【現役ケアマネが解説】介護費用はいくら?|平均・自己負担・備え方がわかる5つのポイント
「親の介護って、どのくらいお金がかかるの?」
「年金や貯金だけで足りるのかな」
そんな不安を抱く方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、在宅介護は月8〜12万円前後、施設介護では月20〜30万円ほどが目安です。
さらに、介護が長期化すれば総額500万円を超えるケースもあります。
こうした現実を知らないまま始まる介護は、心身だけでなく家計にも大きな負担をもたらします。
だからこそ今、必要なのは「不安を数字で見える化すること」です。
この記事では、現役ケアマネジャーの視点から、介護費用の平均額や自己負担の仕組み、そして無理なく備える具体的な方法を解説します。
読み終えるころには、介護にかかるお金の全体像がつかめ、家族の安心を守るために何をすべきかが明確になるでしょう。
📊 なぜ今、介護費用を知るべきなのか?
介護費用がいくらかかるか を知りたくてこの記事に来られたと思います。
でも、その前に 「なぜ今、介護費用の準備が急務なのか」
その背景を理解しておくと、 より真剣に備えられます。
この記事では、
なぜ介護費用が上がり続けるのか
あなたの生活にどう影響するのか
今から何を準備すべきなのか
を、現役ケアマネの視点から 具体的に解説しています。
こうした「2025年問題」により、 介護費用の準備は 「できればやっておきたい」ではなく 「絶対にやるべき」ことになっています。
【推奨の読む順番】
① 2025年問題の記事(背景理解) ←先にこれ
② この記事(費用の詳細) ←今ここ
背景を知ってから費用を学ぶと 「なぜ備えるべきか」が腹落ちします。
介護費用はいくらかかる?平均と全体像をつかむ3つの視点

1. 介護費用の内訳を知る
介護費用は大きく分けて「介護サービス費」「生活関連費」「医療・日用品費」の3つに分類されます。
まず、介護サービス費とは、介護保険を利用して受けるサービスにかかる費用のことです。
自己負担は原則1〜3割で、在宅介護では訪問介護・デイサービス・福祉用具の利用が中心となり、月8〜12万円が目安です。
一方、施設介護では介護サービス費に加えて、食費や居住費、光熱費などの生活費が上乗せされるため、月20〜30万円ほどになるケースが一般的です。
また、介護度が上がるほど必要な支援が増えるため、費用も高くなります。
「何に、どのくらいかかるのか」を把握しておくことが、安心して備えるための第一歩でしょう。
2. 介護費用の期間別平均を比較する
介護は「いつ終わるか分からない支出」です。
厚生労働省の調査によると、介護が始まってから亡くなるまでの平均期間は約4年7か月。
短期間で終わる方もいれば、10年以上続くケースもあります。
在宅介護では、1年間でおよそ100万円前後、5年間では500万円を超えることもあります。
一方、施設介護では1年間で250〜300万円、5年間では1,000万円に達する場合も少なくありません。
大切なのは「月単位」ではなく「年単位」「期間単位」で考えることです。
長期化を前提に備えておけば、想定外の出費にも慌てず対応できるでしょう。

3. 介護費用の差が生まれる要因を理解する
同じ介護でも、かかる費用には大きな差があります。
主な要因は、①地域差、②要介護度、③サービス利用量の3つです。
都市部では人件費や家賃が高く、施設利用料も地方より高くなる傾向があります。
また、要介護度が上がるほど支援量が増え、自己負担も大きくなります。
さらに、訪問介護やデイサービスを多く組み合わせるほど、支給限度額を超えやすくなる点にも注意が必要です。
「どんなサービスを、どのくらい使うか」で費用は変わります。
まずは担当ケアマネジャーに相談し、無理のない利用計画を立てましょう。
次の章では、こうした費用を制度で軽減する仕組みについて解説します。
介護費用の自己負担はいくら?制度で軽減できる 3つの仕組み

