千葉豪雨、ポンプ場も機械室も浸水。「設備は地下でいい」が当たり前のままで大丈夫なの?
今朝8月16日。
建設・不動産関係のニュースを見ていて、
俺がかなり気になったのが、
千葉豪雨で、建物やインフラの「機械」が水にやられていること。
千葉県では13日から14日にかけて記録的な大雨となり、
千葉市では24時間雨量が360ミリを超え、観測史上1位を更新。
8月の平年1カ月分の降水量の3倍以上です。
これだけ降れば、
道路が冠水する。
川が増水する。
家に水が入る。
当然そういう被害を想像します。
でも俺が設備屋だから余計に気になったのは、
その水が、建物や施設の「心臓部」まで入っていることなんです。
下水道のポンプが、次々と浸水して止まった
国交省の8月15日10時時点の第4報を見ると、
千葉市の越智ポンプ場。
茂原市の道目木ポンプ場。
佐倉市のマンホールポンプ。
印旛沼流域下水道の八千代ポンプ場。
こうした下水道設備が、
浸水によって機能停止。
応急復旧した施設もありますが、仮設ポンプやバキューム車で送水しているところもあります。
さらに、
千葉県立富津公園ではプールのポンプが浸水。
蓮沼海浜公園では機械室が浸水。
どちらも利用中止となりました。
これ、
俺は結構考えさせられました。
水って、結局「低いところ」に行くんだよね
当たり前なんだけど、
水は高いところから低いところへ流れます。
だから建物で、
地下。
地下ピット。
地下機械室。
地下駐車場。
こういう場所は、
一度水が入るとかなり厄介です。
ところが建物では、
受変電設備。
ポンプ。
制御盤。
機械室。
大事な設備が地下にあることも珍しくない。
普段なら邪魔にならない。
音の問題もある。
配管もしやすい。
いろいろな理由があるんだと思います。
でも、
一度浸水すると、「普段は目立たない設備」が建物全体を止める可能性がある。
ここなんですよね。
過去にはマンションの地下電気設備が水没して、エレベーターも給水も止まった
これは今回の千葉豪雨だけの話ではありません。
2019年の東日本台風では、
高層マンションの地下にあった高圧受変電設備が冠水。
停電によって、
エレベーターや給水設備などが一定期間使えなくなる被害
が発生しました。
そのため国土交通省と経済産業省は、
マンション、オフィスビル、病院などを対象に、
「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」まで作っています。
つまり、
国もずっと前から、
「地下の設備が水に弱い」
という問題は認識しているわけです。
俺は「後悔先に立たず」って、こういうことだと思う
昔から、
「後悔先に立たず」
と言います。
何か起きてから、
「あの時やっておけばよかった」
と思っても遅い。
建物の防災って、
まさにこれなんじゃないかな。
水が入ってから、
「この制御盤、もう少し高い位置に置けばよかった」
「止水板を付ければよかった」
「この入口から水が入るとは思わなかった」
そう思っても、
設備が水につかった後では遅い。
だから、
災害が起きていない時に考える。
これが防災なんだと思います。
デベロッパーは「坪単価」だけじゃなく「止まらない建物」を売る時代になるんじゃない?
これから不動産会社やデベロッパーが建物を造る時、
俺は、
駅から何分。
家賃。
眺望。
デザイン。
省エネ。
こういうものと同じくらい、
災害が起きても機能を維持できるか
が価値になると思っています。
例えば、
重要な電気設備をどこへ置くか。
機械室への水の侵入をどう防ぐか。
非常用電源はどうするか。
ポンプが一台止まったらどうするか。
地下へ水が入った時に、どこまで守るか。
これって、
完成した後に簡単に変えられないことも多い。
だから最初の設計が大事なんですよね。
ゼネコンもサブコンも「図面通り付けました」だけでは終わらなくなる
もちろん、
施工会社は設計されたものを施工するのが基本です。
でもこれからは、
現場で、
「ここ、水が来たらまずくない?」
「この制御盤、この高さで大丈夫?」
「この配管貫通部から入らない?」
そういう気づきが、
ますます大事になるんじゃないかな。
ゼネコン。
電気サブコン。
設備サブコン。
専門工事会社。
それぞれ立場は違うけど、
現場を見ているからこそ気づけることもある。
俺は、
設計図に書いてあるから何も考えずその通りやる、では弱い
と思っています。
もちろん勝手に変えたらダメだけどね。
気づいたら、
ちゃんと上へ相談する。
それが現場の価値だと思います。
消防設備だって、水害と無関係じゃない
消防設備屋としても、
これは他人事じゃありません。
消火ポンプ。
制御盤。
非常電源。
警報設備。
配管。
建物によって設備構成は違いますが、
消防設備だって電気を使うものは多い。
しかも、
火事だけ考えていればいいわけじゃない。
地震。
浸水。
停電。
複数のことが重なった時、
本当に設備が動くのか。
俺は、
そこまで考えた方がいいと思っています。
ビル管理会社は「水が来たら何を止めるか」まで決めてあるのかな?
