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【音楽】奇跡の共演 大西順子×小澤征爾×サイトウキネン ラプソディーインブルー 視聴を終えて

この三者の名前が並ぶだけで、ただ事ではない共演であることが分かります。世界屈指のジャズピアニストと指揮者、そしてオーケストラによる「ラプソディー・イン・ブルー」…。ジャズ×クラシック、ジャンルの壁を越えた奇跡の共演が2013年にありました。
今日はこの伝説の一夜を収めた動画を、Youtube上で見つけて驚いたので、今更ですが、みなさんに紹介させてください。

大西順子は、1990年代から国際的な活動も行っていましたが、2000年代に入ってから突如として長期の休養・引退状態に入りました。彼女は2012年に正式に「引退宣言」を出しており、音楽活動を止めていた時期がありました。

小澤征爾はサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現在はセイジ・オザワ松本フェスティバル)を主宰し、音楽祭を通じてさまざまなジャンルや演奏者とのコラボレーションを模索してきました。

サイトウ・キネン・オーケストラは小澤の師・斎藤秀雄を記念して設立されたオーケストラであり、伝統的なクラシック・レパートリーに加えて新しい試みに対しても柔軟な姿勢を持つ音楽祭として知られています。

2013年、フェスティバルのフィナーレとして、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を演奏する企画が立ち上がりました。
ソリストには、かつて引退した大西順子が白羽の矢を立てられたのですが、彼女をステージに迎えるため、小澤と、また村上春樹もこの働きかけに関与しました。
このような経緯で、「ラプソディー・イン・ブルー」の演奏のために、引退していた大西順子が一夜限りで復活し、小澤征爾の指揮するサイトウ・キネン・オーケストラと共演するという、稀有な機会が実現しました。

何故選ばれた楽曲が「ラプソディー・イン・ブルー」だったのでしょうか?これはクラシックとジャズの境界を越える象徴的な作品であり、フェスティバル側はこの作品を通じてジャンル横断的な共演を実現したいと考えたためです。

「ラプソディー・イン・ブルー」は、1924年に初演された作品で、クラシックとジャズの要素を大胆に融合させた、アメリカ音楽史における金字塔です。冒頭のクラリネットのグリッサンドに象徴されるように、自由闊達でありながら、構造は極めて精緻です。即興性と楽譜に書かれた音楽、その境界線を常に行き来するこの曲は、ジャンルを越えた対話を成立させるための、理想的な器だったと言えるでしょう。

実際に視聴してみると、その演奏は想像をはるかに超えるものでした。大西順子のピアノは、ジャズの語法を保ったまま、オーケストラと真正面から渡り合い、小澤征爾とサイトウ・キネンは、決してジャズを「異物」として扱わず、音楽全体を大きな呼吸で包み込んでいます…。
聴き終えたあとに残ったのは、ジャンルを超えた感動というよりも、音楽そのものの強度への深い満足感でした。
奇跡の共演とは、偶然ではなく、必然が積み重なった結果なのだと、改めて感じさせられました。
音源化はされていないので、よろしければ、視聴出来るうちに一度Youtube上でご覧ください。


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