【採用・定着】介護現場の人材確保に向けて、今私たちが取り組むべきこと
現役ケアマネが考える|信頼関係が人を支え、職場を育てる
こんにちは。私は介護老人保健施設でケアマネジャーとして働いています。
介護現場における人材確保は、今や多くの施設が抱える共通の課題です。
求人を出しても応募が来ない、ようやく採用できても定着しない。
そうした悩みを、私自身も日々感じながら業務に向き合っています。
ただ、現場にいるからこそ見えてくることもあります。
今回は「人が集まらない」状況の中で私たちがどのように向き合い、何を整え、どんな小さなことから始めていけるのかを、現場の目線で整理してみました。
同じように悩んでいる施設・事業所のヒントになればうれしいです。
1.「よく見せる」より、「きちんと伝える」姿勢が信頼につながる
求人票によくある「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」――
こうした言葉は、もはや求職者の心には届きにくくなってきています。
今、求められているのは「この職場で働く自分をイメージできる情報」です。
たとえば、1日の業務の流れ、職場の空気感、休みの取りやすさ。
誇張することなく、ありのままを伝える姿勢こそが、信頼を得る第一歩になります。
「うまく見せる」ことではなく「見えるようにする」こと。
その積み重ねが「ここなら働いてみたい」と思えるきっかけにつながります。

2.経験や資格より「一緒に働きたい」と思える人を迎える
人手が足りないときほど「即戦力がほしい」という考えに傾きがちです。
しかし、条件だけにこだわると、大切な人材を見逃してしまうこともあります。
「家族の介護をきっかけに関心を持った」
「人と関わる仕事がしたい」
そんな想いをもって介護の仕事に関心を寄せてくれる未経験者の中には、誠実で、長く働いてくれる可能性のある方が少なくありません。
人柄に目を向け、育てる体制を整えていくことが、結果的に「辞めにくい職場づくり」へとつながっていくと感じています。
3.採用は「内定」で終わらない。定着への準備が始まりです
採用が決まると、どうしても「ひとまず安心」と思ってしまいがちです。
ですが、本当に重要なのはそのあとです。
初出勤までの期間は、誰もが不安を感じているものです。
LINEでの一言、現場スタッフからのあたたかいメッセージ、持ち物や勤務初日の流れをまとめた簡単な案内資料――
そうしたちょっとした配慮が「見守ってくれている」という安心感につながります。
この安心が、職場に根づいていくかどうかの第一歩になると感じています。
4.つながりを活かした採用と情報の届け方
求人媒体やハローワークだけに頼らず「つながり」の中で生まれる採用の可能性にも、私たちは目を向ける必要があります。
たとえば、スタッフの紹介、利用者のご家族からの声かけ、地域の他事業所との連携など、日頃から築いている信頼関係の中に、思いがけない採用のきっかけが生まれることがあります。
「知り合いがそちらに興味を持っているみたいです」
「うちの娘が、介護の仕事を探していて…」
そんな言葉をいただけるのは、日常のふれあいがあってこそです。
こうしたご縁を採用につなげるために、採用ページへのQRコードをパンフレットや名刺、施設内の掲示物として掲載し、いつでもアクセスできる仕組みを整えておくことも効果的です。
必要な情報が手元に届きやすくなることで、関心を持ったタイミングを逃さずつなげていくことができます。
採用は、仕組みだけで成り立つものではありません。
「ここなら安心して働けそう」と思ってもらえる関係性こそが、何よりの採用力になるのだと感じています。
5.「ここは話せる職場だ」と思える空気を育てる
辞めたくなる理由は、必ずしも業務の大変さだけではありません。
「話しかけづらい」「聞いてもらえない」と感じたとき、人は少しずつ職場から心が離れていきます。
だからこそ「おつかれさま」「ありがとう」「助かったよ」――
そんな日々の言葉のやり取りが、とても大切だと思います。
話しかけやすい、相談しやすい。
そんな空気のある職場は、それだけで安心できる場所になります。
そして、その安心感が定着の土台を支えていくのだと感じています。
6.「なぜ必要か」を伝えることが、納得と信頼を生む
業務の中で「これ、なんのためにやるんですか?」という問いが出ることがあります。
こうした疑問に対して「決まりだから」「昔からそうしているから」ではなく、背景をきちんと説明することが、職員の納得感を育てる第一歩になります。
たとえば「記録を変更したのは、次の人が困らないようにするため」
「感染対策を強化したのは、利用者の安心を守るため」
その理由が共有されていれば、業務に対する理解と協力が自然と生まれていきます。
指示ではなく「一緒に考える」という姿勢が、組織への信頼をつくるのだと思います。

おわりに|関係が人を支える
採用や定着の課題は、すぐに解決できるものではありません。
しかし、小さな工夫や姿勢の積み重ねが、確実に職場の空気を育てていきます。
求人の出し方、迎え方、育て方、そして人との向き合い方。
それぞれに大きな力はなくても、丁寧に取り組むことで「ここで働きたい」「続けていきたい」と思える環境に近づいていけると信じています。
私自身も、まだ模索の途中です。
だからこそ、同じように悩みながら現場に立つ皆さんと、思いを共有しながら、これからもできることを少しずつ重ねていきたいと思っています。
採用も育成も、結局は「人と人」の関係の中で育っていくものだと実感しています。
だからこそ、私たちの姿勢や関わり方が、未来の職場をつくっていきます。
小さな変化の積み重ねが、必ず明日の職場をつくっていくと信じています。
皆さんの現場では、どんな工夫をされていますか?
よければコメント欄で教えてください。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!