もうすこしだけ、冬にいたい。

本日の新潟市。ちょっと車を走らせるだけで、雪があったりなかったり。
あともう1回くらい、どさっと降る日が来るのかな。こういうのを繰り返しながら、季節は春に近づいていく。
わたしは秋よりも、この時期に最も感傷的になるらしい。
冬へ向かう秋よりも、春へと向かう冬に、なぜか心がゆれる。
雪は、降りはじめるときよりも、溶けていくときのほうが、さみしい。屋根から落ちる水の音や、道の端に残った灰色の雪。春を告げる蕗の薹を見つける時も。
白くて完璧だった景色が、ゆっくり現実に戻っていくみたいで、季節が、時が動いていることを知らされる。
日差しは少しずつやわらかくなっているし、朝の空気にもどこか軽さが混ざる。寒さはまだ居座っているのに、空気や植物たちのほうが、先に次の季節の準備をしているみたい。
まだコートは手放せないのに、こんな風に晴れた日は、前ボタンを開けてみたくなる。短い時間でも、風を感じたくなる。新しいことを始めたくなる。
何かを片づけたくなったり、遠くに出かけたくなったりする。
そんな気分になるのも、たぶんこの季節のせい。
春はまだ少し先。
それでも、もう、すぐそこまで来ている気配だけは伝わってくる。
でも、まだちょっと待って。
もうすこしだけ、冬でいたい。
