ショーン・タン『エリック』

なんかショーン・タンが読みたいなと
いろいろ表紙を見て『エリック』に決めた。
影絵のような宇宙人みたいな顔があり、
翻訳がリリカルな岸本佐和子さんだから。
アマゾンから送られてきたのは小さな絵本。

読み出したら宇宙人みたいなのがエリック。
ホームステイにやってきた小さな留学生で、
その家のボクらはみんなでもてなすのに、
ちっとも興味をひかないとちょっと不満げ。
エリックは台所の戸棚の中で勉強する。

ボクが君の「名前が難しい」と言うと
「いいんです」「エリックで結構です」。
ボクの母は言う「きっとお国柄ね」と。
コミュニケーションをとりたいのに、
突然エリックは自分の国に帰ってしまう。

ぼくらとの生活は愉しかったのだろうか。
そう思ったら戸棚にエリックの残したものが。
ずっと黒鉛筆で書かれた影絵のような絵、
それが最後に僅かに光を放つカラフルなものに。
エリックは感謝していたんだなとわかる結末。

何度も繰り返し絵を見直して読みたくなる。
ショートストーリーだからこその絵本の魅力。
異文化の人とどのように接すればいいのか、
自分とは異なる人とどうわかり合えばいいのか。
優しく見守る気持ちさえ抱いていれば大丈夫。
手の平サイズの小さな絵本もいいなと思いました。