見出し画像

月と文社『こじらせ男子とお茶をする』─こじらせ方にはコツがある?|本茶本茶 #6』

本茶本茶は、毎回ひと種類のお茶を味わいながら、一冊の本をきっかけに、ゆるやかに語るPodcast番組です。

今回は第6回。こちらからお聞きください。

Apple Podcasts派の方はこちら🍎




収録後記

Podcastで本の紹介をするキモは、段取りと準備かもしれないと気づき始めました…!

皆さんに紹介したい本はどんどんと溜まっていくのですが、それをPodcastで言葉で語るとなると、どこを引用しようか?とか、どんなふうに紹介しようか?とか準備に意外と時間がかかることがわかってきました。

あと、その準備が適当だとちゃんと話せない…笑 やたら「えー」とか「あー」とかが増えてしまいます。

現時点での、読書→Podcastの最適解は、
①付箋を貼りながら楽しく読む
②読み終わったらPodcastで紹介するかどうかを決める
③付箋を貼ったところを音声入力で読書録にまとめる(Obsidianというアプリを使っています)
④その読書録の最後に、紹介したいポイントや感想をまとめる
⑤収録する

こんな感じ。意外とこれをやると本の内容の理解とか、気づきが増えて、やっている自分は楽しい営みです。

本と茶の情報

ご紹介した本はこちら💁

お茶はこちら💁


書き起こし

こんにちは。本茶本茶へようこそ、毎回1種類のお茶を味わいながら、1冊の本をきっかけに、緩やかに語る時間です。静けさを通して、人の創造性を見つめ、関係性をケアするStudio Stillnessの冬斗がお送りします。

今日はEN TEAというお茶屋さんの「華やぐ茶」の梅、これは松竹梅ある梅なんですけれども、ブレンド緑茶という形で、お茶に梅と赤紫蘇がブレンドされているものをいただいています。

このEN TEAさんっていうのは、2017年ごろから活動されているお茶屋さんなんですけれども、以前は東京の渋谷にGENGEN庵っていう素敵なティースタンドっていうんですかね。カフェのような形で、日本茶がいただける、そんなスタンドを運営をされていた方になります。

この「華やぐ茶」の梅っていうのは、梅がブレンドされているので、赤茶色のような色をしながら、梅こぶ茶ってあると思うんですけれども、あのような形で非常にいい香りのする梅と紫蘇の香りがついたお茶になっています。

少しずつ長い夏が、終わりを迎え、だんだんと気温が下がってくる中で、お茶もあったかいものがまたおいしい季節になっていくなというふうに思っています。

そして、今日は、『こじらせ男子とお茶をする』という1冊をご紹介したいと思います。この本は、月と文社という藤川明日香さんという方が、1人で立ち上げた1人出版社が編集をされているものなんですけれども。

6人の、こじらせていると自覚する30代から50代の男性たちにインタビューをしながら、それを編集した1冊となっています。まさにこの「こじらせ男子」ということと「お茶」というものがこのチャンネルっぽいなあということで、今日は取り上げています。

ちょっと男子というのはあれですけれども、一応ここでは30代から50代の男性ということで、なんとか入っているかなというふうに思います。

そして、この本でどういう方たちがこじらせ男子として取り上げられているかというと、出版社夏葉社というのを立ち上げた島田さん。日本一有名なニートと言われたこともある、今は作家としてもとても有名なPhaさん。そして、これは私、存じ上げなかったんですが、『僕たちにもうモノは必要ない』っていうミニマリスト本を出されて、大ベストセラーになった佐々木典士さん。芸人であり、作家のファビアンさんであったり、現在、ユニポスという会社の代表をされている田中さん、共和国という出版社をやられている下平尾さん。そんな方たちが取り上げられています。

そして、こじらせるって何なのよっていうところだと思うんですけれども、この本の冒頭ではですね、

世間一般の当たり前の価値観や生き方に違和感を持ってしまうというこじらせるというやり方が他にないものを生み出す力になる

というような一文があります。

なので、こじらせてもどうしようもないね、というよりも、何かこじらせることによって、かえって、その独自性のある生き方であったり、新しい何かを始められている方。ある意味で言うと、少し成功に向かっている、成功されているこじらせ方のようなものが取り上げられているのかなと思います。

この6人皆さん面白く読ませていただいて、結構インタビュー形式なので、会話の内容がどんどんどんどん、人それぞれで面白いなあというところはありつつ、僕は、一番初めの島田さん、島田潤一郎さんという方の、出版社を立ち上げるにあたっての話であったり、物語の話であったり、そんなところが、個人的には好きだな、というふうに思っています。

この本はこういうこじらせ男子の自意識と生存戦略っていうものに、フォーカスをして聞いているということなんですけれども、6人こうバーッと読んでみて、なんとなく、自分なりに見えてきたこじらせの要素みたいなものが2つある気がしてて、ちょっとご紹介したいんですが。

