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nanae_hoshi
詩 月での滑走
もうそろそろ夜になろうとする頃、新月に近い月が、空に浮かんでいる。
すぐ側に一等星が浮かんでいて、鋭い光を放つ中、その少し下の辺りで月は、底の部分でわずかに光を発し、その微かな筋が、女性の鋭く突き上がった睫毛のように思え、その鋭くもあり流麗な筋が、空のかなたで横様に弧を描いている。
その月の筋の只中で、自分は、月の斜面を滑走するのを想像する。
あの、わずかに淡い光を発した月光の斜面で、スキー場でゲレンデを進むようにして、滑走できるのではないだろうか。
滑るとき、スキー板の側面で月の斜面を、刀を研ぐように鋭く削ることで、微小な月の光の鱗粉がかすかに吹き上がる。
そうして自分は、淡い光の粉を周囲に撒きながら、くねくねと、斜面上で滑走していく。
夜の暗い宇宙において、凜として淡い月の光の中で、そうして軽やかに滑走するのは、優雅であり、心が落ち着く、喜ばしい体験だろう。
そんな優雅な滑走を、新月に近い月を眺めながら、想像する。
