火遊びをするとおねしょする?火とおしっこを結びつけた昔の親、発想は強引だけど目的はかなり真面目だった
「火遊びをすると、おねしょするよ」
これ、子どもの頃に言われたことがある人、いるんじゃないかな。
マッチ。
ライター。
ろうそく。
昔なら、かまどや火鉢なんかもあったと思う。
子どもが火に興味を持って、ちょっと触ろうとすると、
「火遊びしたら、夜おねしょするぞ」
なんて言われる。
でも冷静に考えると、
火とおしっこ、どうやってつながったの?
って思うよね。
火は熱い。
おしっこは水。
むしろ反対なのよ。
俺も最初は、
「火を消す夢でも見て、おねしょするって話なのかな」
なんて思ったけど、そこまで単純な由来が確認されているわけではありません。
ただ、この「火遊びをすると寝小便をする」という言い伝え自体は、昔から各地にあった俗信として記録されています。国際日本文化研究センターの伝承資料にも同じ内容が残っています。
1.一番大事なのは「火遊びをさせない」ことだった
この言い伝えの意味を考えるうえで、かなり分かりやすい資料があります。
愛媛県の生涯学習資料では、
「火遊びをすると寝小便が出る」=火遊びを禁止するためのもの
とはっきり説明されています。
つまり、
火遊びすると本当におねしょするから注意した。
ではなく、
火遊びが危ないから、子どもが嫌がりそうな結果をくっつけて止めた。
これなんだよね。
昔のしつけって、こういうのが多い。
ご飯粒を粗末にすると目がつぶれる。
嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる。
夜に口笛を吹くと何か出る。
普通に、
「危ないからやめなさい」
「行儀が悪いからやめなさい」
と言うより、
一度聞いたら忘れない結果を付ける。
昔の親、キャッチコピーが強いのよ。
2.なぜ「おねしょ」だったんだろう
ここは、由来が一つにはっきり確定しているわけではありません。
だから、
「絶対にこれが理由です」
とは言えない。
ただ、俺は昔の子どもの気持ちを考えると、なんとなく分かる気がする。
子どもにとって、おねしょって恥ずかしいよね。
朝起きる。
布団が濡れている。
親に見つかる。
兄弟がいたら笑われるかもしれない。
つまり、
子どもが「それは嫌だ」と思うものとして、ものすごく分かりやすかった。
火事になるぞ。
と言っても、小さな子どもには現実感がないかもしれない。
でも、
「今夜おねしょするぞ」
なら、
「それは困る」
となる。
かなり強引だけど、目的は分かるんだよね。
3.火遊びは、迷信じゃなく本当に危ない
ここは笑い話では済まない。
消防庁は現在も、子どもの火遊びについて注意を呼びかけています。
消防庁の防災情報では、火遊びによる火災では子どもによるものが多いとして、マッチやライターを子どもの手の届くところに置かないこと、花火などは大人が付き添うことを勧めています。
俺は消防設備の仕事をしているから余計に思うけど、
火って、本当に一瞬なのよ。
「ちょっとだけ」
「すぐ消すから」
「これくらい大丈夫」
その油断が怖い。
火は、
「子どもだから今回は小さく燃えておきます」
なんて気を使ってくれない。
燃えるものがあれば燃える。
風があれば広がる。
気づくのが遅れれば大きくなる。
だから昔の親が、多少強引でも火遊びを止めたかった気持ちは、かなり分かる。
4.ただし「火遊びしたからおねしょした」は違う
一方で、ここはちゃんと分けたい。
おねしょ、医学的には夜尿症などと呼ばれることがあります。
米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)は、子どものおねしょについて、体の発達の途中であること、夜間の尿量や膀胱の働き、目覚めやすさなど、いくつかの要因が関係すると説明しています。
少なくとも、
火遊びをした罰として、おねしょが起きる
という医学的な話ではありません。
ここは昔の言い伝えをそのまま信じない方がいい。
それに、おねしょをした子へ、
「悪いことしたからだ」
「だらしないからだ」
と責めるのも違うと思う。
NIDDKも、子どものおねしょは成長とともに自然に改善していくことが多いと説明しています。
迷信は迷信。
体の話は体の話。
ここをごちゃ混ぜにしない。
これ、大事だと思う。
5.昔のしつけは「理由」より「結果」で教えた
愛媛県の生活文化資料には、昔の子育てについて、
間違った行為をただ禁止するのではなく、
「それをすると、こうなる」
という具体的な結果を示して止めていたことが紹介されています。
これ、なるほどなと思った。
今なら、
火遊びをすると火事になる。
やけどする。
煙を吸う。
命に関わる。
と理由を説明できる。
でも昔は、幼い子どもにそこまで理屈で説明するのは難しい。
だったら、
「おねしょするぞ」
の一言で止める。
教育として正しいかどうかは別として、
とにかく危険から遠ざける
という意味では、かなり実用的だったんだろうね。
6.俺なら今は「おねしょするぞ」とは言わないかな
俺は今なら、子どもに火遊びをさせないために、
「おねしょするぞ」
とは言わないかな。
昔の言葉としては面白い。
でも今は、火がなぜ危ないのかを普通に説明した方がいい。
火は広がる。
服に燃え移ることもある。
家が燃えることもある。
人がケガをする。
だから、
火を使うなら必ず大人と一緒に。
これでいいと思う。
ただね。
昔の親の言い方を笑う気にもならない。
その時代、その環境で、
どうやったら子どもを危険から守れるか。
必死に考えた結果だったのかもしれないから。
7.言い方は強引。でも守りたかったものは同じ
昔の言い伝えって、調べてみると面白い。
表面だけ見ると、
「そんなわけないだろ」
という話が多い。
でも一枚めくると、
ケガをさせたくない。
命を守りたい。
物を粗末にさせたくない。
人に迷惑をかけさせたくない。
そんな気持ちが隠れている。
「火遊びをするとおねしょする」
も、たぶんそう。
おねしょを怖がらせたかったというより、
火を怖がってほしかった。
ここなんだと思う。
まとめ
「火遊びをするとおねしょする」
この言い伝えは、実際に各地の俗信として記録され、地域資料では火遊びを禁止するためのものと説明されています。
もちろん、
火を触ったから夜に必ずおねしょするわけではない。
おねしょには体の発達など複数の要因があり、火遊びとの医学的な因果関係は確認されていません。
でも俺は、
「迷信だから全部くだらない」
で終わらせるのも違うと思う。
昔の親は、
火は危ない。
子どもを守りたい。
でも長い説明では伝わらない。
そこで、
「火遊びしたら、おねしょするぞ」
という、一発で覚える言葉を作った。
かなり強引。
でも目的は真面目。
今の時代なら、
おねしょで怖がらせるより、火の危険をちゃんと教える。
その方がいい。
ただ昔の人が守りたかったものは、
今の俺たちと同じなんだと思う。
結局、
火遊びで本当に怖いのは、おねしょじゃない。火事なのよ。
そこだけは、今も昔も変わらないね~。
