観劇 メトロンズ第10回公演「事故か、事件か、同窓会か」
しずる・ライス・サルゴリラと演出家中村元樹による演劇チーム、メトロンズ。
こういう「説明セリフ」があると対象が分かりやすくなり、わたしの場合だと20年後にこの文章を読んだときに「メトロンズって何だったっけ?」となるかもしれないので書いている。
というような「説明セリフ」が少ない演劇だった。だから、観たあとに余韻、または、「笑い」が残っている。
友だちと宿泊する旅館にいち早く到着したヨコヤマ。部屋に隠れて友だちを驚かせようと考えたヨコヤマだが、隠れ場所を探すうちに2階から落ちてしまう。
旅館に到着した友人たちを前に、刑事が現れ、「犯人はこの中にいる」と宣言するのだがーー
まずはみんなの演技の上手さ。サルゴリラの赤羽なんて、帯で刑事ドラマをやってるんじゃないかと疑うくらいハマっていた。
この作品は「万事解決!」というスッキリした終わりを迎えないのだが、それがおもしろい。
例えば、美しい旅館の女将、マサミは正義感にあふれた人物でもあるが、作中、とある、一般的に犯罪とされる行動をとる。
もしかすると、その行為を隠すために正義を装っているのかもしれないし、もしかすると犯罪が「観測」、つまり、捕まったときにだけ成立すると考えているのかもしれない。
だから、過去にも同じようなことをしているのではないか。作中に匂わせともとれるくだりがある。
このように、目の前に提示された笑いだけじゃない、という、妙な深みがあった。
ヨコヤマが隠れ場所を見つけようとしたように、この作品は笑い場所が隠れている。
だから舞台がおわっても、あれは何だったのかと考え、ウフ、と笑ってしまい、もし一緒に観た人がいれば、「あのあとたぶんこうなってるぜ」とか、「過去にたぶんこういうことがあったんだぜ」とか盛り上がる、いつまでも余韻が終わらない作品だった。
