北極星と歳差運動/モンゴル神話:天の杭 4/2

🌟 北極星と歳差運動 ― 星の位置が変わる理由

私たちが「北の空」と聞いて思い浮かべる星。それが「北極星」です。
北の方角を教えてくれる星として、古代から多くの人々がこの星を頼りに旅をしてきました。けれど実は、この北極星の位置、永遠に変わらないわけではありません。

その理由は「歳差運動(さいさうんどう)」という、地球のゆっくりとした首振り運動にあります。

地球はコマのように回転(自転)していますが、その軸がまっすぐ固定されているわけではなく、まるでコマがふらつくように、約2万6千年をかけて円を描きながら少しずつ向きを変えているのです。
この動きが「歳差運動」です。

このため、地球の北の軸が指す先も、ゆっくりと変わっていきます。
今はたまたま、その延長線上にある「こぐま座」のα星、ポラリス(北極星)が北の空に位置しているのです。

しかし約12,000年後には、こと座のベガが北極星になるとも言われています。
つまり、北極星は「永遠の道しるべ」ではなく、地球の動きに合わせて変化していくものなのです。

そんな宇宙の大きなリズムの中に、私たちは生きています。
夜空を見上げるとき、「今、ポラリスが北極星である奇跡」を少し感じてみてください。
それは、何千年という時の流れの中で、ほんの一瞬だけ訪れる美しい偶然なのかもしれません。

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