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hidemaro2005
それでも女は可愛い顔をしている
人は墜ちてゆく様を美化して話すのも美学なんだろうか。
私の横に座る安優香は、我が子の習字道具を買う金がないと言う。
しかし、安優香から子どもの話を聞いたのは今日が初で、旦那がいる既婚者が合コンに来るのを問い詰めたい気分だ。
「瑠璃ちゃん。五千円でいいの。貸してくれない?
旦那か大輝くんがお金をくれたら必ず返す」
そこへ、旦那さんと大輝の名前が並んでいるのを不自然と思わない安優香の緩さに唇を噛んだ。
「ダメ?ね?絶対、返すから。
ほんとさ、チビ太は金食い虫よね」
足を組み替え、ため息をつく安優香は自分の金銭感覚のなさを子どものせいにする。
「ごめんなさい。私も今月、ピンチなんだ」
ちょっぴり嘘をついて突き放す。
「じゃあさ、旦那さんや大輝さんにお金を借りたらいいと思いますよ」
隣の女は腰を浮かし
「無理だよ。旦那はケチだし、先週、大輝くんから
『風俗で働く』って言って七万円もらったばかり」
「そんなにもらったの?もう使ったの?何に使ったんですか!」
「え〜っ。覚えてない。お金って一万円を崩したらすぐに財布からなくなるよね」
無邪気な告りびとは口を尖らせていた。
