能楽を学ぶ

能楽師シテ方観世流、
武田尚浩と
祥照、崇史親子による
能楽講座に行った。

六五〇年前の室町時代、
観阿弥と世阿弥によって
興された能という芸能。
元々は神仏に捧げるもの。

謡って踊って物語が進む、
いわばミュージカル。
それも演者は能面を被る
仮面劇が最大の特徴。

能面は主に檜で作られ、
中間表情にしてある。
般若の面には怒りと
悲しみの両面がある。

下を向けば悲しみに、
上を向けば怒りになる。
女性は誰もが般若、
故に角隠しで婚姻する。

能舞台は神が降りた
松の絵だけという素朴さ。
故に見る者は創造力が必要、
事前に物語を知っておくこと。

「熊坂」という演目では
熊坂長範の霊が現れ、
牛若丸と闘うのだが、
肝心の牛若丸はいない。

見ている我々は
牛若丸がいると想像して、
この能を楽しむわけだが、
この想像こそが面白い。

狂言は笑いで生の世界、
能は死後のシリアスな世界、
哲楽的だとも言える。
哲学を悟るのも能の醍醐味だ。