見出し画像

茜を待つわ、土用凪。
君の声が耳に残る。

約束は今や遠い夢で、
絹に包み、記憶の奥へ底へ。
時の針は静かに進み、
過去にしまい込んだ君が蘇る。

時世は流れ、周りは変わり続ける。
しかし、君はいつまでも消えない。

言葉の裏に潜む影が耳元でささやき、
文字に起こし、
誰にも見えない場所へ隠しておく。

言葉に暗号を託して、
私は君への想いを抱え続ける。

夕焼けが地平へ潜る頃、
柳のもとへ、彼岸花。
花びらが河辺の風に揺れ、
君のセリフを思い出させる。

水面に映る夕陽へ、
君の名前を呼んでみた。
波紋が広がり、記憶の中で君が振り返る。

ふとして、君の文字が浮かび上がり、
君との歩みは私の深いところでゆるく響き続く。

思いが語彙にできなくても、
私が綴りゆくかぎり、君はけして消えない。

この記事が参加している募集