1つ目はですね、結構どの方も自分の中にこう自信があるで、その自信っていうのは大きかったり、その客観的な評価を得ているというよりも、狭かったり独自だったりしても、こう自分なりの自信。本来、自信ってそういうものかもしれないですけれども、を持っているっていうのがありそうです。

例えば、島田潤一郎さんは、

もともと営業の仕事をしていたことで、出版社を立ち上げた後もですね、いいものを作れば、売る力が自分の中にはあると思ったことが大きい。

そんなふうにおっしゃっていたり、作家のPhaさんは、

内容は別に、自分のことでも何でもいいんですけど、文章を紡いでそれなりの形にできるということが自信になっているかな。

そんなふうにおっしゃっていたりします。

そして、ユニポスの田中さんが、それをうまく一言で表している文章を書いていて、

こじらせるって、多分何か自分だけにしか確信めいたものはないものに突っ込めるっていうところなんです。こじらせてないと、そんなことやって何の意味があるんですかとか、いろいろ言われると、シュンってなっちゃうと思うんですよね。

そんなふうにおっしゃっています。そういった自分の中の自信というものに加えて、もう1つあるとすると、世の中とか社会の評価や価値観について、ある意味、少し冷めた目で俯瞰・客観視しているというようなことが挙げられるかなと思います。

結構どの方もですね。まあ、例えば、島田さんもそうですし、ファさんもそうですし、その評価をされているっていうことに対して、自分が課題に評価されているはずだと、あるいは何か意見を言ったら、まあ、7割ぐらい賛成がいて、3割ぐらい反対する人もいて、まあ、それぐらいが健全だよなっていう、こう、全体の割合で見ちゃうみたいなことだったり。

なんかですね、非常にそういう、世の中からの見られ方とか、あるいは世の中自身について俯瞰をしている。そんな視点を感じます。

その1個目と、2つ目をなんとなく感じた時に思ったのは、まあ、こじらせるっていうのが、周りとか、社会とか、そういうところから得る、強い自己認識っていうことではなくて、自分の主観に基づいた、自分の主観に根差した、まあ、微細なんだけれども、強い自己認識。なんか、そんなようなものが核にあるような気がしています。

そして、またちょっと脱線しちゃうんですけれども、このこじらせというものが、周りや社会からの目に基づく強い自己認識ではなくて、自分の主観に基づく微細な自己認識っていうようなことを考えたときに、思い出す本が1冊ありまして。

尹雄大さんという方が書かれた、『つながりすぎないでいいー非定型発達の生存戦略』っていう本があります。この中の一部分を、ちょっと共有させていただきたいんですけれども、

自分とはどこまでいっても、主体であり、能動でしかなく、客観性を自分に介入させない感性は、人間の存在に強度を与えるのだ

という一文があります。この客観性を自分に介入させない感性は、人間の存在に強度を与えるのだっていう部分がすごい、その客観に基づく、自己認識ではなくて、主観で微細だけれども、持つ自己認識の強さであったり、先ほどの田中さんの言葉を借りると、確信めいたものに突っ込める。そういうことのつながりを思い出す1冊になります。

ある意味、人はその成長していく過程で、社会とか他者からの影響を多分に受けながら、そこにこう適応しながら、逆に言うと、そういう価値観を自分の中に取り込みながら、発達をしていくっていう1面があると思うんですけれども、

やっぱりそういうふうにこう自分の中に取り込んだものっていうのは、なかなか、そのうまくこじらせる種にはならないっていうことなんでしょうね。確信みたいなものって、もっと周りがどうこういうのは別にしておいて、非常にその主観的な。

もしかすると、それがどちらかというと、社会から否定をされがちなんだけれども、その客観性を自分に介入させない、そんなようなものが、このこじらせのコアになっているんじゃないか?そんなようなことを読みながら考えていました。

なんかそういうようなことを考えると、これは、30代から50代っていう年齢にかかわらず、みんながその中に持っている、ほんの少しのこじらせみたいなものに、もう一度この光を当てるきっかけになるというか。

ああ、自分もそういうものを持ってたんだっていうことを思い出すような、そのようなきっかけになる1冊かなというふうに思います。

あとは結構、インタビュー形式で書かれている本なので、これ結構大変だったと思うんですよね。そのこじらせというテーマを持って、インタビューをしに行くのは、そうだと思うんですけど、結構、その話の中で、いろんな方向にこう脱線をしていくと。

ただ、それはそれで、その全部コントロールされたようなインタビューではなくて、うまく流れに乗りながら、こじらせに接点のあるような話を聞き出していく。そんなインタビューって、すごいな、大変そうだな、なんていうことも考えながら、とても軽く、楽しく読める1冊かな、というふうに思っています。

はい、今日はEN TEAの「華やぐ茶」の梅をいただきながら、月と文社が編集した『こじらせ男子とお茶をする』をご紹介いたしました。

ではまた。


いいなと思ったら応援しよう!