幻想曲「人魚姫」
「抒情交響曲*」とともにとても好きな「人魚姫」。
アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーが
美貌の弟子であるアルマ・シントラーと恋に落ちたが、
ほどなくグスタフ・マーラーに彼女をさらわれる。
ツェムリンスキーは若く無名で不細工だったが、、
マーラーはすでに歳上の成功した作曲家だった。
しかし失恋がツェムリンスキーに名曲を生み出させる。
それが大管弦楽のための幻想曲「人魚姫」である。
アンデルセンのお伽話をもとにイメージされた
浪漫に溢れた美しいメロディが紡ぎ出されている。
親友のシェーンベルクの「ペアリスとメリザンド」と
1905年にウイーンのムジークフェラインで初演された。
ツェムリンスキーは卓越した指揮者だったという。
アルマを人魚姫にたとえたこの曲に情感を込めて演奏。
人魚姫の王子との恋と結婚、人魚であることの苦しみ、
遂には自殺してしまう哀しく美しいメルヘン溢れる物語。
しかし演奏後に総譜が別々の所に渡り紛失されたと言われる。
初演から約80年経ってこの作品が見つけ出されるのだ。
指揮者のリッカルド・シャイーがこの曲の総譜を発掘、
シャイーが指揮してベルリン放送交響楽団が演奏する
貴重なCDを手に入れてこの冬に楽しんで聴いている。
いまではツェムリンスキーが削除した部分も復活して
多くの指揮者やオーケストラの人気曲となっている。
聴く度にツェムリンスキーとアルマの恋を連想しながら。
*以前、ツェムリンスキーの「抒情交響曲」のことは書いています。よろしければ……https://note.com/hon0712/n/n6cdef23cbaa4
