夏と冬が入れ替わる日(日曜エッセイ)
※月曜日に思いついた話を、土曜日の夜まで放置していた結果、少しだけ焦っています。
今週の月曜日は夏至だった。
一年でいちばん昼が長い日。
朝から明るく、
夜になってもなかなか暗くならない。
夏が本気を出し始める日でもある。
その日、
ふと思い出した。
(また余計なことを……)
(ここから先は無料ですが無駄です)
子どもの頃、
私は「うるう年」がよく分からなかった。
一年は365日。
それでいいではないか。
なぜ4年に1回だけ、
「今年は366日にします」
などと言い出すのだろう。
2月に1日足して、
何がそんなに変わるのか。
当時の私は、
人類が暦を盛っているのではないかと、
少し疑っていた。
しかし夏至の日、
ようやくその理由を思い出した。
一年を365日だけで数えていると、
季節が少しずつズレる。
放っておけば、
夏と冬が入れ替わる。
これは日曜エッセイになるかもしれない。
そう思った。
そして私は、
月曜日から金曜日まで、
何もしなかった。
土曜日の夜になった。
日曜エッセイの締切が近い。
私は思い出した。
そういえば今週、
夏と冬が入れ替わる話を
書こうとしていた。
なぜ入れ替わるのか。
何年で入れ替わるのか。
そして、
なぜ私は月曜日に調べなかったのか。
ここから先は、
いつものように時間との戦いである。
地球が太陽のまわりを一周する時間は、
ぴったり365日ではないらしい。
約365.2422日。
つまり、
毎年365日だけで暮らしていると、
暦と季節が
少しずつズレていく。
1年では、
約5時間49分。
大したことはない。
しかし、
4年でほぼ1日。
100年で約24日。
そのまま放置すると、
夏至は少しずつ後ろへずれていく。
そして約750年後。
夏至は12月にやってくる。
「本日は冬至です」
とニュースキャスターが言い、
窓の外では蝉が鳴いている。
年末の街では、
半袖の人たちが
クリスマスケーキを買っている。
(便宜上、日本以外は考えないものとする)
私はたぶん、
その頃にはそこにはいない。
少し安心した。
人類は考えた。
4年に1回、
1日を足そう。
これがうるう年である。
なるほど。
子どもの頃の私にも、
ここまでは分かる。
しかし、
人類はここで終わらなかった。
4年に1回きっちり足すと、
今度は少し足しすぎるらしい。
地球の一年は365.2422日なのに、
4年に1回足す暦は、
平均365.25日になる。
わずかに多い。
人類は、
季節に遅れないように
1日を足したのに、
今度は足しすぎた。
そこでさらに、
「100で割り切れる年は、
うるう年にしない」
というルールを作った。
ただし、
「400で割り切れる年は、
やっぱりうるう年にする」
とも言い出した。
急に話が細かい。
西暦1900年は
うるう年ではなかった。
しかし、
西暦2000年は
うるう年だった。
人類は、
2000年問題で大騒ぎしている間にも、
ちゃっかり1日を足していた。
(らしい)
このルールによって、
暦はようやく
季節とほぼ同じ速度で進むらしい。
人類は400年単位で、
夏と冬が入れ替わらないように
帳尻を合わせている。
見守る人は誰なのか?
すごい話である。
私は子どもの頃、
なぜ2月に1日増やすのか、
理解できなかった。
大人になって分かった。
足さないと、
夏が逃げる。
しかし、
足しすぎると、
今度は夏が追い越してくる。
人生も少し似ている。
休みを1日増やせば、
少し楽になる。
しかし、
休みを増やしすぎると、
締切が追い越してくる。
その意味では、
私は人類と同じことをしている。
ただし、
人類は400年単位で
暦を調整しているが、
私は土曜日の夜になってから
日曜エッセイを調整している。
精度に差がある。
いや、ありすぎる。
来週の私は、
また1日くらい
増やしてほしいと思っているかもしれない。
もっとも、
4年に1回では足りない。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたものは全て活動のために使わせていただきます。