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【UE5】良いストーリーってなんだろう?(20日目)

こんにちは。「まる。」です。

今回は、技術的な話からいったん離れRPGを作る上では欠かせない”ストーリー”の構成について考えを深めたいと思います。
(決して、EUWの制作から逃げてるわけではないですよ…?)

私が作ろうとしているゲームは「こういう雰囲気ですよ~」と、
皆様にその魅力をお伝えすると同時に、
私自身がストーリーを作る中での「戒め」として、ここに書き留めておくつもりです。

小難しい技術的な話は抜きにするので、お茶でも飲みながらゆっくりと眺めていってください。



1.あらすじの紹介

さて、私が作ろうとしている『HorizonNotes』のあらすじについて改めてご紹介します。

▼公式サイト


あらすじ:
あなたが目覚めたのは、宇宙の果てを漂う巨大な箱舟
──学園都市「ウルティマ・トゥーレ」。

そこは本来、100名の生徒と10名の教師しか存在しないはずの場所。
しかし、あなたは想定外の“101人目の生徒”として、曖昧な記憶のままこの地を踏みます。
この閉ざされた学園都市を覆うのは、回避不能な未来。
一定時間の経過とともに訪れる絶対的な終焉、「アンゴルモア」の脅威です。
なぜ終焉は訪れるのか? その鍵は、かつて人類が下した“7つの究極の選択”と、
そこから分岐した7つの並行世界に隠されていました。
あなたを導くのは、相棒となる星の精霊「アルカステラ」のポラリス
あなたはポラリスの力と共に、7つの異なる世界線(歴史)へと旅立ちます。
そこで待つのは、異なる結末、そして真実を巡るカードバトル「ステラバトル」
7つの世界の果てで、あなたとポラリスが目撃する「アンゴルモア」の真実とは。
そして、人類が下した選択の重みとは──。


こうして改めて紹介すると、なんだか少しこそばゆいですね。

本作のメインテーマは、大きく分けて二つあります。

  • 回避不可能な絶望に対して、人は何を考えどう乗り越えるのか?

  • 相棒とプレイヤーとの「絆」の物語

……ちょっと、言葉だけだとイメージしづらいでしょうか?

既存の作品で例えるなら、『魔法少女まどかマギカ』や『マブラヴ オルタネイティヴ』『金色のガッシュベル!!』を足して2で割ったようなコンセプト
と言えば伝わるかもしれません。 (絶望的な運命に、熱いパートナーシップで立ち向かうイメージです!)

では、一つずつ詳しく掘り下げていきましょう。


回避不可能な絶望に対して、人は何を考えどう乗り越えるのか?

いきなり、ズシリと重いテーマがやってきました。

本作のラスボスは、特定のモンスターではなく「アンゴルモア」という抽象的な概念のような存在にしています。

「アンゴルモア」と聞いて、ピンと来られた方もいらっしゃるかもしれません。
そう、私がまだ幼かった頃に世間を騒がせた「ノストラダムスの大予言」です。

▼Wiki

1999年7か月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモアの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために。

Wiki引用

今にして思えば、オカルトめいた話ではあります。
しかし当時の大人たちの中には、これを本当のことだと信じ恐怖のあまり私財を投げ打ってしまう人さえいたのだとか。

当時、物心ついたばかりの私も例外ではありません。
テレビの特番でこの話題が取り上げられるたびに、怖くて夜も眠れなかった記憶があります。

何がそんなに怖かったのか。
それは、「アンゴルモアとかいうよく分からない存在が、訳も分からないまま、私たちの世界を強制的に終わらせてしまう」という理不尽さでした。

これをもう少し身近な、現実的な話に置き換えてみましょう。
例えば、「死」について。

これを読んでいるあなたにも、そして私にも、例外なくいつかその時は訪れます。
そう考えると、なんだか怖くなってきませんか?
一度死んでしまえば、もう二度と生き返ることはできないのですから。

私たちは皆、いずれ必ず訪れる「死」というラスボスの襲来に備えて生きています。
そして、この物語のキャラクターたちも同じです。

いずれ訪れる「アンゴルモア(終焉)」の襲来に対して、
大人や子供たちは何を考え、どう動くのか?
そこには彼らなりの「選択」があり、その先に「結果」が残ります。

その葛藤と選択を、ゲームという一つの空間を通して再現してみたいと考えています。


相棒とプレイヤーとの「絆」の物語

こちらについては以前の記事でも触れましたが、改めてこの場でも振り返っておきたいと思います。


▼以前の記事

私は長い間、カードゲームにおける「ひとつの矛盾」に疑問を感じていました。

多くのカードゲーム作品(特にアニメや漫画)では、カードを「相棒」と呼び、大切に扱います。
しかし、現実のゲームプレイにおいて、その「相棒」は本当に最後まで相棒でいられるでしょうか?

