【相場研究】MACD・RSI・出来高で見えた「資金の向かう先」|鉄鋼・非鉄・海運・エネルギーに強さ
株式市場では、毎日のように多くの銘柄が上昇しています。
ただ、個別銘柄の値上がりだけを追っていると、「いま市場のお金がどこへ向かっているのか」が見えにくくなることがあります。
そこで今回は、私が作成したスクリーニングプログラムを使って、
・RSI(14)
・MACD乖離幅
・出来高急増倍率
・ゴールデンクロス
などを確認しながら、現在の市場でどのテーマに強さが出ているのかを調べました。
今回のデータを見ていて特に気になったのは、
「鉄鋼・非鉄などの素材」
「海運・造船」
「エネルギー・電力」
「IT・AIインフラ」
といったテーマに比較的強い銘柄が集まっていることです。
一方で、半導体や不動産、建設などにはRSIが50を下回る銘柄も多く、テーマによってかなり温度差があります。
今回は、この違いを整理してみます。
今回のスクリーニングで見えた5つのポイント
今回のデータから、特に注目したいのは次の5点です。
1.鉄鋼・非鉄など素材株の強さ
2.海運・造船が引き続き上昇トレンド
3.エネルギー・電力関連に資金が残っている
4.IT・AIインフラ関連は銘柄によって明暗
5.半導体はまだ本格的な資金回帰とは言いにくい
1.鉄鋼・非鉄など素材株が強い
今回かなり目立ったのが、鉄鋼・非鉄金属関連です。
まず日本製鉄(5401)。
RSIは75.0と非常に高い水準にあり、テクニカル判定も「上昇トレンド継続中」となっています。
JFE(5411)もRSI65.1で上昇トレンド継続中。
さらに住友金属鉱山(5713)はRSI71.5、出来高急増倍率3.20倍。
三菱マテリアル(5711)に至っては、出来高急増倍率が5.41倍となっています。
素材関連で複数の銘柄に強い動きが出ている点は、今回のスクリーニングでかなり気になるところです。
特に、
日本製鉄
JFE
住友金属鉱山
三菱マテリアル
といった異なる銘柄で強さが確認されているため、単なる個別株の動きではなく、素材セクター全体が意識されている可能性があります。
ただし、RSIが70を超えている銘柄も多くなっているため、「強いからそのまま買う」というより、過熱感にも注意しながら見ていきたいところです。
2.海運・造船は引き続き強い
前回の記事でも海運・造船への資金流入を取り上げましたが、今回も強さが残っています。
商船三井(9104)はRSI70.5で「上昇トレンド継続中」。
日本郵船(9101)はRSI64.5で、本日ゴールデンクロスとなっています。
名村造船所(7014)もRSI57.2で上昇トレンド継続中です。
一方、川崎汽船(9107)はRSI61.9ですが、今回の判定では「シグナルなし」となりました。
ここは少し面白いところです。
同じ海運テーマでも、
商船三井
日本郵船
川崎汽船
でテクニカルシグナルに差が出ています。
つまり、「海運が強い」というだけではなく、海運の中でも資金がどの銘柄に向かっているのかを見る段階に入ってきた可能性があります。
今後はセクター単位だけでなく、銘柄間の強弱にも注目したいところです。
3.エネルギー・電力関連にも強さ
今回もう一つ気になったのがエネルギー関連です。
岩谷産業(8088)はRSI69.7、出来高急増倍率4.41倍で、上昇トレンド継続中。
東京電力HD(9501)もRSI53.3で上昇トレンド継続中となっています。
また、石油資源開発(1662)は本日ゴールデンクロス。
一方で、九州電力(9508)や関西電力(9503)は今回の判定ではシグナルなしとなっています。
ここでも、電力・エネルギーというテーマ全体が一方向に動いているわけではありません。
前回の記事では送電網・重電関連の明電舎や富士電機に強さが見られました。
今回も明電舎(6508)はRSI62.3、MACD乖離幅265.73で上昇トレンド継続中。
富士電機(6504)もRSI59.5で上昇トレンド継続中です。
AIデータセンターの増加による電力需要、送電網の更新、電力インフラ投資などを考えると、今後もこのテーマは継続して観察したいところです。
4.IT・AIインフラは比較的強い銘柄が目立つ
今回、日立製作所(6501)がRSI76.1と非常に高い水準になっています。
NEC(6701)もRSI64.3。
富士通(6702)はRSI60.3。
NTT(9432)もRSI64.8で、クロス直後となっています。
さらにフジクラ(5803)はRSI60.1、出来高急増倍率2.36倍、MACD乖離幅147.193で上昇トレンド継続中です。
ITシステム、通信、データセンター関連などを見ると、AI投資そのものだけではなく、それを支えるインフラ側にも資金が向かっているように見えます。
特にフジクラはデータセンター関連としても注目される銘柄で、出来高増加を伴って上昇トレンドが続いている点が気になります。
一方で、同じデータセンター関連でも、
新日本空調(1952)
高砂熱学工業(1969)
などはRSIが35前後まで低下しています。
つまり「AI・データセンター」という大きなテーマだけを見るのではなく、
AIそのもの
通信
光通信
電力
冷却
空調
送電設備
のどこに資金が向かっているのかを細かく見る必要があります。
5.半導体はまだ慎重に見たい
今回のデータで特に興味深いのが半導体関連です。
アドバンテスト(6857)はRSI59.9で上昇トレンド継続中。
しかし、
東京エレクトロン(8035) RSI42.8
ディスコ(6146) RSI47.5
レーザーテック(6920) RSI45.8
SUMCO(3436) RSI44.5
信越化学工業(4063) RSI44.1
など、主要銘柄ではRSI50を下回っている銘柄が目立ちます。
さらにルネサスエレクトロニクス(6723)はRSI46.1。
ローム(6963)もRSI49.6で、「クロスしたがRSI50未満」という判定になっています。
つまり、アドバンテストなど一部銘柄には反転の兆候があるものの、半導体セクター全体に資金が戻ったと判断するには、まだ少し早いのかもしれません。
ここは前回の記事から継続して見ていきたいポイントです。
半導体大型株のRSIが50を回復し、MACDと出来高が同時に改善してくるようなら、セクター全体の流れが変わってきたサインとして注目したいと思います。
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