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掌編: いつもの情熱と不満

「もう、アイツと別れる」
麻也子が言うのを、私はまたか…と心の中で思った。

「価値観の違いっていうの?
この間は恥をかいちゃったし、
アイツが説明しないせいよ!」

鼻息荒く語る麻也子は、
私の反応なんてお構いなしだ。

「アイツが珍しく
『サンガクフリマ』に行こうなんて誘うから、
運動が苦手なアイツがどういう風の吹き回し?と思ったの。
せっかく誘ってくれたし、私は張り切って防寒対策もしたのよ。
でも、待ち合わせの駅で、アイツが私の格好を見て『どこに行くの?』だって」

麻也子は続ける。
「サンガクはサンガクでも、
数学の方の算学だってアイツは言って、
私を嘲笑するの。普通は山岳フリマと思うでしょ。
今度こそ本当に別れる!」

私は心の中で、麻也子の別れる詐欺が何回繰り返されるのか数え始めた。麻也子の情熱と不安が交錯する様子はいつもと同じだけど、どこか新鮮だった。

#たらはかにさん
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