介護保険を利用しても、すべての費用をまかなえるわけではありません。
だからこそ「自己負担」と「制度による上限」の仕組みを理解しておくことが重要です。
ここでは、自己負担の割合のほか、高額介護サービス費による払い戻し制度、そして低所得者向けの支援制度について紹介します。
これらを知っておくことで、介護費用を無理なく抑え、安心してサービスを利用できるようになります。
①自己負担割合と支給限度基準額を理解する
介護保険の自己負担は、所得に応じて1〜3割に設定されています。
たとえば年金収入が少ない人は1割負担ですが、現役並みの収入がある人は3割負担となります。
また、要介護度ごとに「支給限度基準額」が定められており、その範囲内であれば保険が適用されます。
限度を超えた分は全額自己負担となるため、サービスを多く利用するほど費用が増える仕組みです。
無理のない支出にするためには、利用限度を理解し、ケアマネジャーと相談しながら必要なサービスを選ぶことが大切でしょう。
②高額介護サービス費制度を活用する
介護サービスを利用した際、自己負担額が一定の上限を超えると払い戻しを受けられる仕組みが「高額介護サービス費制度」です。
上限額は所得に応じて異なり、一般世帯では月37,200円が目安とされています。
世帯単位で計算されるため、同居家族が介護サービスを利用している場合は合算して計算されます。
払い戻しは、利用月の2〜3か月後に自治体から通知が届き、指定口座へ振り込まれるのが一般的です。
自治体によっては申請が必要な場合もあるため、事前にケアマネジャーや市区町村の介護保険課に確認しておくと安心でしょう。
介護が長期化すると、この制度を活用できるかどうかで家計の負担が大きく変わります。
知っておくことが、将来の安心につながるのです。
③補足給付や合算制度を知る
介護費用をさらに抑えるために活用できるのが「補足給付」と「高額医療・高額介護合算制度」です。
補足給付は、施設入所時の食費や居住費を軽減できる制度で、所得や預貯金が一定額以下の人が対象になります。
一方、合算制度は、1年間にかかった医療費と介護費の自己負担を合わせて上限を超えた場合に、超過分が払い戻される仕組みです。
どちらの制度も、申請して初めて利用できます。
せっかくの支援を「知らなかった」で逃してしまうのはもったいないことです。
早めにケアマネジャーや役所の窓口で確認しておきましょう。
介護費用はいくら負担する?家計を守る 4つの対策

介護が始まると、これまでの生活費に加えて新たな支出が発生します。
「親の年金でまかなえるだろう」と考えていたのに、実際は家族が補填するケースも少なくありません。
この章では、平均的な家族の負担額を確認しながら、家計への影響や支出を抑える工夫、さらに利用できる支援窓口の活用方法を紹介します。
事前に全体像を把握しておくことで、経済的な不安を軽減し、より安心して介護に向き合えるようになるでしょう。
1. 家族の支出平均を把握する
親の介護にかかる費用のうち、家族が実際に負担している金額は月5〜10万円ほどとされています。
在宅介護では、交通費や日用品の購入、外食を控えるなどの「見えない出費」も多く、想像以上に家計を圧迫するケースが少なくありません。
さらに、子育てや住宅ローンと重なる「ダブルケア世代」にとっては、支出のやりくりが大きな課題になります。
介護が始まると、家族の誰かが勤務時間を減らしたり、離職を余儀なくされることもあるでしょう。
経済的負担を軽くする第一歩は、現状の収支を正確に把握することです。
2. 家計への影響を整理する
介護費用は、毎月の生活費に少しずつ重なっていきます。
固定費が増えることで貯蓄のペースが落ちたり、教育費や老後資金を削らざるを得なくなるケースも少なくありません。
特に介護が長期化すると「将来への不安」が心理的なストレスにもつながります。
また、介護休業や時短勤務による収入減も家計に大きく影響します。
支出を抑えるだけでなく、収入面の見直しを行うことで、家計全体のバランスを保ちやすくなるでしょう。
3.支出を抑える工夫を実践する
介護費用は、工夫次第で大きく変わります。
たとえば、必要なサービスを見極めて「使いすぎ」を防ぐことが大切です。
デイサービスやショートステイを上手に組み合わせることで、在宅介護の負担を減らしながら費用を抑えることもできます。
また、介護用品はレンタル制度を利用すれば初期費用を大幅に削減できます。
自治体によっては、紙おむつや福祉用具の助成制度が用意されている場合もありますので、地域の情報を確認しておくと安心です。
小さな工夫を積み重ねることで、長期的には大きな節約につながるでしょう。
4. 支援窓口に相談する
介護の悩みや経済的な不安は、一人で抱え込まないことが大切です。
地域包括支援センターでは、介護保険の利用方法や費用の見直しについて、無料で相談できます。
また、社会福祉協議会では「生活福祉資金貸付制度」などを通じて、経済的な支援の相談も可能です。
制度は、知っている人だけが活用できる仕組みです。
「どこに相談すればいいかわからない」と感じたときこそ、まずは地域の専門窓口に連絡してみてください。
今からできる介護費用の「かしこい備え方」3STEP

