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普通の一言が、なぜか重く聞こえる理由。前の会話がまだ残っている

「了解」

それだけの短い返事だった。
普段なら何も思わない。

でも、その日はなぜか冷たく感じた。

強い言い方をされたわけじゃない。
責められたわけでもない。

それなのに、その一言だけが重く入ってきた。

なぜこれだけが、と少し戸惑う。

でも、いまの一言だけを見ていると見えにくいことがある。

重かったのは、その言葉だけのせいとは限らない。

思い返せば、前に話したとき引っかかるものがあった。

言い合いではない。
大きな違和感でもない。
ただ、返事の間が少し気になった。
こちらも何かを飲み込んだ。

その場では終わったと思っていた。

でも、終わったはずの会話が
次の一言を聞くときの自分の中に
まだ残っていることがある。

昨日の引っかかりを抱えたまま、今日の「了解」を受け取る。
だから、ただの短い返事が冷たく見える。

短い返事だけではない。
「それでいいんじゃない?」という肯定さえ、投げやりに聞こえる日がある。

言葉は、いつも単独で入ってくるわけではない。

いまの一言に、前の返事や前の間、飲み込んだ言葉が重なっている。
それを抱えたまま次を受け取っている。

だから、普通の言葉が重くなる。

こういうとき、見え方は二つに割れやすい。
「相手が冷たい」か、
「自分が気にしすぎ」か。

でも、そのどちらでもない。
前の会話を抱えたまま受け取っていたのかもしれない。

そう見えると、いまの反応を見る場所が少し変わる。

前の会話を忘れられるか、ではない。
何も気にしないようにできるか、でもない。
いまの反応が本当にいまだけから来ているのか。
そこを一度だけ見てみる。

いまの一言が重く入ってきたとき。
胸の中で、一つだけ問いを置く。

「いま、この言葉だけを受け取っているのか。
それとも、前の会話も一緒に受け取っているのか」

分けて聞こえた一言は、今日のぶんだけの重さになる。


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