで、次の行動が少し見えてきます。
失敗をごまかさず、次につなげる人へ
失敗しない人を目指さなくていい。
失敗をごまかさず、誰かのせいにせず、次につなげられる人になってください。
保育士になる前から、完璧である必要はありません。
迷っても、悩んでも、うまくいかない日があっても大丈夫です。
大切なのは、子どもを一人の人として見ようとすること。
自分自身も学び続けようとすること。
そして、目の前の子どもにとって、よりよい関わりを考え続けることです。
失敗をしない保育士ではなく、
失敗から学べる保育士へ。
その積み重ねが、きっとあなたらしい保育につながっていきます。