カードは基本的に、印刷された時点で数値の変わらない「不変の情報」です。
新しい強力なカードが登場し、環境が変化すればどれだけ愛着のあるカードであっても、勝利のためにはデッキから外さざるを得ません。

コレクションとしての価値は残るかもしれませんが、戦いの場からは去ることになります。

けれど私は、武藤遊戯や切札勝舞のように「最高の相棒」と共に最後まで戦い抜きたいのです。

それを叶えてくれるのが、RPG(ロールプレイングゲーム)というシステムです。

RPGには「成長」という要素があります。
レベルを上げ、スキルを覚えさせることで、初期のキャラクターでも最強の敵と渡り合えるようになる。
つまり、「プレイヤーの愛着が、そのままキャラクターの力になる」のです。

もちろん、ランダム性のある「カードゲーム」と
積み重ねの「RPG」を融合させるのは、本来「水と油」のような関係であり、簡単なことではありません。
だからこそ、そこには工夫が必要です。

「自分だけの相棒と一緒に、困難に立ち向かいたい」

そんな、誰もがかつて夢見た体験を実現するゲームを作ること。
それが、私の揺るがない目標です。


2.良いストーリーを作るにはどうすればいいか?

実は、ストーリーの大筋自体はすでに完成しています。 全7章にわたる構成で、ラストまでの構想は固まっています。 (もっとも、開発が進むにつれて形が多少変わることはあるでしょうが……笑)

ですが、ここで重要なことに気づきます。
どれだけ作り手が「これは良いストーリーだ!」と思っていても、それがプレイヤーに伝わらなければ、面白がってもらえなければ、それはただの「日記」と変わりません。

ゲームは、プレイヤーが体験して初めて完成するもの。
そこで私は、プレイヤーの皆さんにゲームの世界へ深く没入してもらうために、いくつかの「工夫」を凝らすことにしました。


① 「説明セリフ」は、いらない

あなたが町を歩いている時、すれ違う人々は皆、文脈の整った「意味のある会話」をしているでしょうか?

例えば、マクドナルドで談笑する女子高生(JK)たちが、こんな会話をしているのを想像できますか?

「ねえ知ってる? 日本はアニメ文化が盛んだよね。それに島国で、お米を主食としているんだ!」

……絶対に言わないですよね。
彼女たちが話しているのは、もっと「今、自分たちが興味のあること」についてのはずです。

それに、町を歩いていて気付くのは
そもそも「会話しながら歩いている人の方が少ない」という事実です。
誰もが頭の中にそれぞれの考えを持っていますが、それをわざわざ言葉にして丁寧に誰かに説明したりはしません。

だから、「世界観の説明」などを、キャラクターにわざわざ喋らせる必要はないと考えます。

正直に言えば私自身、考え抜いた世界観のこだわりを一つ一つ説明したくて仕方ありません。
ですが、それをキャラクターに言わせてしまった瞬間、それはキャラクターの言葉ではなく、開発者である「私」の言葉になってしまいます。
そして何より、「世界を説明しきった時点で、世界そのものが小さくなってしまう」と思うのです。

世の中が「あなたの感じたもの」で構成されているように、
ゲームの世界もまた「プレイヤーが感じたもの」が全てであってほしい。

だから私は、世界の構造についてはゲーム中でもあえて沈黙を貫き、
情報を必要最低限に留めることで、皆様の想像のための「余白」を残そうと思います。

(本当は、喉まで出かかるくらいベラベラ喋りたいんですけどね!笑)


②大事なことは説明する

……さて、さっそく矛盾したことを言い始めましたね。(笑)

「説明はいらない」と言った舌の根も乾かぬうちに何ですが、
現実の会話の中にも「丁寧に説明しなければならない場面」というのは確実に存在します。

それは、「相手に理解してほしい、覚えてほしい」と強く願う時です。

例えば、学校の授業。
先生がただ「教科書のここを読んでおけ」と言うだけでは、授業になりませんよね?
あるいは、カードゲームの初心者。
ルールも分からない相手に、「とりあえずやれば分かる」なんて言ってもゲームは成立しません。

そういう時、人は相手に伝わるように、言葉を選んで丁寧に説明するはずです。

ゲーム内のストーリーも同じです。
プレイヤーにどうしても気づいてほしい「違和感」や「事件の種」については、あえて言葉にする必要があります。

「そういえば、知ってる? 夜中になると、先生たちがみんな『職員室』に消えていくんだって……。 なんか、怪しくない?」

こんなことを友達からサラッと言われたら、絶対に気になりますよね?
「職員室」に行ってみたくなりますよね?