介護費用は、いざという時にまとめて準備できるものではありません。
だからこそ、日々の暮らしの中で少しずつ備えていくことが大切です。
ここでは、現役ケアマネジャーとしての経験をもとに、無理なく続けられる備え方を3つのステップで紹介します。
今日からでも始められる小さな一歩を、一緒に考えていきましょう。
STEP1 費用の目安を設定する
最初のステップは、「どのくらい必要か」を具体的に把握することです。
介護費用は、生活費・介護サービス費・予備費の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
介護サービス費は、在宅か施設かによって大きく異なりますが、月10〜20万円が目安です。
さらに、医療費やリハビリ用品の購入などに備え、50〜100万円ほどを予備費として見込んでおくと安心でしょう。
おおまかな金額を「見える化」することで、備えの方向性が明確になります。
STEP2 積立と貯蓄を習慣化する
介護資金は、一度に準備するのではなく「コツコツ積み立てる」ことが現実的です。
たとえば、毎月1万円を10年間続ければ120万円。
少額でも積み重ねれば、しっかりとした備えになります。
おすすめは、自動積立や給与天引きの活用です。
さらに余裕があれば、iDeCoやつみたてNISAといった長期運用制度を併用するのも良い方法でしょう。
貯蓄を「習慣化」することで、経済的な安心だけでなく、心にもゆとりが生まれます。
大切なのは、完璧を目指すことではなく「続けられる仕組み」をつくることです。
STEP3 民間保険・共済を検討する
公的介護保険だけでは、想定外の出費をすべてまかなうことはできません。
そのため、不足分を補う手段として「民間介護保険」や「共済」に加入する人が増えています。
要介護状態になった際に、一時金や年金形式で給付を受けられるタイプが一般的です。
ただし、加入時期や健康状態によって保険料や条件が大きく変わります。
複数のプランを比較し、自分に合った保障内容を見極めることが大切です。
「どこまでを自分で備えるか」「どこからを保険に任せるか」を整理しながら考えてみましょう。
介護費用が足りないときに頼れる支援と家族での備え方3選

介護にかかる費用は、どれだけ準備していても想定を超えることがあります。
そんなときに頼れるのが、公的な支援制度や家族の協力体制です。
ここでは、経済的に厳しい状況でも活用できる3つの選択肢である、貸付制度・税控除・家族での分担を紹介します。
制度を正しく使い、家族で支え合うことで、無理のない介護を続けられます。
1. 公的貸付制度を利用する
介護費用が急に必要になったときに頼れるのが、「生活福祉資金貸付制度」です。
社会福祉協議会が運営しており、無利子または低金利で借りられるのが特徴です。
介護用品の購入費や一時的な施設利用料など、幅広い用途に対応しています。
また、自治体によっては独自の「特例給付」や「緊急貸付制度」を設けている場合もあります。
困ったときこそ、早めの相談が解決への第一歩です。
2. 税控除・減免制度を活用する
介護にかかる費用の一部は、税制上の控除を受けられる場合があります。
代表的なのが「医療費控除」で、介護サービスの中でも一定の条件を満たせば医療費として申告が可能です。
また、親を扶養している場合は「扶養控除」や「障害者控除」の対象になるケースもあります。
さらに、所得が一定以下の世帯では、介護保険料の減免制度が適用されることもあります。
これらの制度を正しく活用することで、年間で数万円単位の負担を軽減できる可能性があります。
知らないままにせず、確定申告や自治体窓口で早めに確認しておきましょう。
3. 家族で費用を共有する方法を決める
介護費用を家族だけでまかなう場合、負担の偏りがトラブルのもとになりやすいものです。
だからこそ、お金だけでなく「時間」や「役割」も含めて分担を話し合うことが大切です。
兄弟姉妹で費用を出し合う場合は、誰がどの項目を負担するのかを明確にし、メモなどに残しておくと安心です。
また、定期的に情報を共有すれば、誤解や不満を防げます。
「お金の話はしづらい」と感じるかもしれませんが、それは家族の信頼を守るための大切な対話です。
小さなすれ違いを防ぐことが、長く続く介護を支える力になるでしょう。
まとめ|介護費用を知ることが、家族の安心を守る第一歩

介護費用は、誰にとっても避けて通れない現実です。
しかし、金額の目安や制度を理解し、少しずつ備えていけば、不安は確かな安心へと変わります。
介護は「想定外」ではなく「準備できる支出」として捉えることが大切です。
制度を上手に活用し、家族で支え合う仕組みを整えれば、経済的にも心理的にも無理のない介護が続けられます。
困ったときは一人で抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに早めに相談してください。
知ることは、守ることにつながります。
今日からできる小さな行動が、未来の安心をつくる第一歩になるでしょう。
介護費用の前に、まずは“制度の全体像”をつかんでおきましょう。
現役ケアマネが、初めての方にもわかる言葉で丁寧に解説しています👇
介護費用だけでなく、制度そのものも転換期を迎えています。
崩壊を防ぐために、いま何が求められているのか。
現役ケアマネが現場の視点で読み解きます👇
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