【読書記録】『井上ひさしの子どもに伝える日本国憲法』について

『井上ひさしの子どもに伝える日本国憲法』を読みました。

この本は、子どもに向けて憲法をわかりやすく解説している本です。
なので、当然大人が読んでもわかりやすい。

井上ひさしの優しい憲法

憲法の前文と9条を、井上ひさしさんが優しい言葉で訳していて、いわさきちひろさんのイラストが包むように掲載されています。
他の方も仰ってますが、まるで詩集のような趣きの、あたたかい本になってます。

国民学校の生徒として終戦を支えた井上ひさしさん。
小学生から見た戦争と平和を、著者は戦争を知らない子どもたちに語りかけている。
日本人男性の平均寿命は23.9歳……と言われていた時代に、子どもが思っていたことを。

日本国憲法について

また、巻末に日本国憲法が全部掲載されていますので、前文と9条以外も読みたいな〜と思っても大丈夫。安心安全。

で、今回読んでみてあらためて気づいたのが、憲法って戦後の新生日本をどういう国にするか、本気で考えて作られたものだな、ということ。

まず第一章で、天皇の存在をどう処理するかが事細かく書かれている。
天皇に権力を持たせないように、憲法で縛ることが新生日本には必要だと、その意気込みをすごく感じます。
天皇の名で、先の戦争が行われた訳ですから、当然といえば当然なんですがね。

次の第二章が、憲法9条ですよ、戦争の放棄。
ちょっと唐突なくらい、天皇の次に戦争の放棄がくる訳です。
この意味がわからない政治家が多くて、情けないのですが。

日本国憲法は、あの破滅から日本の生きる道を学んだ結果の成果物な訳ですよね。
だから、天皇と戦争を何より先に縛ってる。
その次が、国民の権利と義務です。
縛るものを縛った後でないと、国民の権利はない。
そのことを憲法は、私たちに教えてくれてるんです。

それでも、まだまだ油断はできないと思ったのか、憲法の最後(補足の前)の章が「最高法規」ですよ。

いろいろ憲法を並べた後、もう一度最後に、政治家や裁判官、官僚、そして天皇に対して、憲法を遵守するように言い聞かせている。
国民の人権を踏み躙るなと、命令している。

憲法って、権力者を縛るものなんですよ。
国家の理想を描いたものじゃないんです。
9条が理想的なのは、そうやって戦争を縛らないと、すぐに国家は暴走するからです。
危険なのは近隣の外交政権ではなく、この国の権力者。
だから日本国憲法は、国民に「しっかり監視してろ」と言いたいんですね。

というのがわかったので、日本国憲法は読んでみてください。
今のむちゃくちゃな政治の状況下では、絶対必要です。
難しいなと思ったら、子ども向けの本からはじめればいいんですから。

ということで、この本は子ども向けにしておくことが惜しいくらい、読んでよかったです。
ちょっと古い本なので、本屋さんにはなかなかないかもしれませんが、図書館で借りるなどして一度お手に取ってみて下さい。
ありがとうございました。

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