どうでもいい設定は「空気」で語り、 本当に伝えたい重要なことや
物語の核心に触れる部分だけは、「意図」を持ってセリフに乗せる。

この「沈黙」と「説明」のメリハリこそが、プレイヤーを飽きさせないための重要な工夫だと考えています。


③ 「ゲームオーバー」という概念を捨てる

これは一般論ではなく、あくまで私のゲーム『HorizonNotes』における施策の一つです。
本作には、いわゆる「ゲームオーバー」が存在しません。

これには、大きく3つの理由があります。

1. ゲームのテンポを損なわないため
最近のゲームを遊んでいて正直に思うのですが……
ゲームオーバーになってからの再戦って、ぶっちゃけ面倒くさくないですか? (もちろん、『Undertale』のサンズ戦のように、その試行錯誤自体が楽しさに繋がる場合は別ですが!)

特にカードゲームは、1戦あたりにそれなりの時間がかかります。
接戦の末に負けて、また最初からやり直し……となると、そこで心が折れてしまうプレイヤーも多いはずです。

2. カードゲームが苦手な人にも、物語を届けるため
私自身、リアルでのカードゲームの実力はからっきしなので痛いほど分かるのですが
世の中には「世界観は好きだけど、カードバトルは苦手」という方も確かに存在します。
そんな方が、バトルに勝てないという理由だけでストーリーを読めなくなってしまうのは、作者としてあまりに悲しいことです。

3. そもそも、現実にゲームオーバーはないから
そして、これが最大の理由です。
現実世界において、何かに負けたからといって
そこで世界が終わるわけではありません。
戦いに敗れたとしても、あなたの人生はまだ続きます。

それに、カードゲームというのは構造上「負けて当然」の世界です。
勝率100%のデッキなんてあり得ませんし、勝率6割でも異常と言われる世界です。

「敗北」もまた、あなたの大事なストーリーの一部です。
勝利の輝かしい記録だけが、あなたの物語の全てではないはずだと、私は考えます。

だからこそ、本作では「負けてもストーリーが進行する」ように開発を進めていきます。
その分、私が書くべきテキスト量や分岐は膨大になりますが……(笑)
それだけの価値はあると信じています。

(あ、もちろん「悔しいから勝ちたい!」という方のために、任意での再戦機能は用意しますのでご安心を!)


④ 難しい概念は使わない

量子力学、波動関数、エントロピー増大の法則……。
物語を書く人間なら誰しも、こうした知的な響きを持つ「難しい概念」に憧れ作品に投影したくなるものです。

ですが、こうした難解な理論を常に考えながら生きているのは、
ほんの一部の専門家だけです。
私たち普通の人間は、「明日の晩ご飯、何食べようか」とか「今度の休みはどこに行こうか」といった、身の回りのささやかなことについて考えて生きています。

もちろん、私のゲームもSF的な世界観ですので
作中にはそういった難しい概念を扱う賢い大人たち(NASAの科学者のような人々)が登場するでしょう。
彼らは、我々の想像もつかないような超技術を使っているかもしれません。

しかし、それら難解な設定を物語の根幹(テーマ)に据えるのは間違っている、と私は感じています。

冒頭でお話しした通り、本作は「世界の終末(アンゴルモア)」にどう立ち向かうかを考える作品です。
そこで描きたいのは、技術的な解決策ではなく、「もしそうなったら、人はどうするのか?」という人間ドラマです。

もし明日、世界が滅びることが分かっているなら。
「どうせなら最後の一日を全力で楽しむ」 「現実から目を逸らして逃避する」 「大切な人と、たくさんお喋りをする」 「家族にありがとうとさよならを告げる」

このあたりの感情や行動は、難しい理屈抜きに、みんな共通していると思うのです。

だから私は、難しい設定話はストーリーの裏側にそっと潜ませておくにとどめ、「身近な葛藤」こそを丁寧に描いていきたいと考えています。


3.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はテーマがテーマだけに、いつになく熱く語ってしまいました……(笑)。

正直に告白すると、私はゲーム制作のあらゆる要素の中で
実はこの「ストーリー」に対して、一番の自信とこだわりを持っています。
だからこそ、ここだけは絶対に妥協せず、最高のものに仕上げたいのです。
(もちろん、UIやシステムも同じくらいめっちゃ大事ですけどね!)

最近は技術的な記事が続いていたので、たまには私の「想い」や「考え」をお話しすることで
読者の皆様ともっと距離を縮められたら……と思い、今回は趣向を変えてみました。

※もちろん、物語には無限の形があります。
今回のお話はあくまで私自身の「心構え」であり、
他の素晴らしい作品たちを否定する意図は一切ありませんので、そこはご安心ください。

もしこの記事を読んで、 「参考になった!」 「開発のこだわり、伝わったよ!」 「ストーリーの続きが気になる!」 と思っていただけたら、ぜひ記事の下にある「スキ(ハートマーク)」を押していただけると嬉しいです!

皆様からの応援こそが、毎日の地道な開発とブログ更新の何よりのエネルギーになります。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました! また次回の記事でお会いしましょう!



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