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Vol.28 FENDI(フェンディ)とは?|毛皮とロゴで時代を塗り替えた“家族経営ブランド”の革新【名作コレクション・歴代デザイナーを完全解説】

■概要
イタリア・ローマ
で毛皮工房として誕生したFENDI(フェンディ)は、クラフツマンシップと革新性を両立しながら、現代モードへと進化を遂げてきたブランドである。

カール・ラガーフェルドとの伝説的コラボレーション、Baguetteバッグの爆発的ブーム、そして現在のキム・ジョーンズによる再解釈──。

本記事では、フェンディの成り立ちから代表作、思想、現代に至るまでを丁寧に辿り、その全貌を深掘りする。


1. ブランドの成り立ち

1925年、イタリア・ローマにてアデーレ&エドアルド・フェンディ夫妻が毛皮と革製品を専門とするブティックを創業したことが始まり。

当時のフェンディは、品質の高いファーアイテムで評判を集め、イタリアの上流階級を顧客に抱える存在となった。

また1946年からは、5人の娘たち(通称:フェンディ姉妹)が経営に参加。ファッション界でも珍しい女性主導の企業として、時代に先駆けた存在でもあった。

アデーレ&エドアルド・フェンディ夫妻

2. デザイナーと背景

1965年、カール・ラガーフェルドがFENDIのレディースウェアおよび毛皮部門のアーティスティック・ディレクターに就任。
彼は「Fun Fur(楽しい毛皮)」という新しいコンセプトを掲げ、従来の重厚なファーのイメージを一新。色彩やシルエットに遊び心を加え、毛皮を“ファッション”として再定義した。

ラガーフェルドが生んだ“ダブルF”ロゴは、FENDIの象徴として今も愛され続けている。

2000年代以降はシルヴィア・フェンディがバッグ部門などを牽引し、「バゲットバッグ」など数々のアイコニックなアイテムを生み出す。

2020年からはキム・ジョーンズがウィメンズコレクションのディレクターに就任し、現代的かつ洗練された世界観を展開している。

カール・ラガーフェルドとFFロゴ

3. 特徴的なコレクション(年代別名作)

● 1997 A/W|Itバッグの金字塔「バゲットバッグ」誕生

シルヴィア・フェンディが発表した「バゲットバッグ」は、肩に小脇に抱えるその独特の形状から名付けられた。
90年代後半、サラ・ジェシカ・パーカーが『SEX AND THE CITY』で着用したことで大流行し、“Itバッグ”という概念を世に広めた代表作となる。

左)Fendi - Ready-to-Wear - Runway Collection - Women
Spring / Summer 1997
右)FENDIの代表的バッグ「バゲッドバッグ」

● 2000 S/S|毛皮×異素材の実験「ファー・クラフツマンシップ」

カール・ラガーフェルドの2000年春夏コレクションでは、毛皮とレザーやプラスチックなど異素材を融合。
毛皮を伝統から解放し、工芸と未来をつなぐFENDI独自のアプローチを提示した。

Fendi - Ready-to-Wear - Runway Collection - Women
Spring / Summer 2000

● 2013 A/W|ローマとの結びつき「トレヴィ・ファウンテン・ショー」

ローマの象徴・トレヴィの泉の上に透明のランウェイを設置し行われたショー。
ファッションと都市、文化遺産の融合というFENDIらしい世界観が強く打ち出された歴史的演出である。

Fendi - Ready-to-Wear - Runway Collection - Women
Fall / Winter 2013

● 2021 S/S|キム・ジョーンズによる新章「フェンディ・リインタープリテーション」

キム・ジョーンズが初めて手がけたウィメンズコレクションでは、フェンディ家のアーカイブを引用しつつ、ストリート的な感性も注入。
流れるようなシルエットとニュートラルな色使いで、フェンディの過去と未来を美しく接続させた。

左)Fendi - Haute Couture - Runway Collection - Women
Spring / Summer 2021
右)キム・ジョーンズ氏

4. 思想と影響

FENDIの根底には、「職人技と革新の融合」がある。
カール・ラガーフェルドは、毛皮=重厚・古典的という固定観念を打ち破り、「毛皮=楽しく軽やか」なものとして再定義した。

また、FENDIはローマという都市との精神的つながりを持ち続け、歴史・芸術・建築など、文化的背景をコレクションに投影し続けてきた。
単なる素材やトレンドではなく、「文化をまとう」ラグジュアリーブランドとしての姿勢が、世界中のファンを惹きつけている。

5. 現在の展開

現在FENDIはLVMHグループ傘下にあり、グローバルで幅広いカテゴリを展開。
レディトゥウェア、バッグ、アクセサリー、シューズ、そしてメンズラインにも注力している。

2023年にはLVMH内でもトップクラスの成長を記録し、キム・ジョーンズの手がけるモダンで洗練されたデザインは、特に若年層や新興市場で高い支持を集めている。

また、伝統的なクラフツマンシップを継承しつつも、サステナビリティやデジタル体験といった現代的課題にも積極的に取り組んでいる。

6. 終わりに

FENDIとは、単なる“ファーの老舗”ではなく、あらゆる対立軸──伝統と革新、職人技とコンセプト、クラシックとモダン──を横断し、独自の美学を築き上げてきた存在である。

その背景にある思想や時代ごとのアプローチを知ることで、単なるブランドとしてではなく、文化的存在としてのFENDIに深く魅了されるはずだ。

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