完成した後は、
ビル管理会社の仕事になります。
そして俺は、
こういう災害の時こそ、
管理会社の力が出ると思っています。
警報が出た。
雨量が増えた。
地下へ水が入る可能性がある。
その時、
誰が判断するのか。
どこを確認するのか。
どの設備を止めるのか。
止水板は誰が出すのか。
テナントへ誰が連絡するのか。
施工会社への緊急連絡先は分かっているのか。
水が入ってから会議を始めていたら遅い。
これが本音です。
不動産会社は、もう水害リスクを説明する義務がある
実は不動産取引でも、
水害はすでに重要な情報になっています。
宅地建物取引業者は、
売買や賃貸の重要事項説明で、
水防法に基づく水害ハザードマップを提示し、
対象物件がどこにあるのか説明することが義務化されています。
そして国交省は、
ハザードマップ上で浸水想定区域の外だからといって、
「水害リスクがない」と誤解させないよう配慮すること
まで求めています。
俺はここ、
かなり大事だと思います。
「ハザードマップの外だから大丈夫」ではない
地図を見ることは大事。
絶対に見た方がいい。
でも、
地図を見て、
色が付いてない。
「じゃあ大丈夫だね」
で終わるのも怖いと思う。
豪雨って、
毎回同じ降り方をするわけじゃない。
排水設備の能力。
地形。
道路。
建物への入口。
周囲の開発。
いろいろな条件があります。
だから、
地図は答えではなく、考える材料。
俺はそのくらいで見た方がいいと思っています。
これから「防災に金を掛けたビル」が評価されてもいい
不動産って、
見えるところへお金を掛けると分かりやすいですよね。
立派なエントランス。
おしゃれなラウンジ。
高級な内装。
俺も嫌いじゃない。
でも、
止水板。
受変電設備の位置。
非常用電源。
排水設備。
防水。
こういうものは、
普段ほとんど誰も見ない。
だから、
予算を削られやすいところもあるんじゃないかな。
でも、
大雨の日には、
おしゃれなロビーより、止まらないポンプの方が大事になる。
ちょっと極端だけど、
本当にそうだと思う。
ビルオーナーも「壊れたら保険で直す」だけでは大変
保険に入る。
もちろん大事です。
でも、
設備が止まったら、
直すまで建物を使えない場合もある。
ホテルなら営業できない。
店舗なら売上が止まる。
オフィスならテナントの仕事に影響する。
マンションなら住民の生活が止まる。
だから、
修理代だけではなく、
建物が止まる時間そのものが損失
なんですよね。
ここはデベロッパーもビルオーナーも、
もっと考える価値があると思います。
そして設備改修は、何も起きていない時の方が安い
これ、
俺たち工事屋からすると当たり前なんだけど、
壊れてから直す方が大変です。
緊急。
夜間。
休日。
材料を急いで手配。
仮設対応。
テナントが営業している中で工事。
全部条件が悪くなる。
それなら、
古くなった設備を、
計画的に交換する。
止水対策を先にする。
大雨が来る前に確認する。
何も起きていない時にやる方が、結果的に安いことも多い。
これは本当にそう思います。
今回の豪雨では、道路や鉄道まで止まっている
国交省の最新報告では、
千葉東金道路と圏央道で、
法面崩落による12区間の通行止めが発生。
外房線や東金線、小湊鉄道でも道床流出や土砂流入などの施設被害が確認されています。
宅配便でも集配遅延や停止が発生しています。
つまり、
建物そのものが無事でも、
道路が止まれば材料は来ない。
社員が出勤できない。
業者も来られない。
建設業もビル管理も、
建物の中だけ考えていればいいわけじゃないんですよね。
「後悔先に立たず」。でも、防災は後悔する前にできる
千葉豪雨では、
ポンプ場。
マンホールポンプ。
公園の機械室。
公営住宅。
道路。
鉄道。
いろいろなところで浸水や被害が確認されています。
これを見て、
「大変だったね」
で終わらせたら、
また次の災害で同じことを繰り返すかもしれない。
後悔先に立たず。
昔のことわざだけど、
防災ほどこの言葉が当てはまるものもないと思います。
俺も会社をやっていると、
今使わなくてもいい金を、
将来のために使うのって結構勇気がいるんですよ。
まだ壊れてない。
まだ使える。
だったら来年でいいか。
そう思う。
俺も普通に思います。
でも、
壊れた翌日には、
「去年やっておけばよかった」
と思うんだよね。
建物も会社も同じ。
問題が起きる前に少しだけ先へ金を使う。
デベロッパー。
ゼネコン。
サブコン。
ビル管理会社。
オーナー。
そして俺たち専門工事会社。
それぞれが、
「自分の仕事の範囲だけ」で終わらず、
少し先まで考える。
そんな建物の方が、
結局長く使われて、
価値も残るんじゃないかな。
俺は今回の千葉豪雨を見て、
改めてそう思いました。
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