受刑者を「養う」コスト?
私たちの税金が、受刑者の生活を支えている
突然ですが、少し不思議に思いませんか。
犯罪を犯した人が刑務所に入ると、その生活費――食事、医療、住居、光熱費などは、すべて税金で賄われます。
犯罪の被害者も、何も悪いことをしていない市民も、その費用を負担しています。
もちろん、刑務所は社会の安全を守るために必要な制度です。
しかし、
「犯罪を犯した人を、なぜ税金で養わなければならないのか」
という感情を抱くのは、私だけでしょうか?
受刑者1人にかかるコストは年間約300万円
法務省の資料によると、受刑者1人あたりにかかる費用は年間およそ300万円前後です。
1日あたりに換算すると約8,000〜9,000円。
この中には、
食費
医療費
被服費
光熱費
施設維持費
刑務官の人件費
などが含まれています。
食費だけを見ると1日700〜800円程度ですが、実際には施設全体を維持するために大きなコストがかかっています。
また、裁判前の未決拘禁者(勾留者)や、少年院に収容されている少年にも同様の費用がかかっています。
(5万人の収容者がいると、年間約1,500億円の歳出)
つまり、日本では犯罪を犯した人、あるいは犯罪の疑いをかけられた人の生活を、社会全体で支えているのです。
受刑者は何してる?
日本の刑務所では刑務作業が行われています。
木工、印刷、縫製、農作業などの作業に従事し、その対価として作業報奨金が支給されます。
ただし、その額は非常に低い水準です。
令和4年度の平均支給額は月約4,537円。
時給換算では約28円程度であり、一般社会の労働とは大きく異なります。
つまり、受刑者は働いてはいるものの、自らの生活費を賄えるほどの生産活動にはなっていないのが現状です。
出所者の7人に1人は「手持ち1万円以下」
ここで見落とされがちな問題があります。
それは、出所後の生活です。
受刑者の多くは、刑務所を出た瞬間から厳しい現実に直面します。
統計によれば、
出所時に5万円以上持っている人:約37%
出所時に1万円以下しか持っていない人:約14.6%
とされています。
「住む場所」もない。「仕事」もない。「お金」もない。
この状態で社会に戻れば、再犯のリスクが高まるのは当然です。
実際に法務省の犯罪白書でも、経済的困窮と再犯の関連性は繰り返し指摘されています。(これでは犯罪は減らないのでは?)
「一律に養う」制度は公平なのか
さらに考えてみると、受刑者の経済状況は決して同じではありません。
受刑前に生活保護を受けていた人もいれば、
高収入の会社員
経営者
資産家
だった人もいます。
しかし現在の制度では、
富裕層も
中間層も
貧困層も
ほぼ同じ条件で処遇されています。
これは一見平等に見えます。
しかし、本当に公平なのでしょうか。
経済状況の異なる人を同じように扱うことは、実は格差を無視しているだけかもしれません。
「養う」から「社会に還元する」刑務所へ
私は、刑務所の役割を単なる収容施設ではなく、
「社会への再参加を準備する場所」
へ転換していくべきだと思います。
そのためには、刑務作業をより社会的価値の高いものへ発展させる余地があります。
例えば、
農業・食品加工
国有地や農業施設を活用し、生産した作物を刑務所内で消費する。
食料コスト削減と食料自給率向上の両方に貢献できます。
公共備品の製造
自衛隊、警察、消防などで使用する制服や備品の製造。
既に一部実施されていますが、さらに拡大する余地があると思います。
例えば、医療従事に使用する「マスク」や「防護服」など、国が備蓄管理をすると決めた消耗品等
リサイクル事業
資源分別や再資源化作業は、人手不足解消と環境対策の双方に役立ちます。
森林整備・公共インフラ補助
人手不足が深刻な公共分野への参加は、社会的価値が高い取り組みです。
諸外国が行っている「ゴミ拾い」等。例えば、過疎地の海岸のゴミ拾い等。
デジタル軽作業
行政文書の電子化やデータ入力など、能力に応じた知的作業への参加も考えられます。
中国の関連企業に外注するより、よほど安全だと思うけど… 昨今の犯罪に使用されているリストは、以前にずさんに管理された年金情報等が中国経由で漏出しているのでは?(あくまで私見です。)
少年院こそ教育を最優先にすべき
さらに重要なのが少年院です。
少年院に入るのは、まだ人生のやり直しが十分可能な年代です。
だからこそ、
高卒認定取得
職業資格取得
IT教育
大学レベルの通信教育
などを積極的に導入するべきではないでしょうか。
収容期間を「失われた時間」にするのではなく、
「人生を立て直す時間」
に変えることが、長期的な再犯防止につながると思いますが、皆さんはどう考えますか?
提案
さらに私は、受刑者を経済状況によって3つの層に分ける制度を検討する価値があると考えています。
第1層:高所得者
受刑前に高収入や十分な資産を持っていた人には、収容コストの一部を自己負担
例えば月5〜10万円程度を上限とした応能負担です。
第2層:中所得者
現在の制度を基本的に維持
第3層:低所得者
報奨金の増額や出所後の住居・就労支援を強化
特に出所直後の数か月は、
家賃
食費
就職活動費
を支援する仕組みが有効なのではないかと考えます。
「犯罪者を優遇するのか」という批判について
こうした提案に対して、
「犯罪者を優遇するのか」
という批判は必ず出ると思います。
しかし目的は優遇ではありません。
再犯を減らすことです。
再犯が起きれば、
警察
検察
裁判所
刑務所
すべてに再び大きな税金が投入されます。
出所後の支援に数十万円かけて再犯を防げるなら、その方が社会全体の負担は小さくなります。
これは福祉の議論ではなく、治安と財政の議論でもあるのです。
まとめ
犯罪は許されるものではありません。
しかし、犯罪者をただ閉じ込めるだけでは問題は解決しません。
大切なのは、
受刑者の作業を社会的価値の高いものにすること
少年院を真の教育機関として機能させること
経済状況に応じた公平な制度設計を行うこと
出所後の再出発を支援し再犯を防ぐこと
ではないでしょうか?
受刑者を「養う」のではなく、「社会に還元できる人材として再生する」。
そして税金を使うなら、その効果を最大化する。
刑務所制度を考えるうえで、本当に重要なのは感情論ではなく、社会全体にとって何が最も効果的かという事を考えるべきではないでしょうか?
皆さんは、どう考えますか?
